Microsoft Teamsでは、一般的なWeb会議機能のほか、より規模の大きなオンライン講演を行うための「ライブイベント」という機能があります。最大で20,000人まで同時視聴できますので、ウェビナーやオンライン講演などを開催する場合に便利です。
Microsoft Teamsライブイベントとは?
Microsoft Teamsに含まれる機能の一つで、多数のオンライン参加者に向けてライブ配信を行えるイベント機能のことです。Teamsで行うWeb会議は最大300人の規模ですが、Teamsライブイベントでは最大20,000人ものオンライン参加者に同時配信できますので、大規模ウェビナーなどオンライン講演にぴったりです。
Microsoft Teamsライブイベントを作成するためには、以下のいずれかのMicrosoft(または、Microsoft Office)プランに加入している必要があります。
プラン名 | Office 365 E1 |
Office 365 E3 |
Office 365 E5 |
Microsoft 365 E3 |
Microsoft 365 E5 |
---|---|---|---|---|---|
月額料金(税別・年間契約の場合) | 1,250円 | 2,880円 | 4,750円 | 4,500円 | 7,130円 |
Microsoft Teamsライブイベントでのオンライン講演を考えている担当者の方は、自社のプランが上記のプランに該当するかどうかよく確認しましょう。
Teams会議とライブイベントの違い
Microsoft Teamsには通常のWeb会議や、Webinarsというウェビナー特化ツールもあります。ライブイベントはこれらとどう違うのか、それぞれどんなイベントにおすすめなのかを表で確認しましょう。
ライブイベント | Web会議 | Webinars | |
---|---|---|---|
違い | ・最大20,000人が参加可能 ・ホストによる一方向型の配信 ・役割設定が明確 ・ストリーミング配信のみ ・開催時間4時間 |
・1対1、または最大1000人でのWeb会議(ビデオ通話、チャット、画面共有)が可能 ・閲覧のみで最大20,000人の参加が可能 ・双方向型のコミュニケーションツール ・ディスカッションなども行える ・開催時間33.5時間 |
・最大1,000人が参加可能 ・対話型のコミュニケーション ・リアルタイム配信かストリーミング配信が選べる ・開催者(ホスト)が参加者のチャットや動画を無効にできる ・開催時間24時間 |
おすすめのイベント | 大規模なオンライン講演 | 双方向型のワークショップ | やや大きめのオンライン講演、対話型のワークショップ |
それぞれの最大の違いは開催規模、一方向型か双方向型か(またはその機能)です。開催したいオンライン講演の規模に合わせて選びましょう。
Microsoft Teamsライブイベントの基本的な使い方
Microsoft Teamsを使ってオンライン講演を開催する基本的な方法について、手順を追って紹介します。
①ライブイベントをスケジュールする
まず、ライブイベントをスケジュールする方法は以下の通りです。
- Microsoft Teamsのカレンダーを開き、「新しい会議」をクリックする
- プルダウンメニューから、「ライブイベント」を選択する
- 講演タイトル、開始・終了時刻、詳細を設定する
- 必要に応じて発表者を招待し、「次へ」をクリックする
- 「ライブイベントのアクセス許可」でライブイベントに参加できる出席者を指定する
制限 ユーザーとグループ 指定されたユーザーとグループのみが視聴できる 組織全体 組織内全ての人が視聴できる パブリック 組織内と組織外のユーザー両方(サインイン不要)が視聴できる
6. 「スケジュール」ボタンを押して、ライブイベントの予定を追加する
➁出席者、発表者に招待メールを送る
ライブのスケジュールが終わったら、次に開催URLを出席者と発表者に知らせます。開催URLは、以下の方法で取得します。視聴のみできる出席者と違い、発表者は以下のような権限があります。
- 記録とレポートの管理
- 他の参加者、開催者とのチャット
- 画面共有
- コンピュータ音声の共有
- 発表者の招待
- すべての発表者のミュート
講師はこの発表者として指定することになります。
