ビジネスパーソンにとって必要な「プレゼンテーション」。社内外問わずその能力は必須であるにもかかわらず、苦手意識をもつ人も少なくありません。
本記事では、プレゼンテーション研修の目的や習得したいスキル、おすすめのプレゼンテーション研修12選を解説します。
プレゼンテーション研修とは?
プレゼンテーションとはどのような研修でしょうか。本章では、プレゼンテーションの概要、研修の目的や必要性について解説します。
そもそもプレゼンテーションとはどんなもの?
プレゼンテーション(以下、プレゼン)とは、売り込みたい製品・サービス、企画などに対し効果的な説明を行い、聞き手を納得させ、行動に促すための手法です。
一般的には、多人数に対しスライドや画像等の視覚的資料を活用しながら商品に関する説明を加えていくという形式を取ります。
相手に次の行動を促すためには、内容や表現の仕方をいかに工夫し説得力をもたせるかがポイントになります。
プレゼンテーション研修の目的
プレゼンテーション研修の目的は、社員に、聞き手の行動を喚起させるための提案力・伝達力となるプレゼンスキルを向上させることです。
プレゼンでは、話に納得してもらうだけではなく聞き手の立場や求められるポイントに訴求して話を進めることが大切です。
ここで重要なのは、相手を「納得」させることです。「納得」とは、「他人の考え・行為を理解し、もっともだと認めること」。ここでは、伝えたいモノ・コトに対して相手と対話をしながら、最終的に相手がしっかりと内容を理解した上で、次の行動に移すように働きかけをする必要があります。一方的に説明をし、説き伏せる意味の「説得」とは違うので、注意したいところです。
相手を納得させるためには、対話を通じて聞き手がもつ悩みや隠れたニーズを汲み取り(対話スキル)、相手を納得させるためのストーリーを考えて(構成スキル)、資料を作成し(資料作成スキル)、それを効果的に伝える技術(話し方スキル)が必要です。
プレゼン研修ではこれらのスキルを習得し、新しい業務の創造やイノベーション、業績拡大を目指します。
プレゼン研修は社外・社内で最終目標が異なる
プレゼン研修には、大きく分けて社内向け、社外向けの2つの種類があり、それぞれに最終目標が異なります。
【社内】
社内向けのプレゼン研修においては、社内での企画力・提案力向上を狙います。その企画が会社にどのような成果や業績をもたらすのか、社内の現状を理解した上で、上司や経営層に対して、効果的にプレゼンする能力が必要です。社内向けのプレゼン研修では、ある程度社内の現状を把握している前提で考えるため、論理的に相手を納得させるための構成・資料作成スキル、話し方のスキルを重点的に学びます。
【社外】
社外向けのプレゼン研修においては、聞き手が顧客となるため、最終目標が、製品・サービスの購入行動となります。さまざまな顧客に対し、事前にニーズを汲み取りプレゼンに活かすことがポイントです。
そのため、社外(対顧客)向けのプレゼン研修では、構成力・資料作成スキルや話し方スキルと合わせて、顧客が抱える問題やニーズを聞き取り、相手が納得できるように伝える対話力も重要となります。
プレゼンテーション研修がなぜ必要なのか
プレゼン研修の必要性については、社内、社外の2つの側面から考えられます。
【社内】
自社にイノベーションをもたらすような良いアイデアや企画があったとしても、それを社員が効果的にプレゼンできなかったために、業務拡大のチャンスを失っていることも考えられます。そのためには、思いついたよい企画やアイデアを、聞き手の立場や意図に沿った内容を明確かつ的確に伝えられるプレゼン手法が必要です。
このプレゼン手法を社員が習得できれば、新規事業の創造や業績拡大に加え、即座に企画がまとまることで業務進行のスピード化も期待できます。また、高いプレゼンテーション力でチーム毎にプロジェクト獲得を競うことで業務の質の向上となり、企業の成長にもつながります。
【社外】
さまざまな商品やニーズが溢れ、商品力では競争できない時代に来ています。また、SNSやインターネットの普及により、顧客は事前にその商品やサービスについて調べていることも考えられます。
そうした中で、他社にはなく、相手を納得させるだけの優位性を的確にアピールできる力が求められます。
このように、プレゼンテーション力は社内外問わず、ビジネス推進力向上のため多くの企業で必要とされているスキルです。プレゼンテーション研修は、プレゼンテーションに必要な複数のスキルを最適化することができる手段で、さまざまなスキルを効率的に習得することができます。具体的なスキルについては次章で解説します。
プレゼンテーションに必要なスキルとは
プレゼンテーションに必要なスキルとは具体的にどのようなスキルでしょうか。研修では、講師によって以下の内容を重点的に学びます。
プレゼンテーション構成スキル
人を動かすプレゼンテーションとは何でしょうか?
