プロジェクトマネジメントは現在では、業界や業種に関係なく、プロジェクトを統括する業務として広く注目されています。
今回はビジネスにおけるプロジェクトマネジメントの役割や研修の重要性を解説します。
またシステムブレーンのおすすめの研修プランを紹介しているので、ぜひ人材育成の参考にしてください。
現代のビジネスを牽引する「プロジェクトマネジメント」の役割
まずはプロジェクトマネジメントが具体的にどのような役割を果たすのかについて見ていきましょう。
プロジェクトマネジメントとは何か
「プロジェクトマネジメント」といえば、システム開発プロジェクトなどの進捗管理を表す、IT業界の用語という認識が一般的でした。
しかし「プロジェクト」とは、「独自の成果を生み出すことを目的とした、期限のある業務」を指す言葉です。対照的なのが「定常業務」だと知るとイメージしやすいかも知れません。定常業務とは、月末や決まった曜日など発生タイミングが一定で、内容ややり方に変化がない仕事のことです。
すなわちプロジェクトマネジメントとは、期限内に固有の目的を達成しなければならない全ての業務の管理を意味します。人の仕事は定常型からプロジェクト型へと変化しているため、業界や職種を問わず、ビジネスの現場にはプロジェクトマネジメントが有効です。
次の章では、プロジェクトマネージャーの役割を具体的に見ていきます。
役割①プロジェクトの全プロセスにまつわる意思決定
プロジェクトマネージャーは責任者として、プロジェクトの立ち上げから終結までの間のすべての意思決定を担います。
具体的には、まずプロジェクトの目標の設定、予算やスケジュールの決定、そしてプロジェクトメンバーの選定を行います。またプロジェクトの進行中に状況の変化やトラブルがあったときには、臨機応変に計画の変更を決めなくてはなりません。また、その後も目標を達成し終結するまでが担当範囲です。
プロジェクトメンバーは常にプロジェクトマネージャーが決定した方針に従って動いていくため、プロジェクトマネージャーは非常に大きい責任を有します。
役割②プロジェクトの実行・管理・調整
プロジェクトの進捗管理として、目標達成に必要なタスク、リスクとなり得る要素、成果物の品質などを常に把握しておかなくてはなりません。
もしプロジェクトの進行中に作業の遅れが出ていたり、イレギュラーな追加作業が生じたりした場合には、スケジュール変更や予算増額の交渉などを行う必要があります。
また対外的な交渉もプロジェクトマネージャーの役目です。例えば受注したシステムに顧客から追加で仕様変更の要望を受けた場合、本来のスケジュールや予算の範囲でメンバーが作業対応できるのかをチーム内で確認します。難しいと判断すれば顧客にその旨を伝え、どこまでのレベルで譲歩してもらえるかを調整するケースもあります。
役割③プロジェクトチームの統括
プロジェクトマネージャーはプロジェクトチームを統括しなくてはなりません。
メンバーは通常の業務と同時進行でプロジェクトに参加しているケースもあります。個々の事情を考慮して業務を配分したり、フォローしたりすることも大切です。
プロジェクトマネジメント研修のニーズが高まる背景
今、多くの企業がプロジェクトマネジメント研修を導入している背景として、以下の3つが挙げられます。
1.業務へのプロジェクト制の浸透
従来の会社組織の業務といえば、上司が部下に仕事の指示を出し、部署内で完結する小規模なものが大半を占めていました。しかし現在では、より大規模な業務に、部署を越えて取り組むケースが増えています。
このような組織では、専門領域の異なるあらゆるメンバーを統括し、プロジェクト全体を見渡して意思決定のできるプロジェクトマネジメントが必須です。
2.DX推進のコアスキル
プロジェクトマネジメントは、社内のDXを実現するうえでも非常に重要な業務です。
DXは、デジタル技術を活用して、業務の進め方から組織体制までを抜本的に改革します。高度なITの知識が必要なイメージがありますが、複雑なプロジェクトを成功させるためには、何よりもメンバーを統括し、全体の進捗を管理するスキルが求められます。
実際に「IT人材に身に付けさせるべき重要スキル」として、60%以上の企業が「人、プロジェクト、タスクのマネジメントスキル」を挙げています(IPA 情報処理推進機構「DX白書2023」)。
