講演・セミナーを開催するにあたり、講師を招く場合は講演依頼のメッセージを何らかの形で送付する必要があります。近年は即時性や記録性などの観点から、メールで講演依頼を送るケースも増えてきています。そこで、セミナー講演依頼メールの作り方やマナー、簡単に作れるテンプレートをご紹介します。
講演依頼メールは簡潔明瞭に
講師はお忙しい方が多いです。1日で何十通ものメールがくるため、じっくりと目を通す余裕のない方もいらっしゃいます。そのため、講演依頼のメールは必要な項目だけを簡潔かつわかりやすく記載し、2~3分程度で読み終わる分量(1000文字以内)にする必要があります。
簡潔明瞭な記述にするために、おさえておきたい必須ポイントがあります。次の章で、その項目を具体的にお伝えします。
講演依頼メールに必要な項目
依頼メールの内容は大きく分けて、①宛名・件名、➁かがみ文、③講演の詳細(記)、④返信の依頼、➄記名(所属・連絡先など)に分かれます。内容は以下の通りです
- 宛名(講師名+敬称)
- かがみ文
・挨拶文(ますますご清栄のこととお慶び申し上げます など)
・自己紹介文
・どんな目的の会で、どんなことを依頼したいのかを端的に
・検討のお願い - 講演の詳細
・日時(講演の時間帯)
・会場と住所
・依頼したい講演テーマ
・聴講者層
・講演の目的
・講演料(税込みor別、交通費の有無)
(オンライン講演の場合)
・使用ツール(Zoomなど)
・配信場所(講師のご自宅や事務所、仮スタジオなど) - 返信への依頼(急ぎの場合は返信の期限)
- 自身の会社・団体名、名前、電話番号、メールアドレス
一目で読みやすくするため、段落に分けて、講演の詳細については箇条書きで書くとよいでしょう。また、講演料の提示や相談をしておくとスムーズです。交通費や宿泊費が必要になるケースもありますので、どこの駅でどこのホテルや旅館なのかも明確にすると良いでしょう。
ビジネス文書としての講師依頼文マナー
講師依頼文は、ビジネス文書の一つとして捉えましょう。そのため、ビジネス文書としてのマナーを守る必要があります。以下のポイントに注意し、失礼のない文章を作成しましょう。
- 原則として、セミナー開催日まで1〜2ヶ月以上は余裕を持って依頼する
- 「お忙しいところ失礼します」など、クッション言葉を適宜使用する
- 具体的なセミナー内容は、箇条書きでまとめる
人気講師であればあるほど、スケジュールが多忙なため早くから予定が埋まってしまいます。依頼メールは開催日の1〜2ヶ月前までに送り、回答期限もゆとりをもって設定しましょう。
講師への出演依頼メールテンプレート
では、実際に使える講演依頼のメールテンプレートを見ていきましょう。学術系・書籍の著者・面識がある相手の3つのパターンでご紹介します。
①研究職など学問分野
まず、最も多いと考えられる大学教授などの学問分野に従事する人に対して講演依頼を送る場合のテンプレートです。
件名:【○○セミナー】講演のご依頼
○○大学
△△学部教授 ○○様お忙しいところ、突然メールをお送りする失礼をお許しください。
私は、株式会社〇〇、企画部の△△と申します。この度、○○先生に弊社が主催するセミナーでのご講演をお願いしたく、
ご連絡差し上げました。弊社は□□の分野で○○を行っておりまして、
ぜひ○○の研究において第一線でご活躍されている○○先生に
「□□」というテーマでのご講演をご依頼したく存じます。具体的な講演内容は以下の通りです。
- 日時:◯月◯日 ◯時~◯時(講演時間は90分程度)
- 会場:〇〇文化ホール 〇〇市〇〇町1234
- 講演の目的:〇〇のついての意識の向上
- 講演テーマ:〇〇について
・聴講者及び参加人数:弊社組合に加盟する組合員50名程度
・謝礼:○○円(税、交通費用別)ぜひ一度ご検討いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。株式会社〇〇
企画部 △△
電話番号 03-1234-5678
メールアドレス:×××@××
②書籍の著者
書籍の著者に講演を依頼するケースも多いはずです。その場合は、以下のように文章をまとめると良いでしょう。
件名:〇〇市主催「〇〇フェア」市民向けセミナー講師のお願い
○○先生
突然のメールで失礼いたします。
初めてご連絡させていただきます、〇〇市役所の広報課□□と申します。この度、〇〇市が主催する「〇〇」フェアにおいて、〇〇を目的してたオンラインセミナーを企画しております。そのセミナーにおいて、○○先生にお話をしていただきたく、ご連絡差し上げました。
(著書の内容)(著書名)は、〇〇市で近年問題となっている〇〇への対処法が詳しく解説されており、今回の「〇〇」フェアの目的に合致する内容です。
先生のお話は、市民が〇〇問題に前向きに取り組んでいくためにも、とても貴重な機会になると確信しております。つきましては、下記のようなテーマ、及び条件で講演していただくことは可能でしょうか?
