日々、曜日を問わず全国各地でさまざまな講演会が開催されており、講演会の種類によって開催する目的も異なります。
本記事では、これまで数々の講演会をサポートしてきた弊社の講演マスターが、講演会とはどんなものなのか、その目的とメリット、開催までの準備の流れなど、講演会企画者が最初に知って起きたい基本的事項について詳しく解説します。
講演会とは
講演会とは、「解き明かす」という意味の「講」と「広める」という意味の「演」という漢字の成り立ちからもわかるように、講師があるテーマについて多くの人の前で解説することです。かつては経典を読み解く「説教」や、音楽の演奏などを聴く「演奏会」と同じ意味として使われていましたが、聴講者が一か所に集まり講師の話を聴く現在の意味で定着したのは19世紀になってからです。
1884年に出版された『改訂増補哲学字彙』の中で、講演(Lecture)とは「多くの人に向かってある題目について話すこと」と解説してあります。
一方で、同じ読みである「公演」という言葉があります。「講演」と「公演」の違いは、提供するものの違いです。「講演」は講義を、「講演」は音楽や舞踊・歌謡などを提供します。
「講演会」と「セミナー」「研修」の違い
「講演会」の類義語として「セミナー」という言葉がありますが、講演会は講師の話を一方的に聴くのに対して、セミナーでは講師の話を聴きながら参加した人が意見交換します。セミナーという言葉は、もともとドイツ語の「ゼミナール」を語源としており、この「ゼミナール」では教師や講師の指導をもと少数の学生の間で討論や意見を発表しながら主体的に学習していきます。
「講演会」は一方向の講義形式や座学スタイル、「セミナー」は双方向の実習形式という違いがあります。
「セミナー」と同じく、「研修」も実習形式ではありますが、研修は多くの場合、企業の人材育成の一環として実施され、業務上に必要な新しい知識やスキルの習得を目的としています。参加者が自主的に参加するセミナーとは異なり、研修では、参加者が「参加しなければならない」という意識が働くためどちらかといえば受動的になってしまいがちです。
主催者が会合名を付ける際に、それぞれの意味を理解した上で使い分けるようにするとよいでしょう。
講演会の目的と種類
講演会を開催することには目的があります。
開催方法にも種類があり、それぞれの方法で異なる特徴を持っています。
講演会の目的や種類についてまとめます。
講演会の目的とメリット
講演会の目的は、主催者の業種、聴講者の層によっても異なってきます。
講演会には大きく以下の3種類があります。
- 官公庁や学校等が主催する市民対象の講演会
- 企業や団体、組合等が開催する社員対象の講演会
- 企業・協会等が会員との関係強化や自社商品PRのために開催する会員対象の講演会。
それぞれの目的とメリットについて解説します。
1.官公庁や学校等が主催する市民対象の講演会
官公庁や公的団体が開催する「市民講座」や学校がPTAやこども・学生対象に開催する講座などがこれに当てはまります。
この場合、第一の目的として、参加者への意識啓発が大きな目的となります。例えば、自然災害が起こりやすい時期になると防災講演会などが開かれますが、この会の目的は、自然災害にあった場合にしっかりと対処でき、忘れがちな防災の意識を高めることにあります。
また、このような講演会では、教育の場を地域の人々に幅広く提供することも目的としています。その地域や学校で問題になっていることをテーマに取り上げることで、地域の人々にその問題について興味を持っていただき、最新の知見や専門知識を提供することができます。
2.企業や団体、組合等が開催する社員対象の講演会
企業が人材育成の一環で開催する講演会となります。社員のモチベーションアップを図り、業務パフォーマンスを向上させるのに有効な知識やスキルの提供を目的としています。
外部講師を呼んで講演会を行うことで、社員は最新の知識やスキルを学べる他、モチベーションややる気にもつながり、企業へのエンゲージメントもアップできます。
また、社内講演会では、別々の部署の社員が一堂に会するため、他の部署の交流にもなります。社内講演会は、社内の横のつながりの構築にもなることから、社員同士の親睦を目的とするケースもあります。
3.企業や協会等が主催する顧客対象の社外講演会
この場合、第一の目的は、自社商品・サービスを広く知ってもらうことです。そのため、ネームバリューのある講師を呼び、集客効果を狙います。
ただ単に自社商品・サービスを売り込むだけでは、顧客の興味を引きづらいという問題があります。そこで、自社商品やサービスに関連する著名講師を呼び、顧客にもメリットとなる最新情報を提供します。顧客側からすれば、自分のメリットになるとあって興味を持って参加していもらえるので、自社商品・サービスの良さを伝えやすいという効果があります。また、直接顧客の意見を聞けるため、商品・サービスの改善や新しい商品開発のヒントも得られます。
講演会の開催方法
講演会の開催方法は大きく分けて次の3つの方法に分けられます。
- リアル(対面・集合型)
- オンライン
- ハイブリッド
それぞれどのような開催方法なのか、また、講演者や参加者にとってどのようなメリットがあるのかを紹介します。
1.リアル(対面・集合形式)
講演者と参加者が実際に対面で開催する方法です。
ひとつのテーマに対して、多くの参加者が集合形式で会場に集まり、直接話を聞くことができます。
リアルでの講演会は、講師と聴講者のコミュニケーションが取りやすいことがメリットの一つです。
講師は参加者の表情や反応を見ながら話を進められて、参加者は講師に直接質問できます。
➁オンライン
参加者が会場に足を運ばなくてもWebから講演会に参加できる方法です。