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3.世界的なプロジェクトマネジメント人材需要の増加
DXは日本国内だけでなく、世界中の企業の関心事です。プロジェクトマネジメントスキルを持った人材の需要は増加し続けており、世界規模で獲得競争が激化しています。
2030年までには、全世界で新たに2,500万人のプロジェクトマネジメント人材が必要になると予想しているレポートもあります。(PMI 2021年「人材ギャップ・レポート」)
外部からの人材確保がますます難しくなると考えられているため、研修によって既存の社員に必要な知識やスキルを習得させようとする企業が増えているのです。
プロジェクトマネジメント研修のテーマ例
PMBOKの理論
PMBOK(ピンボック)とは、Project Manegement Body of Knowledgeの略です。直訳すると「プロジェクトマネジメントに関する知識体系」で、世界基準のプロジェクトマネジメントの教科書として、さまざまな企業の研修で採用されています。
PMBOKが目指すところは、できる限り低予算で高品質なものを、しかも最短で仕上げるための計画と実行です。
プロジェクトマネジメント研修では、こうしたPMBOKの知識や、それに基づくプロセスなどについて学びます。
ガントチャートやWBSなどのマネジメント手法
プロジェクトマネジメント研修では、プロジェクトマネジメントの具体的な手法も習得します。
例えば、「ガントチャート」は代表的な手法の1つです。大規模プロジェクトを複数の小さなタスクに分解した進捗管理表のことで、一目で進捗が把握できるようにします。他にも、タスクや作業をどのような順序で処理すべきか図で示して整理する「PERT」や、最低限の予算とスケジュールを設定して進行に余裕を持たせる「CCPM」などがあります。
意思決定・課題解決力
プロジェクトは、当初の計画通りに進むものではありません。そのためマネジメント業務では、常に状況に応じた迅速な意思決定や課題解決に迫られます。
プロジェクトマネジメント研修では、スケジュールの遅れや仕様変更などさまざまなケースを想定して、迅速で的確な判断を下すスキルを身につけることができます。
参加者が自ら考え取り組むワーク形式のプログラムも現場で役立つでしょう。
リーダーシップとチームビルディング
プロジェクトマネージャーは、メンバーが安心して前向きに働ける環境を率先して整え、チーム内のコミュニケーションを円滑にする仕組みづくりを実行します。
研修では、メンバーとの目的共有や提案・合意形成のための会議体を設定したり、コミュニケーションツールを導入したりといった具体的な施策を学べます。
PMPの資格取得コース
プロジェクトマネジメントには、「PMP」という国際資格があります。PMPはアメリカに本部を置く非営利団体「PMI」が認定するもので、プロジェクトマネジメント研修の中にはPMPを取得できる研修もあります。
社員の階層やプロジェクト規模に応じた手法
プロジェクトマネジメント研修には、マネージャーやリーダー層向けだけでなく、メンバー向けにアレンジした入門編的な内容のものもあります。
また小規模プロジェクトに重点を置いて解説してくれる研修もあるため、ニーズに合うプランを導入しましょう。
SBのプロジェクトマネジメント研修おすすめプラン
システムブレーンでも人気講師によるプロジェクトマネジメント研修を多数用意しています。ぜひ以下のプランをご検討ください。
はじめてのプロジェクトマネジメント
『PMBOKはじめの一歩 スッキリわかるプロジェクトマネジメントの基本』などを著作する講師による、初心者向けのプロジェクトマネジメント研修プランです。初めてプロジェクトの責任者やリーダーの立場になる人に向けて、目標策定やメンバーとのコミュニケーションについてお教えします。
プロジェクトマネジメント技法の現場活用セミナー
~リーダーのための企画力・段取り力アップ!~
組織活性化コンサルタントの講師による、プロジェクトマネジメント技法の活用術研修。主に企業の管理職が対象ですが、内容は初心者向けで、誰にでも分かりやすくプロジェクトマネジメントの基本をお伝えします。
組織開発の基礎を学ぶ
組織開発ファシリテーターである講師による、経営者や管理職、チームリーダーのための研修プランです。講義に加えて、ペアやグループでのワークなどを交えて組織開発を学んでいくため、現場で活かせる手法が身に付きます。
