オンライン講演では、講師、聴講者、主催者がそれぞれ遠隔地におり、オンラインでつないで中継を行います。
その際に、私たちスタッフが運営に入る場合がありますが、運営には、企画進行スタッフ、主催者サポートスタッフ、スタジオ手配スタッフ、講師サポートスタッフなど、複数のスタッフがチームとなって取り組む場合も多いです。
今回の案件は、東京のスタジオから他県にいる聴講者に向かって中継を行うというもので、私は講師のサポート役として東京のスタジオから運営サポートを行いました。
他のスタッフとの連携もとれ、準備も完璧でしたが、講師から予想だにしないオーダーが届きます。
その時の様子とまた運営サポートの舞台裏をご紹介します。
労働組合・人材育成・保険業・建設業他 担当 樂木悠
講師 : パックンマックン 氏
主催者 : :C銀行従業員組合 様
開催日時 : 2020年12月中旬
講演時間 : 1時間
聴講者人数: 約80人
使用ツール: Zoomミーティング
講演タイプ: C. 講師から個別視聴者へ生配信
運営サポートスタッフのチーム体制
弊社では主催者様のご希望に応じてオンライン講演の運営サポートを行っています。運営サポートと一言にいっても、仕事内容は多岐にわたり、複数のスタッフがそれぞれを担当して、チームで行っています。
運営サポートの仕事内容は以下の通りです。
- 主催者サポート…企画、段取り、タイムスケジュール・司会台本の作成、資料作成、リハーサルの設定、Zoomの設定、当日の進行・参加者管理・ブレイクアウトルーム管理など
- 講師サポート…カメラの切り替え、画面共有・チャット管理・画面の切り替え、場合によって機材の設営など
- (場合によって)講師のスタジオ手配
主催者サポートでは、1人だけで回すことは難しいため、もう1人補佐役が入り、2名で対応します。
講師サポートでは、講師がオンライン講演に慣れていて、かつ自分の事務所から配信される場合には、こちらのサポートはつきません。ただし、今回の案件は、講師がオンライン講演に不慣れでオンライン講演に対応できる施設を持ち合わせていなかったこともあり、東京のスタジオの手配と当日の講師サポートも必要となってきました。
弊社は大阪本社と東京事務所がありますが、多くの芸能人講師は東京在住で、私たち東京事務所のスタッフが講師サポートに立ち会うことも多々あります。今回の案件もこのケースにあたり、私が当日の講師サポートに当たることになりました。
スタジオの手配は大阪本社にいる企画課のスタッフが、主催者サポートは同じく大阪本社の営業スタッフ2人が行い、総勢4名のチームで本案件をサポートすることになりました。
今回の案件の概要
今回の案件の概要を振り返っておくと、主催者様はC銀行従業員組合様。組合員同士のつながりを強化するためのレクリエーション事業の一つとして、組合員とその家族を対象に行われた講演となります。講師は、日本人とアメリカ人のお笑いコンビとして有名な「パックンマックン」。家族向けということもあり、週末の午前中に開催されました。講師と私は東京のスタジオから、主催者と聴講者は他県の各自宅からの参加。東京と他県を結んでの同時並行サポートとなるため、それなりの準備が必要となります。
主催者サポートスタッフは当日までに詳細なタイムスケジュールや講師プロフィール、台本などの資料を準備し、私やスタジオ手配スタッフに情報を共有していました。
スタジオ手配のスタッフは、主催者様と講師の要望にそって、スタジオを探し、予約をしました。スタジオ設備としては、カメラ3台・ミキサー・講師用のモニター2台(聴講者の顔が見えるもの、共有資料用)があり、スタジオスタッフも2名つくことになりました。
資料や情報は事前にチャットやメールを駆使してしっかりと共有され、段取りも完璧でした。
芸能人ならではのリクエスト
私は開始時刻の2時間前にスタジオに入りました。カメラやモニターのセッティングもしっかりとされていて、スタジオスタッフとして2名が常備していました。この2名のスタジオスタッフは、講師のカメラワーク、ミキシングを担当。私は、主催者様との連絡役、参加者の入退室管理とミュート管理をするだけでした。
開始時刻の1時間前には講師のパックンマックンが到着しました。スタジオに入り、簡単なリハーサルを行うと、パックンマックンから以下のようなリクエストがありました。
- 講演を盛り上げるために自分たちが見るモニターに反応のよい聴講者が映るようにしてほしい
- どれくらいの時間が過ぎているのか、その都度自分たちに知らせてほしい
- 質疑応答では回答を吟味してモニターに表示してほしい
