新人研修の目的の一つとして、コミュニケーションの活性化が挙げられます。
コミュニケーションの活性化に即効性の高いのがゲームです。
ゲームはただ楽しみながら親睦を深められるだけではなく、チームビルディングやリーダーシップなどさまざまなスキルを身につけることもできます。
新人研修にゲームを取り入れるメリットと、オンラインでも可能なおすすめゲーム16選を紹介します。
- ゲームがもたらすさまざまなメリット
- 新人研修を盛り上げる面白ゲーム16選
- 最初に行いたい「漢字自己紹介ゲーム」
- 序盤のアイスブレイクに「共通点探しゲーム」
- ポジティブな視点を養う「グッドオアニュースゲーム」
- 合意形成ゲーム「NASAゲーム」
- 伝達ゲームの定番「野球のポジション当てゲーム」
- コミュニケーションの壁を破る「はぁって言うゲーム」
- 価値観を開示してその差を楽しむ「欲しいものオークション」
- 論理的思考力を付けられる「人狼ゲーム」
- 経営を体験できる「ペーパータワー」
- コミュニケーション能力を高める「ブラインドサッカー」
- チームで問題解決「謎解き脱出ゲーム」
- ビジネスマナーを楽しく学べる「マナーストーリー」
- PDCAサイクルを学べる「マシュマロチャレンジ」
- 理解を深めあえる「十人十色ゲーム」
- チーム対抗で経営を疑似体験する「The 商社」
- 報連相の能力が養われる「kゲーム(部課長ゲーム)」
ゲームがもたらすさまざまなメリット
新人研修にゲームを取り入れることで、楽しみながらコミュニケーションを活性化できるだけではなく、さまざまなビジネススキルを身につけられるというメリットがあります。
例えば、チームで戦うようなゲームであれば、メンバーの能力を理解し、適材適所に配置できるチームビルディングスキルやリーダーシップ能力、問題解決能力が養われます。
座学のような堅苦しい研修とは異なり、ゲームを取り入れた新人研修は参加者のモチベーションをアップし、無理なく能力を高められるでしょう。
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新人研修を盛り上げる面白ゲーム16選
ここからは、新人研修を盛り上げるのにぴったりの、面白ゲーム16選をご紹介します。
アナログで遊べるだけではなくオンラインで楽しめるゲームもありますので、ニーズに合わせて取り入れてみるとよいでしょう。
最初に行いたい「漢字自己紹介ゲーム」
まずは、分析力やアウトプット能力を高めるのに最適な漢字自己紹介ゲームです。
【遊び方】
自己紹介をする側と、聞き手側に分かれてください。
聞き手側は「自分を一言の漢字で表してください」と要求し、聞き手側は一つの漢字を書いて聞き側に見せ、どうしてそれを選んだのかを説明するゲームです。オンラインの場合は、web会議ツールのホワイトボードやチャット機能などを使って、漢字を共有しても良いでしょう。
【用意するもの】
- 紙とペン
【習得できるスキル】
- 短時間で自己分析をする分析力
- 選んだ漢字を説明するアウトプット能力やプレゼン力
序盤のアイスブレイクに「共通点探しゲーム」
共通点探しゲームも、研修の序盤で取り入れるとチームメンバー間の連携を深めるのに効果的なゲームです。
【遊び方】
参加者は3~4名程度のグループに分かれます。
例えば5分間など、制限時間内を設けましょう。時間内に自由に話し合って、メンバー全員の共通点を最も多く見つけられたチームが勝ちです。
オンラインの場合は、ビデオ会議ツールのブレイクアウトルーム機能を利用して実施できます。
【用意するもの】
- 紙もしくはホワイトボードなどとペン
【習得できるスキル】
- コミュニケーション能力
- チーム内の相互理解をうながす洞察力
ポジティブな視点を養う「グッドオアニュースゲーム」
グッドオアニュースゲームは、参加者のポジティブなコミュニケーションを促進するのに役立ちます。
【遊び方】
参加者は、24時間以内、もしくはこの1週間以内に起こった「良いこと」や「新たな発見」をメンバーにプレゼンテーションする取り組みです。
発表の持ち時間を1分などコンパクトにすることで、伝えたいことを端的にまとめて説明するスキルも養われるでしょう。
ポジティブな共有を積み上げることで、研修の中のワークやディスカッションでも、建設的な視点から議論を行える素地ができます。
