Microsoft Teamsを使ってオンライン講演(ウェビナー)を開催する際、後からオンデマンド配信に利用したり、講演を振り返ったりするために録画したいと思うこともあるでしょう。そこで、今回はMicrosoft Teamsで録画する方法と注意点をご紹介します。
Microsoft Teamsの会議やオンライン講演を録画する方法
ここでは、Microsoft Teamsで行う会議やオンライン講演を録画する基本的な方法と、録画できるユーザー、有効期限や上限、保存先について解説します。
録画するためには、以下の条件が必要です。
- 有料会員である
- 「開催者」または「発表者」のいずれかの役割を持つユーザーである。
無料会員である場合は、もともとこの「レコーディングを開始」ボタンが表示されません。また、自分がどの役割をもつのか、以下の方法で確認できます。
【録画できるユーザーなのか確認できる方法】
自分の役割がどれなのか、また、録画の開始や終了の権限を持つユーザーが誰なのかは、会議画面上部の「参加者を表示」をクリックすると確認できます。
開催者が会議画面上部の「参加者を表示」をクリックして会議に参加しているユーザーを全員表示すると、この画面から発表者や出席者の役割を変更することも可能です。録画の権限を持たないユーザーに録画を依頼したい場合は、この場面からユーザーの権限を変更しましょう。
①録画を始める
録画を始めるには、以下の手順で行います。
- 会議を開始する、または会議に参加する
- Teams会議の画面上部にある「…」をクリックする
- プルダウンメニューから「レコーディングを開始」を選択する
すると、タイマーの横に赤丸が表示され、録画中であることがわかる
同じ会議を何人も同時に録画することはできませんが、誰かが会議の録画をしておけば、記録はクラウド保存され、すべての参加者に公開されますので、誰でも確認することができます。
②録画を停止する
録画を停止するには、以下の手順で行います。
- Teams会議の画面上部にある「…」をクリックする
- プルダウンメニューから「レコーディングを停止」を選択する
- 「レコーディングを停止しますか?」という画面が表示されるので「レコーディングを停止」ボタンをクリックする
録画と会議の開始・終了は連動しているわけではありませんので、会議を開始したからといって自動で録画が始まったり、録画を停止したからといって会議まで終了されたりすることはありません。
ただし、会議が終了されると録画も自動的に終了します。
録画された動画の保存先
録画された動画の保存先は、会議の始め方によって異なります。
- チームのチャネル上で始めた場合…該当の「SharePoint Online」チャネル内の「レコーディングを」フォルダ
- Outlookの予定表から会議をスケジュールした場合…録画を始めたユーザーの「OneDrive for Business」内の「レコーディング」フォルダ
保存先は「OneDrive」の個人スペースなので、録画したデータを共有したい場合は動画のリンクを共有するか、共有フォルダに動画をアップロードしましょう。
この場合、動画のリンクは会議に招待された、または参加したメンバーにのみアクセス可能なように共有設定がなされていますので、動画リンクの共有では外部に共有できないことに注意しましょう。
録画の有効期限と容量の上限
録画された動画は自動で保存されますが、再生やダウンロードには有効期限を設定することができます。有効期限はデフォルトで60日に設定されていますが、以下の手順で延長することも可能です。
- 該当の録画ファイルの上にマウスポインターを置く
- ファイル名右側の3つの垂直ドット(アクションの表示)から「詳細」を選択する
- 「有効期限」から、日数または日付を選択して延長するか、「無期限」を選択する
有効期限がデフォルトで設定されるようになったのは、動画を保存できる領域に上限があるからです。チーム全体で基本1TBの容量に加え、ユーザー数×10GBの容量が上限として付与されます。
録画データは、1時間あたりだいたい400MBくらいのファイルサイズになることが多いため、1TBの容量がすぐいっぱいになってしまうわけではありませんが、会議の録画が多い場合は注意しましょう。
録画された動画の活用方法
録画された動画は、どのような活用方法があるのでしょうか。ここでは、ダウンロードする、そのまま再生する、動画を共有するという3つの方法についてご紹介します。
動画をダウンロードする
ダウンロードは、レコーディングを始めたユーザーと会議の開催者だけが行えます。保存された録画動画をダウンロードするには、以下のいずれかの方法で行います。
- 会議チャットに投稿されたサムネイルから、「ダウンロード」をクリックする
- 共有フォルダに投稿された動画データ、または共有リンクから動画データをダウンロードする
チームチャネルから会議を行った場合、録画停止後はチャット欄に録画データのサムネイルが表示されます。ここで「ダウンロード」をクリックすると録画データをダウンロードできます。
動画を再生する
保存された動画を再生するには、以下のいずれかの方法で行います。
- 会議チャットに投稿されたサムネイルから、「再生」をクリックする
- 共有フォルダに投稿された動画データ、または共有リンクから再生する
ダウンロードと同様、チームチャネルから会議を行った場合は、録画停止後にチャット欄にサムネイルが表示されます。サムネイルから「再生」をクリックすることで、録画データの確認や再生が可能です。
