「タイムマネジメント」という言葉をご存じでしょうか? 今、ビジネスのあらゆる場面で合理化・効率化が進むなか、従業員一人ひとりの時間の使い方に着目したタイムマネジメント研修に注目が集まっています。
今回はタイムマネジメントの概要から、研修の一般的なテーマや流れなどを解説します。さらに弊社スタッフおすすめの研修プランも紹介しているので、社内研修のご担当者様はぜひ参考にしてください!
タイムマネジメントはなぜ必要? 導入で期待できる改善効果
タイムマネジメントは、企業活動を大きく改善する可能性を秘めています。ここではタイムマネジメントの考え方と、導入の効果について解説します。
タイムマネジメントとは
タイムマネジメントは、限られた時間で最大限のパフォーマンスを発揮し、業務効率化につなげることを目的としています。このときマネジメントするのは「時間」ではなく「自身の行動」です。
また、タイムマネジメントはただ予定を埋めていくだけのスケジュール管理とは違い「いかに生産性を向上させるか」に重点を置いています。
社員がタイムマネジメント手法を身に着けることで、以下のような改善が期待できます。
改善1. 残業時間を減らす
残業文化が根付いている職場では、社員自身が「早く帰ると他のメンバーに悪い。残業したほうが良い」と思い込んでいます。そのため上司が残業を減らすよう呼びかけても現場に浸透せず、ワークライフバランスがいつまでも実現できない職場になってしまうのです。
社員一人ひとりにタイムマネジメントの考え方に触れてもらうことで「無闇に時間をかけて作業するより、定時内で生産性を上げたほうが良い」という意識改革を行います。
改善2.社員個人が効率的に仕事をこなせるようになる
タイムマネジメントは、仕事を進めるうえでのさまざまな悩みを解決します。
例えば「いつも仕事を先延ばしにしてしまう」「担当タスクが多すぎて、どれから着手すべきか分からない」「やり切ったと思ったら、後から対応漏れに気づきがち」などで困っている社員はいないでしょうか。いずれの場合でもタイムマネジメントの手法を学ぶことて、業務の優先順位につけ方や効率の良いスケジューリングスキルを身に着けられるため、効率的に業務に取り組めるようになります。
改善3.組織全体の生産性が向上する
社員一人ひとりがタイムマネジメントを身に付けられれば、もちろん組織全体の生産性もアップします。
組織の生産性向上には、以下の4つの形式があります。まずは(1)と(2)を目指してみてはいかがでしょうか。
(1)これまでと同じ期間で、より大きな成果を上げる
(2)これまでと同じ成果を、より短い期間で上げる
(3)これまでよりも時間をかけて、はるかに大きな成果を上げる
(4)これまでよりも小さな成果を、かなり短い期間で上げる
タイムマネジメント研修の目的
次に何のためにタイムマネジメント研修を実施するのか、その目的について確認していきましょう。
①業務効率化
タイムマネジメント研修を受講すると、これまでと同じ業務に取り組むときでも「どうすればもっと短い時間で終わらせられるようになるか」を考える習慣がつきます。社員が自発的に成長するきっかけになるでしょう。
②優先順位の明確化
タスクに優先順位をつけて振り分ける方法を学べば、緊急性の小さい些末なタスクに時間を取られて、重要な業務の進行に遅れが出るケースはなくなります。
また、業務量が増えても対応できる力が身に付くでしょう。
③職場のストレス軽減と健全化
「より短時間でより大きな成果を出す」という考え方自体は、ときに職場全体にのしかかるプレッシャーになります。
しかしタイムマネジメントの本質は、単なる時間圧縮ではなく「時間内の行動」のマネジメントです。研修で正しくタイムマネジメントを理解できればそうしたストレスを軽減し、職場を健全化できるでしょう。
④チームワーク強化と組織の競争力アップ
組織でタイムマネジメント研修に取り組めば、個人だけでなくチーム全体のチームワーク強化にもつながります。グループワーク等で他者と協働する経験から、チームで目標達成するという意識も根付きます。
その結果、組織の競争力も高まるでしょう。
タイムマネジメント研修のテーマ例
次に、タイムマネジメント研修では具体的にどのようなことを学ぶのかを説明しましょう。ここでは主要な5つのテーマについて解説します。
業務と時間配分の「見える化」
まず取り組むべきは、業務や時間配分の「見える化」です。頭の中で漠然と感じていたことを言語・数値化すると、本人が自己認識できるだけでなく、他者への状況共有がしやすくなります。
研修では「見える化」のための具体的な方法を学びます。例えば受講者それぞれに、直近で完了したタスクと、それにかけた時間を書き出して現状を正しく把握してもらいます。サッと取り組めるよう、テンプレートを準備しておくと良いでしょう。
そうしてタスクごとに優先順位を決め、どのようにスケジュールに落とし込むかを考えていきます。
フレームワークの活用
日々の業務でタイムマネジメントを実践するうえで、いくつかのフレームワークを知っておくと便利です。
