自社の製品やサービスをお客様に購入・利用していただくために必要な「マーケティング」。購入に至るまでの製品開発、企画、製造、営業、宣伝、販促活動などすべての部門において、マーケティング知識は必須です。
本記事では、マーケティング研修で得られるスキルや研修内容について解説します。
なぜマーケティングが企業に必要とされるのか
なぜマーケティングがビジネスパーソンにとって必要なのでしょうか。
そもそもマーケティングとは「売れる仕組み」をつくることを指します。
売れる仕組みとは、商品の販売戦略や広告宣伝のことをまず考える人が多いですが、それだけではありません。ターゲットとなる顧客層・参入するマーケット・顧客ニーズなどの分析、商品開発、ターゲット層にささる販売戦略の策定、WEBなど多様な媒体を活用した広告宣伝、販売後の効果検証までの一連のプロセスを計画・実行・管理することが「売れる仕組み」です。
そのプロセスにおいて、まず事前に市場や消費者のリサーチを行い、どのような価値を提供すればターゲット市場のニーズを満たせるのか探ります(=マーケットイン)。
次に行うのが、その価値を生み出し、お客様が自ら購買意欲をそそられるようなアプローチの仕方(=プロダクトアウト)や戦略を考えることです。
つまり競争力激化の現社会では、企業がもつ高い技術で質の良い製品を作るだけではなく、企業全体でマーケティングを学び実践し、顧客のニーズを満たす製品を届けなければ売上向上につながりにくいのが現状です。
そのため、販売部門のみならず商品開発部門・営業部門・広告宣伝部門など、どの部門においてもマーケティングが必要なのです。
マーケティング研修の目的
研修の目的は「売れる仕組みづくり」を構築するためのスキルや知識を学ぶことです。同業他社間の競合力が増している現代社会では、仕組みづくりにおいて新たな経営戦略がカギとなります。
たとえば「webツール」。多様なネットビジネスの普及に伴い、それらを活用し製品などを認知してもらうことも一つの戦略です。10代はTikTok、20代はXやInstagram、30代はFacebook、40代以降はYouTubeなど、世代によって利用ツールはさまざまです(参照:総務省 「令和4年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」)。
マーケティングでは、とくに特定のターゲット層に対し、製品・サービスを効率的かつ合理的にPRすることが重要です。
マーケティング研修で得られるスキルとは
マーケティング研修で得られるスキルにはどのようなものがあるでしょうか。順に解説します。
企業におけるマーケティングを学ぶ「マーケティングの基礎」
マーケティング基礎研修のゴールは、マーケティングの基礎的な考え方の理解だけではありません。
こちらのステップでは、製品やサービスの市場競争力を高めるために、社員自ら自身の役割を考え、製品の強みを市場にどのようにアピールすればよいのか、マーケティングの意義と手順を学び、最終的にマーケティング知識をどう生かせばよいのか考えられるようになることを目標としています。
市場動向や顧客行動についての「データ分析スキル」
データ分析を学ぶことにより、セグメンテーション(市場細分化)やターゲティングをもとに、的確なデータを選択し正しく分析することができるようになります。
セグメンテーションでは、住んでいる場所などの「地理的変数」や年齢・性別・職業・家族構成などの「人口動態変数」、ライフスタイルや価値観などの「心理的変数」や行動パターンなどの「行動変数」などさまざまな切り口で市場を分類し、それぞれの傾向を分析します。
このセグメーションによって、自社の商品やサービスの特徴に応じてターゲットを絞る「ターゲティング」を行い、そのターゲットに対して自社商品・サービスをどのようにアピールするのか「ポジショニング」を行うのが、一連のマーケティングの流れです。
こちらの研修では、このマーケティングに必要な「セグメンテーション」と「ターゲティング」、「ポジショニング」の手法を学びます。
無駄なく合理性を追求する「ロジカルシンキング」
ロジカルシンキングでは、膨大なデータの中から自社に必要な情報データを取捨選択し、体系立てて考えるスキルを学びます。
マーケティングにおいては、費用対効果を追求した戦略が重要です。そのためには、データに基づいた無駄のない合理的な工数であれば、生産性向上に務めることができます。
戦略的な販促施策を考案「企画立案スキル」
マーケティングの企画立案は主に、顧客に対する企画立案と社内における企画立案に大別されます。
前者は、顧客のターゲティングをもとにニーズを分析し、その顧客に対して論理的で説得力のある提案をするためのプレゼンテーション方法を学びます。
後者は、社内の企画会議などにおいて、企業の経営戦略に役立つ企画立案力を習得します。
マーケティングの研修内容
マーケティング研修はどのような内容があるのでしょうか。さまざまな研修のなかで、自社に合うものを検討してみてください。
マーケティング基礎研修
社員に、製品、価格、流通、販売などマーケティングの基礎知識やスキルを習得させたい場合に適しています。
こちらでは、受講者の業務や職種によって習得させたいマーケティング知識を考えて、研修内容を考えます。
たとえば、社内全体でマーケティングスキル向上を目指すのであれば、まずは座学で基礎の習得が向いています。