【用意するもの】
- (あれば)ストップウオッチやタイマー
【習得できるスキル】
- ポジティブシンキング
- プレゼンテーション能力
- スピーチ能力
合意形成ゲーム「NASAゲーム」
1チーム4名~5名にて行うディスカッション形式のゲームが、NASAゲームです。
こちらのゲームは模範解答が用意されており、この模範解答に最も近い個人、またはチームが勝利となりますので、何チームかに分かれて楽しむこともできるでしょう。
【遊び方】
月に不時着をした宇宙飛行士たちのチームという設定でゲームを行います。
チームメンバーは、300㎞離れた母船へと戻るために、手元にある15個のアイテムに優先順位を付けるというゲームです。
手元にある持ちものは指定されており、個人で5~10分程度のシンキングタイムを設けた後、グループで20分程度のディスカッションを行って、チームで優先順位の総意を決めます。
チームでの話し合いの結果が出たら、NASAによる模範解答を提示し、差の合計が最も小さいグループ(個人)の優勝です。
【用意するもの】
15コのアイテムが書かれたカード
- 15mのナイロン製ロープ
- マッチの入った箱
- 45口径のピストル
- 19リットルの水
- 粉ミルク
- 宇宙食
- パラシュート
- ソーラー発電の携帯用暖房機
- 酸素ボンベ45㎏(2本)
- 月から見た星座表
- 救命ボート
- 磁石コンパス
- 注射器入りの救急箱
- ソーラー発電式FM送受信機
- 信号用照明弾
【習得できるスキル】
- ディスカッション能力
- 分析能力
伝達ゲームの定番「野球のポジション当てゲーム」
伝達能力を楽しみながら養える定番ゲームが、野球のポジション当てゲームです。情報を伝えるのは口頭のみになるため、分析力や論理力などさまざまな能力が養われます。
【遊び方】
4~6名程度のチームでプレイするゲームです。
野球のポジションに関する情報が書かれた情報カードを1人3~4枚ほど配布し、誰がどのポジションなのかを導き出します。情報カードには「山田選手の妹はセカンドと婚約中で、サードよりも背が高い」というように、それぞれの情報を組み合わせないと誰がどのポジションかわからないよう、推理ゲームさながら情報を記載するのがポイントです。
【用意するもの】
野球のポジションに関する情報が書かれた情報カード
【習得できるスキル】
- 情報を整理し正確に伝える論理力と説明力
- 分析力
- 記憶力
- 報連相の基本の能力
コミュニケーションの壁を破る「はぁって言うゲーム」
はぁって言うゲームは、誰にでも分かりやすいシンプルなルールで人気のカードゲームです。
【遊び方】
3~8人のグループで、専用のカードを1セット用いて行います。
1枚のカードには、1つのセリフと、それを発する複数のシチュエーションが書かれています。例えば「はぁ」だと、「なんで? の『はぁ』」や「力をためる『はぁ』」、「失恋の『はぁ』」などです。
進行役が、お題のカードのうちそれぞれ異なるシチュエーションを、メンバーにごとに割り当てます。メンバーはそれに従って、表情と言い方だけで精いっぱいの「はぁ」を実演。別のメンバーが、どの状況のセリフなのかを推理し、投票します。
割り当てられた全員の演技が終わったら答え合わせです。正解すると、演技した人と回答者との両方にポイントを付与。最終的に得点が多かった人が勝ちとなります。
【用意するもの】
【習得できるスキル】
- 声色や表情から相手の意図を読み取る洞察力
- 無意識のうちに自分が他者に対して設けている壁を破るコミュニケーション能力
価値観を開示してその差を楽しむ「欲しいものオークション」
欲しいものオークションは、メンバー間の価値観のギャップを楽しみながら知ることができるゲームです。
【遊び方】
メンバーはそれぞれ、「今いちばん欲しいもの」というテーマで絵を書き、それを見せながら他のメンバーに発表します。
実在する物ではなく、現実には存在せず、近未来に実現しそうなアイテムを想像して描くのがポイントです。また物に限らず、一例として「不老不死の肉体」や「ペットと会話できる力」といったものでもかまいません。
他のメンバーは、それぞれの欲しいものに対して値段を付け、オークションを行います。最高値を付けてくれたメンバーとは、これをきっかけに意気投合できるかもしれません。