参加者にとっては、参加したい講演会の開催地が自宅から遠い場合でも、パソコンやスマートフォンなどでどこからでも参加できるメリットがあります。
主催者にとっては、リアル講演会のように場所の制限がないため、多くの参加者を集められるメリットがあります。
③ハイブリッド
ハイブリッドとは、リアルとオンラインを併せた講演会です。
講師が自宅やスタジオなどから行うライブ配信を参加者が別会場に集まって視聴する会場視聴型と、リアル開催の講演をオンラインでも視聴できる会場中継型があります。
主催者にとっても、参加者にとっても、場所を選ばずに参加できるメリットがあります。
講演会の企画の立て方
講演会を企画する場合【5W1H】を軸に考える必要があります。
【5W1H】とは、【いつ(when)、どこで(where)、誰が(who)、何を(what)、なぜ(why)、どのように(how)】という6つの事柄を指します。
【5W1H】を軸に考えるためには、【目的、予算、日程、場所、講師】を決めることが大切です。
初めに講演会の目的を明確にし、目的が決まったら予算を考えて講演会の規模を決めます。
目的や予算が決まれば、次は日程を考えて空いている会場を探します。
最後に、講演会のテーマに合う講師を探して依頼します。
それぞれの工程について解説します。
①講演会の目的を明確にする
講演会を企画するにあたり、意識啓発や集客目的など開催しようと思ったきっかけや理由があると思います。まずは、そのきっかけや理由を考慮した上で、参加者にどんなことを学んでほしいのか、それによってどんな気づきを得てほしいのかを箇条書きで書いてみるとよいでしょう。そうすることで、開催目的が見えてきます。
開催目的を決める場合は、あれこれと盛り込むのではなく、1~3つ程度の狙いを端的にまとめることで、目的のブレを防ぐことができます。
また、目的は、今回の講演会で得られた教育効果を図る指標となるので、明確にわかりやすく設定するようにしましょう。
②予算を明確にする
講演会の目的が決まったら、次に予算を決める必要があります。
予算が決まっていない段階で話を進めてしまうと、考えていなかった費用が発生する可能性もあるため注意が必要です
あらかじめ予算が決まっている場合は、まず経費を見積もってみるとよいでしょう。
講演会の開催における費用は以下のようなものがあります。
- 会場の使用料
- 設備レンタル料
- 講師への謝礼、交通費
- 案内状の印刷代・送付料
- ポスターの作成費用・印刷代 など
上記以外にも、交通整備などのスタッフを雇用する場合には当日スタッフに支払う給料、スタッフの交通費等もかかってきます。当日かかる費用の概算を出し、予算内で調整するようにします。
③講演会の日程・場所を決める
講演会の目的やテーマ、対象となる人や人数によって日程や場所を決めます。
企業が主催する社員対象の講演会の場合は、平日の業務時間内で日程を決めてもよいでしょう。
市民対象の講演会の場合では、平日よりも休日に設定すると参加者を集めやすくなります。
場所を決める際は、参加予定の人数に対して会場の広さが適切か、設置可能な席数は足りているかなどを確認して決定します。
また、車で来場する場合と交通機関を利用する場合のどちらでもアクセスがよいかを確認しておきましょう。
④講演者、講師を決める
講演会の内容やテーマが決定したら講演してもらう講師を決めます。
テーマや予算に合わせて決めるのはもちろんですが、その講師がしっかりと講演実績があるか、参加者の評価はどうかなども考慮する必要があります。
テレビに出ている著名人が講演でうまく話せるかというと、そうでない場合もあります。著名でなくても、講演での話がうまく、教育効果の高い講師も多くいます。
講師を選ぶ際は、著名度だけに注目するのではなく、講演実績や参加者の評価にもぜひ注目してください。
また、講師のスケジュールが合わない場合も考えられますので、講師候補を3名程度リストアップしておくのもおすすめです。
講師への講演依頼は手紙やメール、電話などで直接依頼する方法と、講師を紹介してくれるエージェントを通して依頼する方法があります。
個人で直接依頼すれば紹介料が発生しないためコストを抑えることができますが、講師のスケジュール調整や講演内容、資料のすり合わせ等、企画担当者に大きな負担がかかってきます。
その点、弊社のようなエージェントを通せば、講師との交渉を間に入ってやってもらえるので、企画担当者の負担は減ります。また、講師が見つからない場合でも、講演会の内容や予算などに合わせて適切な講師を提案してもらえます。
講師への講演依頼はぜひ弊社にお任せください!
弊社は、21万件以上の開催実績があり、講師の経歴や実績、評価等をデータベース化しています。官公庁、学校・PTA、企業、安全大会、労働組合、JA・団体など市場別の熟練スタッフが、そのデータベースに基づいて、適切な講師をご紹介しています。講師の開催実績や参加者の評価というのは、インターネットでもなかなか見つけづらいものです。その点、弊社では、開催後にいただいた主催者アンケートを全てデータベースに記録しています。
講師選びによくある失敗が、主催側が期待する講師像と実際の講師のミスマッチです。弊社ではそのミスマッチができるだけ起きないように、主催者様からしっかりとご要望をヒアリングした上で、開催目的にあった評価の高い講師のみをご紹介するようにしています。
また、講師とのスケジュール調整、講演内容、資料等全てのすり合わせ、当日のアテンド等を弊社スタッフが行うため、「かなり負担が減った」と企画担当者の方から嬉しいお言葉をいただいています。
講師選びや講演会に関するご相談は無料です。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
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