動画を共有する
保存された動画を共有するには、以下のいずれかの方法で行います。
- SharePoint上にデータがある場合…共有したいファイルをチェックして上部の「リンクのコピー」を選択し、アクセス許可のダイアログが出たら「アクセスを許可する」して、リンクURLをコピーし、共有します。
- OneDrive上にデータがある場合…共有リンクを取得するか、動画をダウンロードし、データとして共有する
- 既にダウンロード済の場合…チームの共有フォルダ、メールなど動画データとして共有する
ただし、後述しますが参加者以外と動画を共有する場合は、著作権・肖像権などの問題に十分配慮する必要があります。
Microsoft Teamsで録画する際の注意点
Microsoft Teamsの録画機能は非常に便利ですが、録画を始める前にいくつか注意しておくべきポイントがあります。ここでは、3つのポイントに絞って解説します。
録画前には必ず講師の同意を得る
オンライン講演は講師に著作権が発生します。そのため、オンライン講演の動画を録画する前には、必ず講師に録画・録音の許可をとりましょう。また、公開する際は、公開期間や公開する対象者、閲覧・アクセス制限など公開する際のルールも決めておくとよいでしょう。
録画を禁止、削除するには
著作権などの問題で、録画を禁止したり削除したりすることも可能です。会議の管理者が「管理センター」から「会議ポリシー」にアクセスし、録画を許可しない設定にしておくと、誰も勝手に録画を開始することができません。
また、クラウド上に保存された録画データは、管理者側で削除できます。ただし、録画データをローカル保存(ダウンロード)した場合、その録画データを管理者側で操作することはできませんので、注意しましょう。
保存先の容量に注意する
Microsoft Teamsの保存容量は1TBもあるため、録画を始めたばかりで容量が足りなくなることは考えにくいですが、録画を続けていくと容量が足りなくなることも考えられます。
万が一保存先の容量が足りない場合、いったん「Azure Media Services (AMS)」という場所に保管されますので、録画自体は可能です。ただし、ここに保存された動画は有効期限の設定に関わらず、21日間が経過すると削除されてしまいます。削除される前にダウンロードするか、OneDrive内の容量を整理し、移動しておきましょう。
Microsoft Tearmsで録画や保存できないときは
最後に、Microsoft Teamsで録画、保存ができないときの対処法についてご紹介します。
録画できない
録画できない場合、以下の3つの可能性が考えられます。
- 無料版のTeamsを使っている
- ゲストユーザーでログインしている
- 会議の録画が禁止されている
録画が行えるのは有料版のMicrosoft Teamsのみで、無料版のMicrosoft Teamsでは行えません。同じように、ゲストユーザーも録画はできません。無料版のユーザーなら有料版へのアップグレードを検討するか、有料版を契約している場合はログインしましょう。
有料版のユーザーでも録画できない場合は、そもそも録画禁止の設定になっている可能性があります。この場合は、録画の許可/禁止について、会議ポリシーの設定を見直しましょう。
録画した動画をダウンロードできない
録画した動画をダウンロードできないという場合、閲覧権限のみが付与されているケースが考えられます。閲覧権限のみのユーザーは、動画を再生して視聴することはできますが、ダウンロードして動画データとして保存することができません。
閲覧のみか、ダウンロードも可能にするかは会議の開催者とレコーディングを開始したユーザーが決定します。ダウンロードしたい場合は、開催者や録画したユーザーに依頼し、ダウンロードする権限をもらいましょう。
録画した動画を再生できない
録画した動画を再生することができない場合は、動画への閲覧権限がないか、動画の保存先が間違っているか、の2つの理由が考えられます。動画への閲覧権限がない場合は、ダウンロード権限と同様、会議の開催者や録画ユーザーに閲覧権限を付与してもらう必要があります。
動画の保存先が違っていて再生できないケースは、以前Streamに保存されていた動画がOneDriveへの保存に変更されたことでよく起こっていたようです。現在でも、SharePoint上なのか個人のOneDriveなのか、動画の保存先をよく確認した上でアクセスするようにしましょう。
Microsoft Teamsの録画機能は非常に便利ですが、著作権や肖像権などの問題を考慮し、録画前には必ず講師を含め参加者全員に許可をとるようにしましょう。
弊社のサポートプランでは、講師の著作権に配慮したオンライン講演の録画、動画データの保存なども可能です。録画の方法に迷ったら、ぜひお気軽にご相談ください。
SBスタッフによるオンライン講演の事例レポート
離れた場所にいる講師と聴講者をオンラインでつないで行う「オンラ…
コロナ禍で接触を避けて開催可能と注目される「オンライン講演」で…
私たちチームが担当させていただいている市民向けの講演では、より…
他の記事をみる
あわせて読みたい
オンライン講演の主力配信ツールといえばZoom。しかし、Zoo…
オンライン講演を実施するには、専用のウェビナーツールの使用がお…
オンライン講演(ウェビナー)を配信するためには、何らかのツール…
他の記事をみる
- 投稿タグ
- Microsoft Teams, オンライン講演, ハウツー
業務外の講師への取次は対応しておりません。