【用意するもの】
- 紙とペン
【習得できるスキル】
- 自分が大事にしていることを明らかにする自己分析力
- 今、現実には存在しないものを描く創造性・発想力
- プレゼンテーション能力
- 価値観の違いを受け入れる能力
論理的思考力を付けられる「人狼ゲーム」
思考力ゲームの定番。オンラインアプリも多数あり、手軽に楽しめるのが人狼ゲームです。
【遊び方】
人狼陣営と村人陣営の2チームに分かれて行うコミュニケーションゲームです。昼と夜の2つのターンを繰り返し行います。
昼のターンでは全員で、誰が人狼なのかを話し合い、人狼だと思う1名を処刑。夜のターンでは狼陣営が村人陣営から1名を処刑し、村人の数を減らしていきます。
昼と夜のターンを交互に行った後、人狼は全ての村人を処刑すれば勝ち、村人は全ての人狼を処刑すれば勝ちです。
【用意するもの】
役職の書かれたカード
【習得できるスキル】
- 論理的思考を組み立て説明する能力
- 社会的スキル全般の取得
経営を体験できる「ペーパータワー」
経営において重要な、役割分担の能力や品質管理能力を自然と身につけられるゲームが、ペーパータワーです。目標達成に対する喜びや向上心を養いながら、企業経営を疑似体験できるゲームとして知られています。
【遊び方】
A4の紙だけを使い、自立可能なできるだけ高いタワーを作るゲームです。
タワーの高さは会社の売上、使った紙の枚数を原価とし、コスパ良く売上を上げられたチームの勝利となります。
【用意するもの】
- A4の紙
- メジャー
【習得できるスキル】
- 役割分担スキル
- 品質管理スキル
コミュニケーション能力を高める「ブラインドサッカー」
アイマスクをつけながら行うブラインドサッカーも、新人研修ゲームとしては最適です。
【遊び方】
5人1組、2チームに分かれてサッカーを行います。ただし、プレーヤーはキーパー以外全員、目隠しをした状態でプレイ。ボールの音と、キーパーの声を頼りにゴールを奪い合い、獲得した点数の多いチームが勝利です。
【用意するもの】
- アイマスク
- 鈴が入っているボールなど、音の出るボール
【習得できるスキル】
- チームワーク、コミュニケーション能力
- 助け合い精神
チームで問題解決「謎解き脱出ゲーム」
人気ゲームとして親しまれている謎解き脱出ゲームも、新人研修には最適です。こちらは遊び感覚で楽しみながら、個々の能力を引き出すのにぴったりでしょう。
【遊び方】
「あなた達は密室に閉じ込められました」など、特定のシチュエーションを用意し、参加者全員で謎解きをしていきます。決められた時間内に物語をクリア出来れば参加者の勝利!
【用意するもの】
謎解きの問題用紙
【習得できるスキル】
- チームワーク
- 分析力、思考力
ビジネスマナーを楽しく学べる「マナーストーリー」
ビジネスマナーを楽しく身につけられるゲームが、マナーストーリーです。
【遊び方】
新入社員役(プレーヤー)と先輩社員役(出題者)の二手に分かれます。
“お客様のいる部屋に入るときにはノックを何回するのか?”というように、カードに書かれたクイズの答えに合わせた行動を選択し、お客様と無事に名刺交換ができればゲームクリアです。
ゲーム途中でマナーを間違えた場合、信頼チップというゲームコインが減ってしまい、手持コインがゼロになったらゲームオーバーとなります。
【用意するもの】
- 信頼チップ
- 出題カード
【習得できるスキル】
- ビジネスマナースキル
PDCAサイクルを学べる「マシュマロチャレンジ」
PDCAサイクルを楽しみながら学べるのが、マシュマロチャレンジゲームです。PDCAサイクルとは、Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)を繰り返し行って、業務を改善していくことです。
マシュマロチャレンジでは、さまざまな道具を使いながら、チーム一丸となっていかに高いタワーを作るかが鍵となります。制作する際は、どんな道具を使うのか「計画」し、それを「実行」、このまま積み上げていくことが可能か「評価」し、もし問題があれば「改善」を行います。
マシュマロチャレンジの世界記録は99㎝!こちらの記録を抜くべく切磋琢磨する新人の姿を見られること間違いありません。
【遊び方】