講演では講師のカメラ割りにこだわりはしても、聴講者の画面切り替えまでは気にかけることはありません。テレビ番組では出演者を撮影するチームと観覧者を撮影するチームに分かれ、またカメラの切り替えや時間管理するタイムキーパーもつきます。聴講者のカメラ割りにこだわるのは、芸能人らしい指摘なのかもしれません。
とはいえ、聴講者の画面切り替えやタイムキーピングの仕事は想定外。しかも、スタジオスタッフはパックンマックンのカメラワーク、ミキシングで手いっぱいです。開始時刻も迫っている中で迷っている暇はありません。頭の中には失敗した時の自分も思い浮かびましたが、それ以上に聴講者の笑顔が思い返されました。
弊社の企業理念は「いい日いい出会いをプロデュース」です。私はこのいい出会いをプロデュースするために、これまで頑張ってきました。
「できるかできないかではなく、とにかくやるのだ!」
運営、聴講者の画面切り替え、タイムキーピングと1人で3役をこなす決意をしました。
まずは、目の前に運営用のPCと講師モニター用のPCを2台置き、その手前にタイムスケジュールを置きました。
参加者が入るたびに運営用PCで「許可」の操作をし、講演中は一斉ミュート。講演が始まると今度は講師モニター用のPCで、反応が良さそうな聴講者をZoomのピン留め機能で画面に固定し、臨機応変に画面を切り替えていきました。それと並行して、10分過ぎるたびに、講師にジェスチャーで残り時間を伝達。その合間で送られてくるチャット内容を吟味し、講師が求めたタイミングでモニターに表示されないといけません。手から顔から汗がどっとふき出してきました。
たった60分の講演時間でしたが、何時間にも感じられるほどでした。とにかく「聴講者の皆様に満足していただきたい」その一心で、1人3役の大役を無事に務めることができました。
弊社のエージェント価値
一時はどうなることかと思いましたが、講演中は大きなトラブルもなく終了しました。主催者様からも「今回は初めてとなるスタジオ配信でしたが、事前打ち合わせから当日運営まで安心してお任せすることが出来ました。大変お世話になりました」と、うれしいお言葉をいただきました。
遠隔地である以上、その場でトラブルが起きなくても、別の場所でトラブルが起きる可能性もあります。そんな時に最大限の講演成果を皆様に提供するために、どのように対応すべきかを考えることも、私たちスタッフの使命です。
もし、東京スタジオに私のような現地スタッフがおらず、講師のリクエストに対応できなかった場合、講演の成果や聴講者の満足度は半減してしまう可能性もあります。こういった時こそ、私たち現地スタッフのサポートが威力を発揮します。それは、弊社のエージェント価値にもつながることだと考えています。
私は10年近くこの仕事に携わっています。ただ講師紹介だけが私たちの仕事のように見えますが、実はそれだけではありません。聴講者の皆様に満足していただけるためにどうするべきか、講演の成果を最大限に発揮するためには何をすべきかを、主催者様の立場になって考えることも重要な仕事の一つです。
企画段階から講師の選択、スケジュール調整以外にも、講演を活性させるための方法や演出の方法も主催者様と一緒に考えていきます。また、時には、主催者様の代わりに会を進行したり、運営することもあります。オンライン講演の企画や打ち合わせ、リハーサル、そして運営の工数を考えると、リアル開催以上に何倍もの工数と手間がかかります。
それでも、主催者様や聴講者様から「ありがとう」「楽しかったです」といった言葉をいただくたびに、やっててよかったという気持ちになります。
主催者様のお力になりたい、聴講者の方々の笑顔を見たい、という気持ちは、社員一同、皆同じです。これこそがシステムブレーンのエージェント価値であると考えています。
今後とも「いい日いい出会いをプロデュース」するために全力でに業務に取り組んでいきます。「オンライン講演は何からすべき」「これってオンライン講演で実現できる?」など、どんな些細なご質問でも構いません。お気軽にお問合せください。
【この記事を書いたスタッフ】
樂木 悠 らくぎ ゆう
大阪府茨木市出身、1989年8月21日生まれ。岡山、東京、福岡、茨城と様々な土地を転々としています。趣味は映画と日々の運動(水泳やウォーキング)。毎日のコーヒーが欠かせないほど、コーヒー好きです。
スピーディな対応と市場や最新の時事に注目したプラスアルファの提案が強みです。テーマのご相談から講師選定のお悩みまで皆様に寄り添った対応を心がけています。講演に関することで迷ったり、悩んだ時にはぜひご相談ください。皆様のいい日、いい出会いのお手伝いをさせていただきます!
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