講師を招いて行うオンライン講演やセミナーでは、講師の経歴や人となりを知ってもらうため、講師紹介文を作成する必要があります。
本記事では、講演会を何百回と担当してきた弊社スタッフが、講師を紹介する際の例文、プロフィールのテンプレート、注意点等を解説します。

講師紹介文で必要となる4つの要素

オンライン講演やセミナーに講師を招く場合、講師紹介を行うのは司会の重要な役割です。参加者が講師の経歴や人となりを知り、スムーズに話を聞くことができるよう、講師紹介文を組み立てる必要があります。講師紹介文は、一般的に以下の4つのパーツに分けて考えると良いでしょう。

①講師の名前、肩書き

まず初めに、講師の名前と肩書きを紹介します。

例)○○大学教授の△△氏、○○(フリーアナウンサー、落語家など職業名)として活躍されている□□氏

②略歴

次に、主だった略歴を紹介します。ここで紹介するものはインターネット上の情報を挟まず、あくまでも公式プロフィールや講師から指示があったプロフィールを紹介しましょう。

例)△△先生は、××年に○○大学をご卒業後、株式会社□□に入社され、その後10年にわたって営業やマーケティング、商品開発などさまざまな部門で経験を積まれ、同社の成長に大きく貢献されました。

③最近の活動

最近ではどのような活動をしているのか紹介します。メディアに多く出演されているなら、それも合わせて紹介すると参加者に興味を持ってもらいやすいでしょう。

例)××年に独立されてからは、○○大学で教授を務める一方、テレビや雑誌など各種メディア出演でもご活躍されています。

④今回の講演テーマ

最後に、今回の講演テーマについて紹介します。講演内容について触れなくてもよいですが、根拠となる経験や実績を入れることで、より講演内容への信頼性高めることができます。

例)今回は、「○○」というテーマについて、これまでの△△、□□といったご経験をもとにお話しいただきます。

また、講演後に質疑応答の時間があれば、最後に質疑応答の時間や方法について軽く触れておくと良いでしょう。

注意したい講師の呼び方

講師の呼び方については、一般的に「名前+肩書き」が正式な呼び方になります。例えば、「○○株式会社 △△ 取締役」などの場合、あえて「様」などをつける必要はありません。ただし、その後の話の中で肩書きを外し「△△様」などと呼ぶ場合は、「様」や「さん」をつけると良いでしょう。

一方、医師や弁護士、大学教授など専門家の場合は「△△先生」と呼ぶのが一般的です。
また、落語家の場合は「△△師匠」と呼ぶことが多いなど、業界によって異なる呼び方をする場合もありますので、専門的な業界の方を呼ぶ場合には使い分けが必要です。
ただし、講師によっては「先生」という言い方を気にされる方もいるので、事前に敬称について講師から要望を聞いておくのが賢明です。

講演会での講師紹介の例文

では、実際に講演会で講師紹介を行う場合の例文を、講師の肩書きごとに分けて見ていきましょう。

①アスリートの講師紹介の例文

本日の講師、○○さんをご紹介します。

○○さんは××年に○○県でお生まれになりました。××県の△△学園では、3年生の夏に甲子園に出場。その後は□□大学に進学し、大学2年夏に東京6大学で3冠王に輝きました。

××年のドラフト自由枠で○○に入団し、3年後の××年にはショートの定位置を獲得し、主力として活躍。××年にはWBCの日本代表に選出され、韓国戦ではアウトで試合終了という場面で盗塁を成し遂げる快挙。××年×月×日の阪神戦では史上5人目の600試合連続フルイニング出場を達成しました。

××年からの2年間は□□でプレーし、××年に現役を引退。××年に○○の野球コーチに就任されました。

本日は「○○」というテーマについて、これまでの試合で培ったご経験をもとにお話しいただきます。それでは○○さんにご登場いただきましょう。どうぞ!