4人1組でチームを組みプレイします。
マシュマロ、乾燥パスタ、ひも、マスキングテープ、はさみのみを使い、自立可能な出来るだけ高いタワーを建てたチームの勝利です。ただし、マシュマロは必ずタワーの上に置く、テープで足場を固定してはいけない、マシュマロを切ってはいけないなど、いくつかの制約の下、タワーを組み立てないといけません。
プレイ時間は相談タイムを含めて18分、計測の最中にタワーが倒れたら記録はゼロとなります。
【用意するもの】
- 乾燥パスタ20本
- 90㎝のひも
- 90㎝のマスキングテープ
- マシュマロ1つ
- はさみ
- メジャー
【習得できるスキル】
- 試行錯誤能力
- 計画力
- 発想力
理解を深めあえる「十人十色ゲーム」
他者の視点に立ち、視野を広げるのに役立つゲームが、十人十色ゲームです。
【遊び方】
複数人のチームを組み、1人が回答者、残りのチームメンバーが回答者の好みの食べものを予想する予想者となります。「目玉焼きには何をかけて食べるか? 1醤油 2ソース 3ケチャップ」というような簡単なクイズを出題し、回答者の答えと予想者の答えが一致したら点数を獲得。複数問出題し、最も獲得点数が高かったチーム(個人)の勝利です。
【用意するもの】
出題カード
【習得できるスキル】
- 他者を意識し分析するスキル
- 観察力、想像力
チーム対抗で経営を疑似体験する「The 商社」
The 商社は、商社の経営シミュレーションを題材としたカードゲームです。オンライン版もあり、大手企業の研修でも多数採用されています。
【遊び方】
3~6人程度のチーム単位で、他のチームと交渉を行いながら事業を成長させていき、最終的な利益の多さを競います。
ゲームには「ビジネス(事業)」「リソース(経営資源)」を示すカードと、ゲーム内通貨として「キャッシュ(資金)」といったアイテムを用います。
最初に配られた以外のアイテムを手に入れるには、他のチームと交渉しなければなりません。また新たな事業を創造することも鍵となります。このためには、チーム内で話し合って最適なビジョンやビジネスモデルを構築する必要があります。
1回のPDCAサイクルを1ターンとして全4ターンで構成されており、会社の成長段階に応じて参加者に求められるスキルが変化するのもポイントです。
【用意するもの】
- 「The 商社」のカード一式
- オンラインの場合は「THE 商社 Online」
【習得できるスキル】
- 「Win-Winの関係」を意識した提案・交渉力
- 効率的にビジョンへ到達するための戦略的思考力
- チームビルディング
- 発想力
報連相の能力が養われる「kゲーム(部課長ゲーム)」
kゲームは、社内コミュニケーションをモチーフにしたカードゲームです。「部課長ゲーム」と呼ばれることもあります。
【遊び方】
5人で1チームとなり、「2つの課を持つ部署」を模擬的に構成します。メンバーには部長、課長、社員のいずれかの役割が与えられます。
また1人あたりランダムに4枚のカードを配布します。
クリアの条件は、それぞれのメンバーが他のメンバーへ交換を働きかけ、同じカードを4枚集めることです。しかし集めるためのやりとりには以下のようなルールがあります。
- クリア条件を記した指示書は、部長のみに配布される
- 部長のみがクリア条件を知っていることを、部長を含む全員が知らない
- 役割によりやりとりできる相手が限られる
- やりとりはメモを使った筆談のみ、口頭は不可
- カード交換は同じ枚数ずつのみ可能
これらを守りながらクリアを目指す過程で、ビジネスの基本である報連相の能力が問われます。また部長役はビジョンを共有することの大切さに気づかされ、適切な伝え方を模索するでしょう。
【用意するもの】
- 「kゲーム(部課長ゲーム)」のカード一式
- メモ用紙とペン
【習得できるスキル】
- 的確に情報を伝える報連相の能力
- チームマネジメント
- リーダーシップ
新人研修では、これらのゲームを適度に取り入れることで、社員同士の親睦も図れ、将来チームで業務に取り組むためのスキルも身に付けられます。オンラインでのパッケージを販売している会社もありますので、そういったものをうまく活用してもよいでしょう。
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