例えば「アイゼンハワー・マトリックス」。タスクを「重要かどうか」と「緊急かどうか」の2つの基準の掛け合わせで分類していく手法です。これに照らし合わせると、緊急性の高さに気を取られ、締め切りが少し先の重要度が高いタスクをつい見落としてしまう傾向や、緊急性も重要性もないタスクで時間を無駄にしている現状が見えてきます。
あるいは、不要な業務がないか、まとめたり簡略化したりできないかをチェックする「ECRS(エクリス)」などのフレームワークについて学ぶこともあります。
簡単なゲームなどを取り入れた演習
タイムマネジメントの効果は、ゲームなどの演習によってより強く実感することができます。演習は基礎理論やスキルを講義で学ぶ前後に、受講者が実践してみることで知識を定着させるプログラムです。
グループワークも有効です。「グループごとに制限時間内でいかに多くの成果を上げられるか」という対戦形式にすると、受講者の参加意欲や集中力を高める効果もあります。
新入社員・若手向け
中堅以上の社員と違って、新入社員や若手社員には「任された仕事を他の人に割り振る」という選択肢がありません。そのため大量のタスクを整理して、それぞれの所要時間を把握し、すべてを確実に処理していく方法を研修で学びます。
管理職向け
一方、管理職のためのタイムマネジメント研修もあります。この階層に向けた研修の主たるテーマは、チームの長時間労働の問題点を明らかにし、改善することです。
さらに自分自身のタスクマネジメント、すなわち「抱えている業務のなかで人に任せられるものがないか考えること」についても学びます。
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SBのタイムマネジメント研修おすすめプラン
ここでは弊社がおすすめする、タイムマネジメントの研修プラン10選をご紹介します。
労務管理のためのタイムマネジメントセミナー
ムダな残業・ダラダラ残業をなくす効果的な仕事の進め方
過重労働やそれによる人材の流出は、今では企業にとって大きなリスクとなり得ます。シニア組織活性化アドバイザーの講師が、組織としてタイムマネジメントに取り組む方法について、管理職・従業員それぞれに向けて伝えます。
働き方改革実現のための「タイムマネジメント力向上」研修~効率的な仕事や豊かな人生を送る上での価値ある「時」の創り方~
法政大学大学院教授にして経営コンサルタントである講師が、タイムマネジメントの概念論から仕事の段取りの仕方まで解説する研修プラン。さらに研修内では実際にタイムマネジメントマニュアルを作成するワークの時間もあります。
タイムマネジメント研修~マインドセット~
企業で組織開発の特別顧問を務める講師による、ワークライフバランスまで見据えた全階層向けの研修プランです。仕事の効率を上げることだけでなく、限られた人生の時間をどう使うかということにまで言及した内容です。
仕事と人生の質を上げる!タイムマネジメント講座
キャリアコンサルタント講師が、タイムマネジメントを実践するための5つのポイントや、チーム全体で成果を上げるための働き方の見直しについて解説します。講義だけでなく随所に演習を取り入れた、参加型の研修プランです。
【99%の人がしていないたった1%の仕事のコツ】~すぐに効果の出る、効率的な仕事の進め方~
電通、日本IBMなどでキャリアを積んだ講師が、会議やメール、文書作成などに使える具体的なタイムマネジメントのテクニックを伝授します。ビジネスの世界で現役で活躍している河野氏だからこその実践的な内容が魅力です。
「Outlookでタスクを見える化!パズル式時間管理術」~もう仕事に追われない 生産性がぐんぐん向上するタイムマネジメント~
国家資格・キャリアコンサルタントの二木奈緒氏は、自身も育児と仕事との両立に悩んだ経験の持ち主。そんな講師がたどり着いた「パズル式時間管理術」を習得します。タスクを見える化し徹底管理するシンプルな方法を学べます。
仕事力を磨く!~時間管理と生産性を高める仕事の進め方~
教育コンサルタントである講師のタイムマネジメント研修では、まずは仕事の基本的な考え方から見つめ直し、仕事に臨む心構えや、時間を有効に使うことの大切さを学びます。「なぜタイムマネジメントが必要か」を理解したうえで、テクニックが身に付くのが特徴です。
残業ゼロ&成果倍増のタイムマネジメント~時間を経営する~
コーチングの国際マスターの認定を受けている講師による、タイムマネジメント研修プランです。自身も企業の経営者である講師が、「時間を経営する」という観点からタイムマネジメントの極意を伝授します。
働き方改革実践!ワークライフバランス促進のタイムマネジメント研修~私の人生の満足時間との出会い~
人材活性・チームコンサルタント講師が、ワークライフバランスを実現するためのタイムマネジメント術を語ります。あらゆる階層に向けた研修プランですが、特に仕事と家庭との両立に悩む女性たちに人気となっています。
「忙しい」が口癖になっていませんか?
