研修で学んだ知識やスキルも1回限りだと忘れがちになってしまいます。そのため、学んだ知識やスキルを定着化させるため、研修後に再度研修の内容を確認・復習するフォローアップ研修が行われる場合があります。
本記事では、フォローアップ研修の必要性や目的、行うタイミングや内容、プログラムの立て方など、フォローアップ研修企画の際に必要な内容を詳説します。
■目次
フォローアップ研修とは?
フォローアップ研修とは、ある研修が終わってから一定の期間が経ったのち、同じ受講者とトレーナー(指導者または講師)が再度集まり、以前に学んだ内容がちゃんと定着できているかを再確認するための研修です。「フォロー研修」「フォローアップ」「フォロー」などと呼ばれることもありますが、基本的にすべて同じ内容の研修と考えて構いません。
フォローアップ研修では、以前の研修で学んだ内容を振り返り、学んだことが活かされているかどうか、課題や改善点を確認します。その上で、まだ身についていないスキルや知識があれば再度学んだり、いつまでに身につけるという目標設定を行ったりします。
多くの場合、新入社員研修を行った後、しばらくしてからフォローアップ研修を行い、反復や効果測定にするパターンが多いようです。
フォローアップ研修の対象者
フォローアップ研修の対象となるのは、各研修を実施した際の受講者です。例えば、新入社員全員に向けた新入社員研修なら、対象者は新入社員全員ということになります。特に、新入社員の場合はまだ振り返りや反復の習慣が身についていない、実感できていない人も多いため、特に新入社員向けのフォローアップ研修は重要です。
また、マネジメント研修の場合は受講したマネジメント職が、営業研修の場合は受講した営業職が対象となります。
フォローアップ研修の目的と重要性
フォローアップ研修には、研修で学んだことが業務にどのくらい活かせているか確認するとともに、今後どのように成長していくかの計画を立てるという目的もあります。習得したと思い込んでいたスキルでも、改めて学び直してみると不十分だった、ということもよく聞きます。
業務に活かせていないなら、研修の内容が不十分なのか、活用の機会がなかったのか、どうすれば改善できるのかしっかり考えることも重要です。そのため、受講者はもちろん、トレーナーにとっても、フォローアップ研修は重要な意味を持ちます。
また、フォローアップ研修では新入社員の不安や悩みを拾い、サポートできる良い機会となるため、離職率の低下や新入社員の成長度合いの格差縮小にもつながります。
フォローアップ研修を行うタイミング
フォローアップ研修は、どのタイミングで行うべきなのでしょうか。明確に決まっていませんが、一般的には3カ月、6カ月、1年後が一般的となっています。それぞれの時期にどのようなことを確認するのかを見ていきます。
タイミング①:3カ月後
3カ月後のフォローアップ研修は、復習が大きな目的です。学んだことが定着しているかどうか、日々の業務に活かせているかどうかをチェックすることがメインとなります。実践した内容をプレゼンテーションで発表させるなど、アウトプットの機会として利用するのも良い方法の一つです。営業研修などの場合、目標をどれだけ達成できたか報告し、意識したことや実践方法を共有することで、他の受講者にもメリットがあるでしょう。
タイミング②:6カ月後
6カ月後という時期は、学んだことを既に実践として活かしている人や成果を出し始めている人も少なくないでしょう。そこで、この時期の研修は身に付けた知識やスキルの再確認を実施し、さらにそれらを昇華させるにはどんなことをすべきか、現状どんな問題があるのかを受講者同士で協議し、トレーナーがサポートしながら解決の糸口へと導きます。新入社員研修の場合、中だるみし始める時期でもありますので、再び気を引き締める意味でも大切な研修です。
タイミング③:1年後
1年後のフォローアップ研修では、1年間実践してきたことを総合的に振り返り、次のステップに向けてプランを構築するのがメインです。場合によっては、1年も経過すると部下や後輩が出来るところもありますので、どう関わっていくのか、1年間で学んできたことをいかに伝えるかも考えなくてはなりません。これもプレゼンテーションなどを用いてアウトプットする機会にすれば、改めてモチベーションを上げるきっかけにもなるでしょう。
フォローアップ研修を行う3つのメリット
フォローアップ研修を行うことで、以下の3つのメリットが考えられます。
業務の意味や遂行の姿勢を再確認できる
フォローアップ研修を行うことで、業務の意味や遂行の姿勢を再確認できます。例えば、3カ月後のフォローアップ研修では、学んだことを日々どのように業務に活かせば良いか考える機会が得られます。1年後のフォローアップ研修では、実践を踏まえてこれからのキャリアプランを練ることができるでしょう。このように、業務の意味やスキルを再確認し、組織の中での自分の役割を見出したり、社会人としての姿勢を見直したりできます。