開催URL自体が異なるため、それぞれ個別に招待メールの送り方を紹介します。
【出席者に招待メールを送る】
- Teamsアプリの「予定表」をクリックし、該当するライブイベントを選択
- そこから「リンクの取得」をクリックし、開催URLを取得。
- 開催URLをコピペし、メール、Teams チャネル、SharePointなどで出席者に共有する
【発表者(講師)に招待メールを送る】
- Teamsアプリの「予定表」をクリックし、該当するライブイベントを選択
- 「編集」を選択し、「イベントグループにユーザーを招待する」の下にある「発表者を招待します」に講師のメールアドレスを入れる
- 「更新」ボタンをクリックすれば、講師に自動的に招待メールが届き、出欠確認の内容がTeams予定表に反映される
③ライブイベントの準備、開始する
ライブイベントを配信開始する前に、開催者はライブイベントに参加し、準備を行います。
- Teamsアプリの「予定表」をクリックし、該当するライブイベントを選択し、「参加」をクリック
- カメラをオンにする。開催者の画面には、画面左側に共有したいコンテンツ(キュー画面)が、右側に参加者が見ている実際の画面(ライブイベント画面)が表示される。いくつかの拠点から配信を行う場合には、左側の画面らコンテンツを追加
- この映像で問題なければ、「ライブ送信」ボタンをクリックすると、右側のライブイベント画面にコンテンツが表示される。この時点でまだ映像は視聴者に共有されていない
- こちらで問題がなければ、「スタート」ボタンをクリックして、ライブをスタートさせる
オプション1: コンテンツの画面共有
ライブイベント中にPowerPoint資料や動画を画面共有することがあります。画面共有の方法は以下の通りです。
- 画面上部にあるコンテンツボタンをクリックすると、下にデスクトップの画面やウインドウなどのコンテンツが表示される
- 画面共有するコンテンツを選択。動画で音声も共有したい場合は、左下の「コンピューターサウンドを含む」をオンにする。選択したコンテンツは、左画面のキューエリアに方に表示される
- 左画面の下にある「画面の表示形式」ボタンを選択する。コンテンツのみなのか(全画面のマーク)、発表者(講師)の映像と一緒に流すのか(分割マーク)、コンテンツの表示形式を選択する
- 発表者と一緒に流す場合は、左側のキュー画面で、画面共有したいコンテンツと発表者の映像を下方に表示されるコンテンツリストから選択。選択した映像がキュー画面に表示される
- こちらの映像で問題なければ、「ライブ送信」ボタンをクリックして、右側のキュー画面に映像が表示される
- 画面の上にマウスポインターをおくとコントロールバーが表示される。スライド資料などでページ送りの操作を、発表者(講師)に行わせる場合には、「制御を渡す」を選択
- 画面共有を終了したい場合には、コントロールバーより「発表を停止」ボタンをクリックする
オプション2: Q&Aの使用
ライブ配信中に視聴者からの質問を受け付ける場合には、ライブイベント作成時に開催オプションの「Q&A」にチェックを入れておきます。
ライブ配信中のQ&A機能の使い方は以下の通りです。
- ライブイベント作成中にオプションの「Q&A」にチェックしておく
- ライブイベントが開催されると、Q&Aアイコンが表示され、もし視聴者から質問が来た場合、Q&Aアイコンに通知マークがつく
- Q&Aアイコンをクリックすると、Q&Aのウインドウが開き、視聴者からの質問が表示される
- 回答エリアに回答を入力し、紙飛行機アイコンをクリックすると、質問者にメッセージが送信される。視聴者全員に共有したい場合は、「公開」ボタンをクリックする
④ライブイベントを終了する
開催者がライブイベントを終了するには、画面右側の「ライブイベント」から「終了」をクリックします。終了するときは、画面右側の「ライブイベント」画面を確認してから終了しましょう。
Microsoft Teamsライブイベントでは、動画を録画しながら同時に配信を行うため、視聴者が見ている画面と主催者のリアルタイム画面表示には若干のタイムラグが生じます。講演の内容が終わったからとすぐに終了してしまうと、視聴者側では終わっていないこともありますので、数十秒の余裕を持って終わるようにしましょう。