スケジューリングのコツをつかむ時間管理術
人財コンサルタント講師が、日々のタスクに追われて時間の管理ができていないビジネスパーソンに向け、タイムマネジメントの基礎を伝えます。所要時間の見直しや優先順位をつける重要性など、基本的な内容が学べます。
タイムマネジメント研修の流れ
最後に、実際のタイムマネジメント研修を具体的にイメージしやすいよう、研修の流れの一例を見てみましょう。
①タイムマネジメントの概要を学ぶ
受講者は、まず始めに「タイムマネジメントとは何か?」という概要を学びます。
特に「タイムマネジメントとは自身の行動を管理し、限られた時間でより大きなパフォーマンスを挙げることを目指すもの」という前提を理解しなくてはなりません。
②研修の到達目標を確認する
次に研修を通じて身に付けたいタイムマネジメントスキルを明らかにしましょう。
例えば「依頼を受けた順に処理するのではなく、自ら判断して優先順位を付けられるようになりたい」「タスク管理やスケジューリングによるミスや手戻りを減らしたい」などです。
③課題の洗い出しと現状把握
次はその目標に対して、現状の仕事の進め方とその課題を洗い出す工程です。
過去1週間や数日間単位で自分の仕事を振り返り、②で掲げた目標に対して至らなかったポイントを書き出します。例えば「自分で正しい優先順位を付けて仕事に取り組めるようにしたい」という目標の人なら、「後から依頼された緊急性の高い案件にすぐ着手せず、期限に間に合わなかった」ことを課題として挙げます。
④フレームワークを利用した業務の見直し
さまざまなフレームワークの概念を学んだうえで、自分の業務をそれに当てはめて実践するプログラムもあります。
業務の分類、要否や優先度の判断、やり方の整理、業務改善を習慣化する仕組みなどを、講師や他の受講者と一緒に考えることで、実際のワークフローが大きく改善されます。
⑤今後の業務で取り組む目標の設定
プログラム全体の総括として、最後に今後の実務の目標設定をおこなう場合もあります。
「期限の2日前に完了する」「定時で帰れる日を週1日増やす」「本来やりたかった企画構想業務の時間を、毎日1時間捻出する」など、個々の状況に応じた目標を立てましょう。
⑥振り返りと評価、次の目標設定
研修自体が終了したあとも、実務において研修で学んだことを振り返ったり、自身の業務をタイムマネジメントの点から評価をしたりといった継続的な取り組みが必要です。
タイムマネジメントは、研修で学んですぐに完璧に実践できるわけではありません。日々試行錯誤しながら、行動実績を理想のワークフローに近づけていきます。また研修時に設定した目標を達成できるようになれば、よりレベルの高い次の目標を決めて、ブラッシュアップしていくことも大切です。
成果を上げるタイムマネジメント研修を実現
タイムマネジメントは、組織全体の生産性を大きく向上させます。残業文化が根付いた現場の雰囲気を一掃したいとお考えの担当者様は、ぜひタイムマネジメント研修の導入をご検討ください!
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