業務における悩みや不安を解消できる
業務における悩みや不安は、特に新入社員にはつきものです。しかし、3カ月後や6カ月後というある程度のスパンでフォローアップ研修を行うことで、日々の業務の中で「これで良いのだろうか」「同期の仲間に比べて遅れていないだろうか」という悩みや不安を払拭できます。また、プレゼンやグループワークで同期と状況を共有すれば、成長度合いの格差も実際に軽減されたり、同じ悩みを話し合うことで安心感を得たりすることもできるでしょう。
モチベーションアップにつながる
フォローアップ研修では改善点と同時に、1年前の自分と比較した場合の成長も実感できます。また、悩みや不安を同じ仲間と共有できることで、みな同じ悩みを抱えていることがわかり、仲間意識も生まれます。これらの相乗効果で、明日への英気を養うことができ、業務へのモチベーションアップにもつながります。
フォローアップ研修のカリキュラム
フォローアップ研修のカリキュラムに入れたい要素や、実際のプログラム事例についてご紹介します。
フォローアップ研修のカリキュラムに入れたい要素
フォローアップ研修のカリキュラムに入れたい要素には、例えば以下のようなものがあります。
- これまでの振り返り
- 経験・体験の発表、プレゼンテーション
- グループワーク
- 身につけるべきスキルの研修
- ディスカッション
- キャリアプランの作成
これまで何度も触れてきたように、最も重要なのはこれまでの振り返りです。振り返りをするために受講者にプレゼンテーションを作らせて発表させたり、グループワークで体験や気づきを共有したりする場を設けてもよいでしょう。
6カ月後、1年後のフォローアップ研修なら、ディスカッションや今後のキャリアプラン作成もカリキュラムに入れておくと今後につながりやすくなります。また、以前学んだスキルを定着させるため、同じ内容の反復学習を行ってもよいでしょう。
フォローアップ研修のプログラム事例
ここでは、一例として6カ月後のフォローアップ研修のプログラム事例を紹介します。
- これまでの振り返り
- 失敗の捉え方、成長するためのポイント
- PDCAサイクルを使った仕事の進め方
- モチベーションアップ研修
- タイムマネージメント研修
- 自社における理念実践のワーク
- 今後の目標、アクションプラン作成
特に新入社員研修から6カ月後だと、中だるみが起こってくる時期でもあるため、モチベーションアップ研修や失敗をどう捉え成長に結びつけるか、といったポイントは非常に重要です。また、反復練習としてコミュニケーションスキルの研修を行うのも良いでしょう。6カ月後なので、今後の目標をプランとして作成してもらうのもおすすめです。
弊社おすすめのフォローアップ研修プラン
弊社では新人研修後のフォローアップ研修にも対応しています。弊社でおすすめの研修プランをご紹介します。
中村成博 なかむらまさひろ
株式会社Gentle 代表取締役/管理者研修講師 防災士 防災アトラクション
ファシリテーター やる気にさせる以上にその気にさせるナビゲーター
新入社員フォローアップ研修
~20代のうちに知っておくべき大切なこと~
新人研修において高評価の講師が、「働くことの意味」「仕事とは何なのか」というビジネスの本質を再確認して、これまでの仕事を振り返り、仕事を効率的にこなすマネジメント術、やる気につなげるモチベーションアップ術を伝授します。新入社員に仕事の「やり方」を教えるのではなく、仕事の「あり方」を理解させ、将来的に会社のかじ取りをしていく人材の育成を目的としています。
➡参照記事「【講師コラム:中村成博】仕事の質向上に有効な新入社員フォローアップ研修」
スキル定着のためにフォローアップ研修を
フォローアップ研修は、初めに学んだ研修内容を振り返り、反復を行うとともに、業務における悩みや不安を解消したり、自分の課題を把握し、モチベーションアップにつなげたりする重要な機会です。フォローアップ研修を行うタイミングによって、メインに据えるべき内容も異なりますので、ぜひ、今回ご紹介した内容を参考に、カリキュラムを作成してみてはいかがでしょうか?
また、弊社ではプロの研修講師によるフォローアップ研修も行っておりますので、お気軽にお問合せください。
あわせて読みたい
企業を取り巻く環境は刻一刻と変化しています。変化の厳しいこの時…
めまぐるしいIT技術の進歩に伴い、DXは今やすべての業界で避け…
社員のスキルアップやモチベーション維持などをはかる研修はさまざ…
他の記事をみる
業務外の講師への取次は対応しておりません。