いじめられていい人は一人もいません
~いじめから子どもを守るために、今、おとなとしてできること~

阿部真紀
あべまき

人権・平和

阿部真紀
あべまき

認定NPO法人エンパワメントかながわ 理事長
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想定する対象者

保護者の皆さんは、子どもにとって身近なおとなとして、子どもたちをいじめから守ることができる大切な存在です。
大津のいじめ自殺事件以来、いじめに関する報道が後を絶えません。毎日のように流れてくる「いじめ」や「自殺」といった言葉に、保護者の皆さんは「子どもがいじめられては大変だ」という不安をあおられています。そして、同様に子どもたちも不安になっています。いじめをなくしていくためには、子どもたちがどんなことでも自分の身のまわりのおとなに相談できること、そして保護者や先生といったおとなたちが子どもの話を受け止めていくことが必要です。まず、おとなが不安を減らすことによって、子どもたちの安心を増やしていきましょう。

提供する価値・伝えたい事

いじめは、子どもの問題ではなく、おとなや社会の問題です。
いじめをなくしていくことは、おとなや社会の責任です。
いじめをなくしていくために、おとなとしてできることはたくさんあります。

暴力をなくしていくために、3つの柱があります。
1.「すべての人は暴力を受けずに生きていく権利がある」という人権を伝えていくこと
2.子どもの力を信じてその力を引き出すこと(エンパワメント)、子どもの話を聴くこと
3.人と人とがつながること

エンパワメントかながわでは、2004年の設立以来、CAP(子どもへの暴力防止)プログラムを中心としてた暴力防止プログラムを5000回以上提供し、15万人以上の子どもたちに出会ってきました。
私たちが出会ってきた子どもたちの具体的な声を皆さんにお伝えします。そして、子どもの話の聴き方について、身近な事例を交えて考えていきます。

CAPを受けた子どもたちの声
「私にも、安心・自信・自由の権利があるってわかって、嬉しかった。ありがとう」
「今日、CAPの人に話を聴いてもらったら、すっきりした。家に帰って、おかあさんにも話すよ」
「僕、人を傷つける言葉を言っちゃうんだ。どうしたら、やめられますか?」
「私はリーダーで、まとめ役。だから、言うこときかない奴はウザイって思ってた。でも、今日、大切な権利が誰にでもあるって知ったんだ。だから、あの子に謝りたい」
「ずっといじめられていて、「死ね」って言われてた。いつも死ぬっていうことを考えてきた。今日、『生きていくために必要な権利は誰もが持っている大切なもの』って話がきけて、良かった」

どんな理由があったとしても、「いじめられていい人は一人もいません」
いじめられている子どもがいたら、「あなたは決して悪くない」、いじめている子どもがいたら、「あなたはとっても大切な人だよ」と伝えましょう。子どもの話を聴くことのできるおとなを増やしていきましょう。

この講演の後で、小学校または中学校の子どもたちに、CAPのプログラムを提供することをお薦めします。CAPワークショップは、クラス単位(2時限)で行います。1クラスには3人のスタッフが伺い、料金は2万円+交通費となります。どこかの学年から始めてはいかがでしょうか?(例:2万円x5クラス+交通費実費)

内 容

1.子どもを取り巻く社会状況について
2.いじめという暴力について
3.暴力をなくしていうための3つの柱
  人権・・暴力から身を守るために、「私は私のことがとっても大切と思う気持ち(人権意識)」が必要です。
      CAPでは、「安心・自信・自由」という言葉で伝えています。
  エンパワメント・・人は生まれながらにたくさんの力を持っています。
           その力を引き出す関わりがエンパワメントです。
           子どもの力を信じ引き出すために、気持ちを聴くことが大切です。
  つながること・・暴力は一人の力ではなくしていくことはできないから、人と人とつながることが必要です。
         一人でがんばらなくていい。助けてもらっていい。
   ⇒御殿場南小・中の子どもたちを守るために、おとなたちがつながりましょう。
4.CAP(子どもへの暴力防止)プログラムの紹介
  権利(安心・自信・自由)について
  いじめについての寸劇
5.暴力から身を守るためにできること(CAPで子どもたちに伝えていること)
  NO・・「いやだ」と言っていい
  GO・・逃げていい
  TELL・・誰かに話して助けてもらっていい・信頼できるおとなに相談する
6.CAPを受けた子どもたちの声
7.子どもの話を聴くために
  3つの言葉がけ
   「話してくれてありがとう」「あなたの話を信じるよ」「あなたは決して悪くない」
  気持ちを受け止める(共感)
   「いやだったね」「そんな気持ちになること、わかるよ」
  使わないほうがいい言葉
   「なんで、いやだと言えなかったの?」「どうして、いじめられると思うの?」
 ⇒「どんな理由があっても、いじめられていい人はいません」
8.まとめ
  子どもの権利を守る(暴力から守る)ために、おとな自身が自分の権利を守ることが大切

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