それは、聞き手がもつ悩みを解決したうえで多くのメリットを感じた時に起こる「これを買ってみたい!」「これで進めてみよう!」など、次の行動を促すプレゼンテーションです。
プレゼンテーションの構成では、まず提案から相手の行動を喚起するためのストーリー(道筋)を考えます。どのような流れでいけば、行動喚起に移すことができるのかを考えます。
プレゼンの基本的な構成は以下の通りです。
- 序論……聞き手が考える問題やニーズに訴求し、聞き手を引きつける
- 本論……伝えたい内容、メリット、課題の提示や解決策の提案
- 結論……テーマの再提示
仮に新製品の企画を通したい場合、序論でその業界における課題や新製品提案に至るまでの理由を示し、本論では具体的なデータを示しながら、いかに大きなメリットをもたらすのか、新製品を活用して課題を解決する方法を提案します。最後に結論で、再度新製品をPRしてしめくくります。このような流れだと聞き手に伝わりやすいプレゼンテーションとなるでしょう。
プレゼンの構成としては、他に、以下のような手法があります。
- SDS法
最初に概要(Summary)を伝えてから、その詳細(Details)を伝え、最後にまた要点(Summary)を伝える手法です。SDS法はプレゼンの基本的な手法です。 - PREP法
最初に要点(Point)を述べて、その理由(Reason)と具体例(Example)を示し、最後に要点(Point)を繰り返して全体をまとめる手法です。最初のポイントは記憶しやすく、さらに再度繰り返すことで、相手により印象付ける効果があります。 - DESC法
相手の滞在ニーズや問題を客観的に描写(Describe)し、それに対しての自分の考えを表現(Express)し、問題の解決策などを提案(Suggest)し、最後に提案を承諾した場合、しなかった場合の選択肢(Choose)を用意しておく手法です。
これらのプレゼン手法には、それぞれのメリットとデメリットがあるため、研修ではこれらについてさらに詳しく学び、どのようなシチュエーションで使えるかを考えます。
また、道筋を考えた上で、プレゼン資料の作成法についても学びます。プレゼンテーションの資料作成において重要なポイントは、「伝えたいことをシンプルに、内容を盛り込みすぎない」ことです。
効果的な展開とするには、伝えたいポイントを絞り、聞き手の不安や悩みを解消することです。当該ビジネスプランのメリットをわかりやすく盛り込んだうえで、デメリットや考えられる疑問点も併せて示します。聞き手の課題を解決したうえでテーマ(伝えたい内容)を再提示すると、効果的な資料となります。
対話力(聴く力)
プレゼンテーションは一方通行だと興味をもってもらえません。相手が抱える問題点や要望を聞き取れる対話力が必要です。このスキルを強化することで、顧客に対するより良い提案につながり、ひいては購買促進につながります。
たとえば、営業活動の過程では「傾聴」が重要です。話を聞き同調することで相手の安心感や信頼感を得て、顧客との信頼関係を築くことができます。その後、相手の悩みやニーズを引き出す質問を行います。
「聴く」ことに重きを置いた対話力で、顧客が内に抱えている悩みやニーズについての質問にも答えやすくなり、より良い提案につながります。そのプロセスで顧客の購買意欲も高まっていくでしょう。
論理的説得力【ロジカルプレゼンテーション】
プレゼンテーションを聞いて「言いたいことはわかるけど納得できない」「説得力に欠ける」などと感じた事はありませんか?
