「忙しすぎて運動する時間が取れない」
「デスクワーク中心の毎日で体力の低下が気になる」
忙しい社会人にとって、運動不足は切っても切れない悩みです。
そんな方々でも唯一、意識せずに実行できているのが「歩く」ことではないでしょうか。通勤や現場・営業先への移動時に歩くことも多いでしょう。その日常的な行動も、少しの工夫で運動不足を解消するエクササイズになるのです。
今回は、ウォーキングスペシャリストである山口マユウ氏に、日常生活で使える「やせる 3拍子ウォーク」のコツ、さらにはデスクワーク中にできる簡単なエクササイズをレクチャーしていただきます。
【監修・取材先】
山口マユウ氏
ウォーキングスペシャリスト
一般社団法人 日本DFWALK協会 代表
日本人は座り過ぎ!?座りっぱなしがもたらす健康リスク
豪シドニー大学が世界20カ国の成人を対象に行った調査によると、平日の総座位時間が最も長かったのは日本とサウジアラビアで420分でした。世界の平均値は300分であるため、日本人がいかに長時間座っているかが分かります。
さらに恐ろしいことに、座っている時間と総死亡リスクは相関関係にあることも分かっています。同大学が2012年に発表した研究では、1日あたりの座っている時間が4時間未満の人に比べて、8時間〜11時間未満の人で15%、11時間以上の人では40%ほど死亡リスクが高くなるとされています。特にこの座り過ぎ傾向は年齢が上がるほど多く見られます。また、長時間座っていることが認知領域を低下させ、より激しい運動をしても座り過ぎがもたらす影響をなくすことはできないとする研究(2018年、米カリフォルニア大学)もあります。
座り過ぎは筋肉の動きを減らすため、血液がうまく循環されなくなります。すると、血液はドロドロの状態になり、心筋梗塞や脳梗塞、糖尿病といった生活習慣病の発症リスクが高まってしまいます。
まさに「悪のスパイラル」といえるこの悪循環を断つ方法として私が提案したいのが、正しい姿勢と「3拍子ウォーク」です。忙しい中高年層にとって、新たに運動の時間をつくり出すのは簡単なことではありません。しかし、通勤などの移動で「歩く」際にあることを加えるだけなら、チャレンジできるのではないでしょうか。このちょっとしたコツが脂肪の燃焼率を高め、運動不足解消へとつながります。痩身効果も期待できるので、ぜひ挑戦してみてくださいね。
在宅でもできる「3拍子ウォーク」
では、ちょっとしたコツを加えた歩き方「3拍子ウォーク」のポイントを解説していきます。
3拍子ウォークの基本の動きは実に簡単です。背を伸ばし、下腹に力を入れて真っすぐ2歩進み、3歩目は歩幅を大きくして、腕はできる限り真後ろに引きます。「タン・タン・ターン」とリズムを口ずさみながら歩くのもおすすめです。
これに加えて、3歩目で両手を真上に上げる動作を入れると「二の腕たるみ解消」に、両腕を水平に挙げ軽く肘を曲げたまま後ろで交差する動作を入れると、猫背ぎみになっている背をスッと伸ばすことができます。徒歩での通勤や散歩に取り入れたり、好きな音楽などをかけながら屋内でウォーキングするのもいいですね。
良い姿勢の健康メリット
座り過ぎの状態が日常化すると、どうしても姿勢は悪くなりがちです。姿勢の悪さは骨格の歪みや筋肉の疲れを引き起こし、全身の血流を悪くします。それが首や肩・腰などのコリ症状としてあらわれ、悪化すると痛みに変わります。強い肩こりや腰痛が続けば、集中力の低下や気分が沈むなどメンタルにも影響が出てきます。座り過ぎが心身の不調の連鎖を引き起こすのです。
姿勢を正すと、まず骨や筋肉にかかる緊張が減ります。胸が開き、呼吸しやすくなることで脳に十分な酸素が届きますので、肩こりの改善や集中力向上などの健康メリットが期待できます。
実践!姿勢改善エクササイズ
ここでは手軽に取り組める姿勢改善エクササイズを一部ご紹介します。デスクワークで疲れを感じたら、ぜひ「“肘ビーム”で肩甲骨ほぐし」を行ってみてください。
- 基本姿勢:椅子に座り、両手を両肩につける。
- 肘をアップ:両肘を真上に上げていき、脇の下を伸ばす。
- 肘ビーム:肩甲骨を意識しながら、肘で円を大きく描くように回す。前回し、後ろ回しを各5回ずつ。
1〜3を1セットとし、5セット行いましょう。
肘の先を「前→上→横→下」の順で回すことがポイントです。気持ちよさを感じる範囲で始め、徐々に大きく回していきます。コリがほぐれ、可動域も広がりますよ。
デスクワークの際は、休憩がてら隙間時間を使って定期的に行うとより効果的です。スマートフォンの見過ぎは、首が正常な位置より前に出る「スマホ首」を引き起こしますが、このエクササイズで首を理想の位置に戻すことができます。丸まっていた背筋もスッキリ伸び、姿勢もリセット。肩こり、猫背、巻き肩の改善にもおすすめです。
簡単エクササイズと上質ウォークで体も心も健康に!
当講座では、ます「3拍子ウォーク」の科学的根拠を解説し、関節可動域を広げる柔軟や姿勢改善のエクササイズ、実際のウォーキング方法などをご紹介しています。また、人前に立つ仕事をされている方に向けては、美しい歩き方や姿勢だけでなく、内面の魅力も表現するコツを伝授するレッスンもあります。
正しい姿勢とウォーキングは思考をポジティブにしてくれるため、実は仕事面でもたくさんのメリットがある当講座。まずは、歩くだけで効率のよいエクササイズと体力づくりができるウォーキング術を体験してみませんか? スーツを着たまま受講できますので、気軽にご参加いただけます。オンライン講座も受け付けていますので、ぜひお問合せください。
山口マユウ やまぐちまゆう
ウォーキングスペシャリスト 一般社団法人 日本DFWALK協会 代表
「90歳になってもハイヒールの履ける人生を、90歳になってもゴルフのできる人生を」をコンセプトに、ウォーキングを通して健康美・活力寿命延伸活動を推進。学校、企業研修、顧客満足イベント・セミナー、安全大会等で科学的根拠に基づいたウォーキング法・立居振る舞い・ビジネスマナーを指導。
プランタイトル
簡単エクササイズで事故防止!
~安全に仕事をするための体力づくり~
あわせて読みたい
コロナ禍以降、リモートワーク中心となり、自宅にいる時間が増えて…
コロナ禍以降、リモート勤務が定着した方も多くいます。働き方が従…
今、ChatGPTを始めとする生成AIがビジネスの現場を席巻し…
他の記事をみる
業務外の講師への取次は対応しておりません。