⑤ライブ終了後に出席者レポートを取得する
ライブ終了後、出席者の活動レポートやQ&Aレポートを取得することができます。出席者レポートやQ&Aレポートは、以下の方法でダウンロードしましょう。
- カレンダーから、該当のライブイベントを選択する
- 「イベントリソース」セクションに移動する
- 「出席者レポート」または「Q&Aレポート」のダウンロードをクリックする
また、同じページでレポートを削除することもできます。必要がなくなったレポートは、削除しても構いません。
Microsoft Teamsライブイベントの参加者の役割
Microsoft Teamsには、開催者、プロデューサー、発表者、参加者の4つの役割があります。それぞれの役割でできることは、以下のようになっています。
開催者 | プロデューサー | 発表者 | 参加者 |
---|---|---|---|
・ライブイベントの作成 ・出席者のアクセス許可設定 ・生成方法の選択 ・イベントオプションの設定 ・出席者の招待 ・イベントチームのメンバー選択 ・終了後のレポート管理 |
・ライブイベントの開始、停止 ・自分のビデオの共有 ・参加者のビデオの共有 ・デスクトップやウインドウの共有 ・レイアウト選択 |
・オーディオ、ビデオ、画面の共有 ・Q&Aの作成 |
・匿名でのライブ視聴 ・チャット、Q&Aの参加 |
開催者にはプロデューサーと発表者が含まれ、プロデューサーはライブイベントの開始・終了、映像の切り替えなど、イベントの運営に関わる権限が与えられています。発表者は画面共有やQ&Aの作成など、発表する際に必要となる操作にのみ権限が与えられています。
また、ライブイベントの作成者はデフォルトでは自動的にプロデューサーに割り当てられます。
Microsoft Teamsライブイベントを開催する際の注意点
Microsoft Teamsライブイベントを開催する際は、以下のポイントに注意しましょう。
イベントを途中で停止・再開できない
ライブイベントはいったん開始したら、自由に止めたり再開したりすることはできません。ライブの開始・終了の権限はプロデューサーに付与されていますが、ライブを終了してしまった場合、再び開始することができない点に注意しましょう。
タイムラグが生じる
前述のように、Microsoft Teamsライブイベントは、画面左側に表示されたコンテンツを録画しながら配信します。そのため、開催者が見ているコンテンツと参加者が見ているコンテンツには、映像や音声に10〜30秒程度のタイムラグが生じることを理解しておきましょう。
出席者レポートは自動取得ではない
出席者レポートを取得したいときは、あらかじめライブイベントの作成時にチェックを入れておかなくてはなりません。デフォルトではチェックボックスがOFFになっているので、レポートを取得したいときは必ず確認しましょう。
音声が聞こえないときの対処法
Microsoft Teamsライブイベントでよくある音声トラブルとして、音声が出ない、聞こえないというものがあります。音声トラブルが起こったら、以下のポイントを確認してみましょう。
- スピーカーの音声がミュートになっていないかどうか
- PCのスピーカー機能が壊れていないかどうか
- マイクがミュートになっていないかどうか
- 音声会議の利用がプランで制限されていないかどうか
Microsoft Teamsを起動後、画面上部右側のユーザーアイコンから「設定」を選択し、「デバイス」に進むと、接続されているオーディオデバイスの一覧が確認できます。スピーカーやマイクに異常はないか、1つずつ確認していきましょう。
また、ライブイベントを開始する前であれば、マイクの下にある「テスト通話を開始」ボタンを使って、マイクやスピーカーの調子を確認することができます。マイクボリュームやスピーカー出力などをしっかり確認しておきましょう。
Microsoft Teamsライブイベントは大規模なオンライン講演を行うのに最適なツールですが、タイムラグの発生、双方向型のコミュニケーションができないなどのデメリット、特徴もあります。オンライン講演をMicrosoft Teamsライブイベントで検討している場合は、これらのポイントをよく考慮して選びましょう。
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