ロジカルシンキングを身につければ、説得力のあるプレゼンテーションにすることができます。
相手の課題に対し「課題が生まれた背景」「なぜその解決法が有効なのか」「どのように活用すれば効果を発揮するのか」などに関する明確な根拠を示し、論理的に筋道を立てて説明することが大切です。
上手な話し方
人を惹きつける話し方とはどのようにすれば身に付くのでしょうか?それは、視覚・聴覚・思考力などからプレゼンテーションに引き込み、情報過多にならずシンプルに伝えることです。
「あれもこれも伝えたい」という熱意も分かりますが、相手がもつ悩みや課題は意外とシンプル。上手な話し方は、訴求ポイントを的確に、わかりやすく伝える事が大切です。
研修では、印象的なデリバリー(身振り手振り)の実践、人前で話す際のポイント、論理的に話す力、訴求ポイントをしぼりシンプルに伝える技術を学びます。
プレゼンテーション研修の内容
プレゼンテーション研修はおもに初心者向け、中級以上者向けに大別されます。本章ではそれぞれの内容について紹介します。
【初心者向け】
プレゼンテーション初心者向けの研修では、プレゼンテーションについて網羅的に学びます。
プレゼンテーションの基本的要素の理解から、資料の構成の作り方、話し方、ジェスチャーなどプレゼンテーションに必要なスキルの全体像を習得する内容です。
【中級以上者向け】
中級者向けの研修では、伝える内容・技術・手段をより効果的に使うためのスキルを学びます。
研修では、自らのプレゼン力を見直し改善する機会を設け、短時間で顧客のニーズを把握し提案・説得する力などスキルアップを重点的に行います。
スタッフおすすめのプレゼン研修プラン12選
弊社では、「伝える」プレゼンテーションに必要な知識や戦略的話法を身につける研修プランを揃えています。ここでは、おすすめの12プランをご紹介します。
誰にでも伝わるユニバーサルプレゼンテーション
さまざまな社会問題や福祉活動の支援をおこなうソーシャルアントレプレナーが、障がいをお持ちの方に向けた豊富なプレゼン経験から、多様な人々にわかりやすく伝える方法を伝授します。デザイナーの実績を踏まえ美しいスライドの作り方も学べます。
競合に打ち勝つ提案プレゼンテーション
本講座は、提案営業や社内コンペの受注率向上におすすめです。効果的な勝ちポイントを導き出し、競合他社に差をつけるためのプレゼンテーションを学びます。顧客の理解と信頼を勝ち取るためのストーリー設計・資料作成・スピーチの秘訣をわかりやすくお伝えします。
売れている人も気づいていない「究極の営業プレゼン力講座」
~伝わる秘訣はすべて劇団四季で教わった~
表現の世界で10年近く公演をこなしてきた劇団四季元主役が、人を動かし売上や組織発展などの「成果」に直結する「伝わる力」について、コアポジションの掴み方から表現の型まで圧倒的な伝達力を高める3つのポイントについてお伝えします。
本当に伝わるプレゼンテーションの極意
農学系出身で、技術者向けプレゼンテーションスキル向上に強い組織開発コンサルタントが、人・内容・伝え方の3要素から成るプレゼンテーション法を伝授します。要素のシンクロで実にすばらしいプレゼンテーションとなり、聞き手に伝わります。
惹きつけるプレゼンテーション法
「惹きつける力」とは、たとえ15分という短い時間でも相手の心をつかみ、しっかりと自分を印象付けることのできる能力のことです。本講座ではこの「惹きつける力」を得るための心構えからテクニックまで余すことなくお伝えします。
「プレゼンテーション力の向上」
~すぐに役立つ話し方の技術~
いいプレゼンテーションは理論から。理論を学び即実践することを繰り返すことで能力が身につき、確実にスキルアップします。視覚、動作、話し方からプレゼンテーションをコントロールする方法を伝えます。
話し下手な人もこれで安心!聞き手に好印象を与えるプレゼンテーション講座
聴衆を惹きつける「魅せ方」のテクニックや、緊張をなくし堂々と人前で話すために必要なことは?コミュニケーションスキル・話術を磨き、プレゼンテーションに活かせるテクニックをアナウンサーがお伝えします。
現場で即活用できる!顧客満足を高めながら営業力を発揮するテクニック
~自社・商品を売り込むプレゼンテーション力・交渉力を強化しよう~
「説得的コミュニケーション」とはプレゼンテーションの本質。単に聞いて終わりではなく、判断・意思決定までしてもらってこそ意味があります。相手に好感を持たれる立ち振る舞いなど初歩的なマナーからロジカルで戦略的な話法まで「説得的コミュニケーション」を磨きます。
相手から必ずYesがもらえるプレゼンテーション
心理カウンセラー・ITセミナー講師・社会人落語家の肩書をもち、講演会など過去7000人以上の前でレクチャーをしてきた経験豊富な講師が「売り込まなくても売れる」ゴールへの道筋の立て方を解き明かします。そして「相手から必ずYesがもらえるプレゼンテーション」をお伝えします。
人の心を動かすプレゼンテーション
本講座では、明るい雰囲気で「伝える」から「伝わる」プレゼンテーション力を学ぶことができます。プレゼン力にとくに重要なコミュニケーション力に着目し、コミュニケーション的プレゼン法が身に付きます。
プレゼンテーションスキルを磨く
相手を動かす活きた説得力と魅力パワーUP術
プレゼンテーションの目的は「相手に動いてもらうこと」。そのために大切なことは、話し方やコミュニケーション力です。本講座では、説得力あるロジカルコミュニケーション・発声や発音など話し方の技術を磨き、折衝や説得のコミュニケーションを学びます。
見た目と話し方で9割成功!
自信と安心のプレゼンテーションで評価も上がる
聞き手を引き込み、話し方で納得させるプレゼンテーションとは?「企業の財産になる人」を育てる人財コンサルタントが「安心」と「納得」を土台に、評価の上がるプレゼンテーションをお伝えします。
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