②専門家の講師紹介の例文

本日ご講演いただきますのは、○○大学教授の△△先生です。

△△先生は、○○大学△△学部をご卒業後、××年に○○工業、現在の△△に入社されました。営業の第一線としてご活躍後、××年から10年間、企業内教育における人材育成部門を総括。××年からは、会社代表として赤字経営を黒字に転換するなど、組織のリーダーとしてご活躍されています。

現在、先生は複数の企業を経営するかたわら、大学教授として経営に関する講義をされるなど、多方面でその手腕を発揮されています。

本日は、人材育成に長く携わり、組織のリーダーとして今なお活躍される先生のご経験から、「○○」というテーマについてお話しいただきます。それでは△△先生、どうぞよろしくお願いいたします。

③経営者・元経営者の講師紹介の例文

本日の講師、株式会社△△ ○○代表取締役をご紹介させていただきます。

○○氏は、△△大学○○学部を卒業された後は、××年に株式会社△△に入社。製造現場やセールスマン、財務に至るまで幅広く経験し、社内留学先の○○ビジネススクールで経営理論を学ばれました。帰国後は外資系コンサルティング会社、△△役員を経て、××年に□□の代表取締役に就任。

××年に独立し○○を設立。日本に数少ない「専門経営者」として、確固たる実績をあげています。

本日は、「○○」というテーマについて、専門経営者としてのご経験からお話しいただきます。それでは○○代表取締役、どうぞよろしくお願いします!

④ジャーナリスト・評論家の講師紹介の例文

本日の講師をご紹介させていただきます。

○○さんは、××年に△△県にお生まれになり、○○大学□□学部を卒業された後、××年に○○新聞社に入社されました。その後、△△支局、□□本社社会部などを経て、××年から約5年間、□□本社社会部で宮内庁の取材を担当されました。現在は、オピニオングループの編集委員をされています。

主な著書として「△△」○○新聞社などがあります。興味がある方は、ぜひお読みになっていただければ幸いです。それでは、○○先生、どうぞよろしくお願いいたします。

講師紹介を成功させるための準備

講師紹介を成功させるためには、その前にしっかり準備をしておくことが重要です。ここでは、準備の主なポイントを3つご紹介します。

声に出して読む練習をする

講師紹介文は書いて終わりではなく、実際には声に出して読むものです。そのため、練習も声に出して行いましょう。実際に読み上げるときに言い間違えたり、言葉を噛んだりしてしまっては、参加者がその部分に引っかかってしまい、せっかくの講師紹介文が正しく聞き取られなくなってしまいます。文章を暗記する必要はありませんが、すらすらとスムーズに読めるようになるまで、何度も声に出して練習しましょう。

講師紹介スライドや動画の使用を検討する

オンライン講演やセミナーなどでは特に、講師紹介スライドや講師紹介動画などを画面共有し、参加者が視覚的に理解しやすい画面を作る方法もあります。特に、動画で音楽もつけて講師を紹介すれば、参加者により印象的に講師の経歴や人となり、現在の活動内容を伝えられるでしょう。ただし、他媒体で使われているスライドや動画を勝手に使うことはできません。講師に許可を取った上で、新しく作成しましょう。

講師にプロフィール文やスライド用画像を依頼しても

講師によっては、講師紹介文を事前に用意している人も多いです。その場合は、初めからプロフィールや画像、動画の提供を依頼した方が確実で早いでしょう。

講師紹介での注意点

最後に、講師紹介で気をつけるべきポイントを2つご紹介します。講師紹介文を作る際には、これらのポイントに注意して作成しましょう。

ウィキペディアでの文章引用、ネットからの画像・動画はNG!

インターネットから情報を拾う場合には、データソースを確認しましょう。特に、ウィキペディアは第三者がだれでも編集できる媒体であるため、非公式であることはもちろん、間違った情報がそのまま載っていることも少なくありません。あくまでも、講師の公式サイトや講演依頼会社のプロフィールを引用してまとめましょう。

画像や動画も同様で、インターネット上に掲載されている講師の顔写真や動画にはそれぞれ著作権があります。たとえ公式ホームページや公式動画であっても、勝手に使ってスライドや動画を作ることはできません。講師に素材の用意を依頼するか、講師から許可を取った画像や動画だけを使うようにしましょう。

講師紹介文作成後は必ず講師に確認を

講師紹介文を作成したら、必ず講師に確認をとりましょう。誤植や表現ミスでトラブルがあったり、読み方が間違っていたりする可能性があります。また、スライドや動画を作成した場合は、講師がイメージしているものと合っているかどうかも必ずチェックしてもらいましょう。

弊社で講師紹介文をご提供しています!

講師の紹介文の作成は、講師への事前確認が必要など、手間がかかります。
弊社では、主催者様のそのようなお手間を少しでも減らすべく、講演依頼をされた方々を対象に、講師紹介文やチラシやインターネット上の告知用にそのまま使用できる画像などの素材を提供していますので、ぜひお気軽にお問合せください。


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