内 容
私には、40年以上前から変わらぬ夢がありました。
「社員が誇りに思えるような“夢の工場”をつくろう」
「油まみれの工場を“白衣を着て働く工場”にしてみせる」
HILLTOP株式会社の前身は、1961年に私の父が創業した自動車部品を製造する小さな町の鉄工所でした。
自動車メーカーの孫請だった油まみれの鉄工所は、様々な試行錯誤の結果、今や「多品種単品のアルミ加工メーカー」に脱皮しました。毎日同じ製品を大量生産していた町工場は、「24時間無人加工の夢工場」へと変身。今のヒルトップに油まみれで働く社員はひとりもいません。
ヒルトップのビジネスモデルは、従来のものづくりとは一線を画しています。
鉄工所でありながら、
「量産ものは、やらない」
「ルーティン作業は、やらない」
「職人は、つくらない」
といった型破りな発想を実現しているのが、ヒルトップの「夢工場」です。
以前、初めて本社にきた人が言いました。
「社員も経営者も、遊びながら仕事をしているようですね。ここは、まさに“遊ぶ鉄工所”ですね」
しかし、日々遊んでばかりいるわけではありません。
業界常識を一掃した生産システムによって、収益構造は大幅改善。利益率は「20~25%」までアップしました。一般的に鉄工所の利益率は「3~8%」ですから、この数字は業界水準を超える「驚異的な数字」なのかもしれません。
この10年間、売上、社員数、取引社数ともに右肩上がりです。取引先は国内だけでなく世界中です。
中にはウォルト・ディズニー・カンパニーやNASA(アメリカ航空宇宙局)、自動車配車アプリ「Uber」を運営するウーバー・テクノロジーズなど世界トップ企業も含まれます。ありがたいことに、アメリカのとある企業(バイオ医薬品、ゲノム解析および細胞治療向けの製品やサービス提供)から、「ヒルトップの技術力は素晴らしい。その技術を独り占めしたいので、会社ごと買いたい」と言われたこともあります。
おかげさまで「利益率20%を超えるIT鉄工所」としてテレビなどにも取り上げられ、年間2000人超が京都府宇治市の本社工場の見学にお越しくださいます。
製造業の最終目的は「ものをつくること」ではありません。
これからの製造業は、ものづくりからサービス業に変わっていかなければいけません。いわば「製造サービス業」でないと生き残っていけないと私は確信しています。これからは、「ものづくりをしない製造業」が生まれる可能性があるからです。
お客様を相手にする以上、すべての会社はサービス業だと思います。ですから、会社を変える原理原則は同じです。
瀕死のどん底から這い上がったヒルトップの様々な改革が、みなさんの仕事や人生に少しでもお役に立てればと思います。
どうすれば、わくわくして仕事ができるか。
どうすれば、夢も希望もない世界で、夢を持ち続けられるか。
どうすれば、人のモチベーションは自動的に上がり続けるか。
どうすれば、時代の変化を先取りし、新しいことにチャレンジできるか。
組織の人づくり・風土づくりに苦労している経営者・幹部・リーダークラスの方々、仕事の面白さを実感できない中堅や若手の方々、新しいことをやりたいが暗中模索している方々にとって少しでも活性化のヒントになれば、これ以上の喜びはありません。
業務外の講師への取次は対応しておりません。