新入社員向けの研修にもおすすめです。
SBおすすめマーケティング研修プラン①
webマーケティング研修
こちらの研修では、webマーケティングを包括的に理解します。社内におけるwebマーケティング部門を内製化させ外注コストを削減したい場合や、社内でwebマーケターを育成したい場合に適した研修内容です。
基礎知識のレベルアップや、外注でつくったサイトを自社で運用していく場合にもwebマーケティングのスキルが役立ちます。
ブランディング研修
ブランディングとは、企業のブランドイメージ向上のための活動全体のことを指します。ブランディングの目的は、顧客との良好な関係を構築し信頼感を持ってもらうことです。
ブランディング研修は、ブランドコンセプトの明確化、セグメンテーション(市場細分化)、ターゲティングが重要です。
研修でノウハウを学んだ結果、自社ブランドのファンをつくり、競合に対する自社ブランドの優位性確保に貢献できるでしょう。
SNSマーケティング研修
SNSとは、Instagram・X・YouTubeなどインターネットを活用したさまざまな媒体を指します。
いまやほとんどの世代がSNSを利用している背景から、SNSを経営戦略に活用できればより多くの人に自社製品・サービスの価値を伝えることが可能です。
その手法は、おもに①SNSアカウントの運用と②各種SNS媒体内でのweb広告配信。決まったアカウントをフォローしてもらい頻繁に情報発信をすることで、さまざまな角度から製品の良さをPRすることができます。
マーケティングリサーチ研修
こちらの研修は、マーケティング戦略を行うにあたって実務に活用できるデータのリサーチ方法を学びます。マーケティングリサーチ力を身に付けることで、限られた時間内で指標となるデータを集めることができる「テクニカルなリサーチスキル」が身に付きます。
SBおすすめマーケティング研修プラン➁
マーケティング研修を受講するメリット
マーケティング研修を受講すると企業に生産性向上のメリットがあります。以下で解説します。
社内全体の知識レベルの向上
マーケティング研修をおこなうことにより、企業全体の知識レベルを向上させることができます。
各部門においてマーケティングの理解力が深まることでコミュニケーションの円滑化、そして必要な情報の取捨選択ができるようになります。
たとえば、管理職・チームリーダー・店舗販売スタッフなど従業員全体にマーケティングの知識を習得してもらうことで、本部からの販売戦略・指示事項を各部門スタッフが即座に理解することができます。
また、互いに必要な情報を確認しフォローし合い、的確に現場に取り入れることができます。このように部門間のコミュニケーションや情報伝達がスムーズとなれば、業務の効率化にもつながるでしょう。
また、研修では最新のマーケティング知識の把握、最新ツールの運用方法や施策を学ぶことができる点もメリットです。
各部門が効果的に販売を促進できる
マーケティングを学ぶことにより、以下のような効果が期待できます。
- 制作部門→よりユーザーの購買意欲に響く効果的なwebサイトの構築ができる
- 営業部門→消費者の心理要素や市場動向に基づいた的確な提案ができる
- 管理部門→データ分析の結果、数値に基づいた適切な経営戦略を立てることができる
マーケティングの知識は一つの部門に限らず、各部門で戦略的に活かすことができます。
効果的に研修をおこなうための注意点
せっかくおこなう研修は意義あるものにしたいものです。本章では、効果的に研修をおこなうためのポイントを解説します。
受講者のニーズにあった内容を盛り込む
事前に受講者が興味あるテーマや取得したいスキルを調査し、研修内容に盛り込むようにしましょう。
部門や階層によりそのニーズはさまざま。ニーズがずれていては研修内容を実践で活かしにくく、効果的な結果は得られません。
新入社員向けなら基礎知識の習得、営業部門向けならデータ分析や企画立案力を学べる内容などがおすすめです。
事前に目標・ゴールを受講者に理解させておく
受講者に対してあらかじめ研修の最終目標を明確に設定し、理解させておくことが大切です。
たとえば「顧客に対する提案力を高めたい」「より業務効率化するには?」「合理的なデータ分析で企画書に活かしたい」など多様な目的が考えられます。
受講者が実務への活かし方を受講前にイメージして参加すると、研修がより効果的になるでしょう。
座学⇒ワーク⇒実践でスキルの定着
研修の流れとして効果的な方法は、まずは座学で基礎知識を習得し、実践を想定したワークをおこないます。
その後実務において繰り返し経験することで、研修で学んだ内容を定着させることが重要です。
研修後は実践できるような環境を整えておくと、受講者は成果を実感しやすく、早期のスキル定着が期待できます。
フィードバックをおこない理解度を確認する
研修を受講して終わりではなく、各受講者の理解が浅い点、理解が追いついていない点を洗い出すことで、さらに高い研修効果が望めます。
研修後は受講者アンケートやフィードバック等を行い、受講者の学んだ理解度を測ったり、理解が足りない点については、チーム内や上長がフォローアップをします。
そうすることで、研修で学んだ知識やスキルが定着しやすく、業務に活かすことができます。
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