プロジェクト・マネジメントの手法
1日7時間×2日(連続)
経営コンサルタントの講師が、体系的にプロジェクトマネジメントをお教えします。手法についての講義を踏まえて実際の課題に沿って演習に取り組むので、現場ですぐに使えるスキルが習得できます。
人工知能(AI)プロジェクトのリーダー人材を育成する
AI開発で活躍するプロジェクトマネジメント人材を育成するための研修プラン。大手企業でIT開発のプロジェクト経験がある講師が、今現場で必要とされているAIプロジェクトを牽引できるリーダーに必要なスキルをお伝えします。
知らないと損! 真のコストダウンを実現する
かんたん世界標準プロジェクトマネジメント
PMP試験対策講座を担当し年間300名近い合格者を輩出する講師による、分かりやすいプロジェクトマネジメント研修です。中小企業の経営者および管理職向けに、コストダウンと品質向上を両立するプロジェクトマネジメントについてお教えします。
失敗しない・させないためのプロジェクト管理
“失敗しないためのプロジェクトマネジメント研修”と銘打ってプロジェクトの失敗を事前に予測し、そこから逆算して回避・軽減するための方法を考えます。裁判事例からプロジェクトの失敗ケースを紐解いていくユニークな内容にも注目が集まっています。
プロジェクト視点で強いチームに変える ~困難に打ち勝つ宇宙開発に学ぶ
元宇宙航空研究開発機構(JAXA)理事の講師による研修プランです。プロジェクトを成功に導くための方法論が分かります「はやぶさ2」や国際宇宙ステーションのプロジェクト成功の逸話を中心に、一般の事業にも活かせるリスク管理の方法などをお伝えします。
外資系コンサルが教えるプロジェクトマネジメント
組織開発や人材育成を専門とした外資系企業で、シニア・クライアント・パートナーを務めた講師。外資系企業コンサルタントで数々の成功を収めてきた講師が、プロジェクトマネジメントで結果を出し続けるためのコツを伝授します。
電気自動車を生み出したプロジェクトマネジメント
三菱自動車工業にて新世代電気自動車の開発プロジェクトを任された講師が、電気自動車「i-MiEV(アイ・ミーブ)」の開発過程を振り返りながら、自動車業界の新技術や今後の動向についても解説します。
プロジェクトマネジメント研修のポイント・注意点
最後に、プロジェクトマネジメント研修を企画・実施する際のポイントと注意点について解説します。
(1) 自社課題を洗い出して全体の研修目的を設定する
プロジェクトマネジメント研修の内容やレベルは多岐に渡ります。最適な研修プランを選ぶには、自社の課題を洗い出し、どのような成果を得たいのか目的を明確にしなくてはなりません。
例えば「リーダーシップはあっても、再現性のあるプロジェクト管理方法を組織に共有できる人材がいない」ということが課題であれば、プロジェクトマネジメントを体系的に学べる研修プランが望ましいでしょう。
(2) 受講者のレベルを把握し、それに応じた目標を設ける
研修プランは、受講者のレベルと到達したい目標に応じたものでなくてはなりません。受講者のプロジェクトマネジメントに関する現在の知識・スキルのレベルを把握し、達成すべき目標を設定しましょう。
プロジェクトマネジメントをすでに経験したことのある社員が対象であれば、これまでの反省点の改善に役立つスキルの習得を目標とすると良いでしょう。
(3) 信頼できる専門家に講師を依頼する
実績のある専門家に講師を依頼するのも、研修を成功させるためのポイントです。
管理職などの社内人材に任せようとする企業もありますが、通常の組織マネジメントとプロジェクトマネジメントは異なるものです。専門的な経験や知識を持った外部の講師に学ぶほうが効果的でしょう。
(4) 現場での実践とそのフィードバック機会を設ける
プロジェクトマネジメントのスキルを、研修だけで定着させることは困難です。学んだ社員が理論や手法を実際のプロジェクトで実践し、それを上司や研修担当者が評価して本人にフィードバックする機会を設けましょう。
プロジェクトマネジメントは、今後のビジネスの現場で広く活用できるスキルです。社内にプロジェクトマネジメント人材を育成したいとお考えの研修ご担当者様は、ぜひシステムブレーンの研修プランをご検討ください。
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