- 日時:◯月◯日 ◯時~◯時(講演時間は90分程度)
- 配信ツール:Zoom
- 配信場所:弊社が手配する〇〇スタジオ(〇〇市〇〇町12-3)
- 講演の目的:〇〇問題について市民への理解を深め、前向きに取り組んでいくよう啓発する
- 講演テーマ:〇〇について
- 参加者:市内に在住する一般市民100名程度
- 謝礼:○○円(税、交通費用別)
お忙しいところ誠に恐縮ではありますが、ご検討のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
〇〇市役所
広報課 □□
電話番号 03-1234-5678
メールアドレス:×××@××
③社内など、面識がある相手
最後に、社内など面識がある相手に講演依頼をする場合のテンプレートです。面識がある相手の場合、上記2例よりは格式張らなくても良いのですが、ビジネスメールとしてのマナーはしっかり守りましょう。
件名:ご講演依頼
○○先生
大変ご無沙汰しております。
株式会社〇〇の△△です。
先生のご活躍を心よりお慶び申し上げます。この度、○○先生に弊社が主催するセミナーでのご講演をお願いしたく、
ご連絡させていただきました。弊社では、毎年従業員に向けてセミナーを開催しております。
その中で、時代に即したテーマで専門家の先生方にご講演をお願いしております。概要は以下の通りとなっております。
- 日時:◯月◯日 ◯時~◯時(講演時間は90分程度)
- 会場:〇〇文化ホール 〇〇市〇〇町1234
- 講演の目的:今後の業務に役立てるため、〇〇のついての最新情報を知る
- 講演テーマ:〇〇について
- 聴講者及び参加人数:弊社の全従業員200名程度
- 謝礼:○○円(税、交通費用別)
先生におかれましてはご多忙のところ誠に恐縮ですが、ご都合をお知らせいただければ幸いです。
ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。
内諾済みの相手の場合
先に電話などで略式に承諾を得た相手に対し、正式に書面で講演依頼を送る場合のテンプレートです
件名:【2023/11/2(月)】○○様 講演のご依頼(株式会社△△)
○○様
講演依頼の確認について
前略
先日はお電話にてご講演をお願いいたしました際、早速のご快諾を賜りまして厚く御礼申し上げます。
お電話でも簡単にお伝えさせていただきましたが、ご依頼の内容は下記の通りでございます。いま一度ご確認いただけますと幸いです。
草々
- 日時:◯年◯月◯日 ◯時~◯時
- 会場:〇〇ホテル5F 大ホール
- 講演テーマ:〇〇について
- 聴講者及び参加人数:20〜50代 50名
- 謝礼:○○円(税、交通費用別)
講演依頼文、依頼メールはいつまでに送る?
講演依頼文や依頼メールを送るタイミングは、講演日の3〜6ヶ月前が妥当です。講演日までの期間が短すぎると講師のスケジュールが既に埋まってしまっているかもしれません。それだけではなく、講師との打ち合わせや台本準備、必要機材の手配なども必要になるためです。
逆に、講演日の1年前など早すぎる依頼も避けた方が良いでしょう。講師の本業の予定がわからないなどの理由で断られてしまう可能性もあります。依頼文や依頼メールを送るタイミングを逃さず、講師にとっても主催側にとってもベストなタイミングで送りましょう。
講演依頼メール作成時の注意点
最後に、講演依頼メールを作成するときの注意点を3つ解説します。
①送信者の身元が確認できるように
送信者の身元が明らかになっていることは、最低限の必要事項とも言えます。身元が明らかになっていない相手と、ビジネスの相談はできません。また、逆にだらだらと自己紹介ばかり長くなっても、要件になかなか辿り着けず、承諾に結びつきにくいでしょう。
送信者の身元はあくまでも簡潔に、所属する企業と部署を記載しましょう。必要があれば会社概要のURLもつけると親切です。身元の情報は、相手が依頼を承諾する上で重要な情報であることを忘れないようにしましょう。
➁「ご検討いただく」という姿勢で
講演の依頼は、単にスケジュールさえ空いていれば受けてもらえるというものではありません。講師には本業があり、概要を吟味してから引き受けるかどうかを検討します。「スケジュールだけ教えてください」などという一方的な依頼であると、相手に悪い印象を与えかねません。あくまで、「講師は多忙である」という前提で、お時間があるかどうか、丁重に尋ねるようにします。
特に、講演依頼メールが初めての接触である相手には、「不躾ながら」「ご多忙の折、誠に恐縮ですが」といったワンクッションの言葉を設けるようにするとよいでしょう。
③急ぎの場合、返信期限を記載する
もし、どうしても急な依頼をしなくてはならなくなった場合、回答期限をしっかり記載しておきましょう。その場合も「締切厳守」などの高圧的に感じられる言葉は避け、「恐れ入りますが」「お手数おかけしますが」など、クッション言葉を使いながら失礼のないような表現を心がけましょう。
講演依頼が不安な場合はプロに任せる方法も
講演依頼メールを作成する場合、特に面識のない講師にはアプローチの仕方に注意する必要があります。講演依頼メールが相手の意を汲んだものでなかったり、不躾に感じるような内容であったりした場合、依頼がうまくいかないことも考えられます。
講演依頼に不安が感じられる場合には、ぜひ弊社にお任せください! 主催者様に代わって、講師への講演依頼、交渉、スケジュール調整を行っていきます。
ご希望の講師のスケジュールが確保できない場合は、15000人以上の講師の中からご要望に応じた講師を複数ご提案することも可能です。ご相談は無料ですので、お気軽にお問合せフォームよりご相談ください。
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