高齢者が増え続ける中、介護職で長く働き続ける人は多いとは言えません。介護現場は身体的負担が大きく、離職率も高いのが現状です。
必要なのは「介護」の捉え方を変えてみること。今回は「面白い」という切り口で介護現場を変化させる研修を5つのテーマに分類して紹介します。
介護施設で研修を実施する、視点別3つのメリット
介護施設で研修を行うメリットは何でしょうか。①施設、②スタッフ、③利用者・入居者の視点から解説します。
〈施設〉人材確保・離職率低下のため
超高齢社会を背景に、介護職の需要が増している中、働き続ける人は多くはありません。人材確保と離職防止が施設存続の鍵をにぎる中、研修によって職員が働きやすくなれば、離職率増加を防ぐメリットにつながります。
まずは、現在の体制、職員の働き方を把握・精査しましょう。その後、施設の課題解決に役立つ研修カリキュラムを導入することによって、職員の負担軽減や業務フローの改善が実現します。
離職率低下のみならず介護職への応募を検討している人へのアピール材料ともなり、人材確保にもつながるでしょう。
〈スタッフ〉学びを通じてモチベーションを刺激するため
研修での学びを通じて、職員はモチベーション向上につなげることできます。
たとえば普段あまり知り合えない人と会話ができたり、著名人を招いたりすると、知識を学ぶ以外にも多くの刺激を受け、印象深い研修として記憶に残ります。
研修で得た新たなエネルギーは業務効率や生産性にも良い影響を与え、職場全体の活性化へとつながります。
〈利用者・入居者〉質の高いサービスを受けるため
研修で得た最新の知識を現場に活かすと、施設利用者・入居者に質の高いサービスを提供できます。
たとえば、厚生労働省が公表するケアマネジメントのガイドラインも、時代に応じて更新されます。研修などをきっかけに更新機会がないまま従来の方法を続けていると、適切でないケアをしてしまうことになりかねません。
時代に適したサービスを常に認識していれば、利用者・入居者の利用満足度から、施設の評判も高まるでしょう。
SBの介護職員研修プランには面白いテーマが盛りだくさん
弊社では、それらのメリットを提供できる個性豊かな講師が、さまざまなテーマで研修を行います。「笑いのプロ」「介護専門職」「異業種講師」「再生の体験者」「メディア講師」の5つのテーマに分けて紹介します。
テーマ① 元お笑い芸人・落語家…介護に精通した”笑いのプロ”が講師
まずは護と笑いに焦点を当てた研修プランを7つ紹介しましょう。
笑う門にはいい介護 ~介護現場”怒り”のコントロール~ その怒りいただきます!
実際の介護現場では職員の中に、同僚、上司、そして利用者へコントロールが困難な怒りの感情が湧き出すこともあります。本研修では、元芸人講師が、笑いを交えながら、怒りをコントロールする技術をお教えします。アンガーマネジメントの手法を取り入れて、介護現場を変化させましょう。
看護現場を笑顔に!新しい対人スキル!『ツッコミュニケーション®』
元漫才師、笑いのプロである放送作家の講師による、ツッコミを使ったコミュニケーションスキルアップの研修です。多くの病院が取り入れる「ツッコミュニケーション」を学んでみませんか?
笑って長生きお互いが「笑顔」で繋がる介護
介護が必要な人も介護を提供する人も、お互いが「笑顔」で繋がる介護とは? 漫談家で介護福祉士のメイミさんが「笑顔」をキーワードに、その効果や働きを教えてくれます。
自称“お笑い福祉士”落語家が語る「私の介護体験、これからの介護」
落語家・お笑い福祉指導者の肩書を持つ笑福亭学光さんは、実父介護の過酷な経験から、少しでも笑いで前向きな介護を提案できないかと全国を回っています。現場に元気を分けてくれるでしょう。
レギュラーの知っておきたい介護の話!
誰もが知る漫才師・レギュラーの2人は、介護職員初任者研修2級を保有。認知症予防や自立支援への手助けについて、笑いを交えてわかりやすく伝えます。手足の運動をともなう「あるある探検隊」も伝授。
こけ枝のほのぼの福祉噺「真(心・深・芯)のバリアフリー」
落語家の桂こけ枝さんは、自らの障がい、いじめなどの経験から、人権の尊さや福祉の大切さを説いてきました。真心・思いやり・優しさを持ちながら介護に関わる難しさや重要性を伝えます。
両親を自宅で介護して~ときにはずぼらも大切なこと~
自分のペースで介護をするのは悪いことではありません。タレントの春やすこさんは、実父の介護経験から、ストレスで追い詰められないよう、肩の力を抜いて介護する大切さを伝えます。
テーマ② 元介護士、福祉士…本音を知り尽くした”介護専門職”先輩からのエール
プロの話は何者にも勝ります。介護の専門的知識をもつ講師が、介護のコツや工夫を伝える研修プランを3つ紹介します。
「これでよかった」と納得できる看取りの際のコミュニケーション術
現役看護師で看取りコミュニケーション講師の肩書きを持つ講師から、看取る人と看取られる人とのコミュニケーション方法や、現役ならではの体験から得られた介護ノウハウを学べます。
介護から日本を変える
介護福祉士で、施設アドバイザー、各団体顧問、理事としても活躍する講師。介護業界を代表する人物として、多数のメディアで高評価を得ています。そんな講師が「介護の面白さ」を伝えます。
介護は遊び心とコツと制度の利用
介護福祉士・社会福祉士・ケアマネジャーの資格を保有する講師。介護する人への寄り添い方、使える介護保険制度や介護のコツ、時には遊び心を交えて楽しく介護する方法などを学べます。
介護を快互へかえてみませんか 介護にかかわる人すべてが笑顔あふれる時間を持つための心得
介護を「快互」と捉え、お互い様の気持ちで介護の時間を大切に過ごす。実母の介護や実父の看取りを経験された小山さんの講演を聞いた後には、介護への考え方が変わること間違いなしです。
テーマ③ 日々のコミュニケーションに”異業種講師”の知恵を活かす
感情を相手にうまく伝える知識や技術をもつ異業種講師に、人との上手な接し方を学ぶ研修プランを3つ紹介します。
ディズニー流スマイルトレーニング笑顔の接客、接遇コミュニケーション
長年、ディズニーランドでインストラクターとして実践指導を行っていた講師。自分の笑顔で周りの人も笑顔にできる技術を伝えます。各地で大人気の講師による接客、接遇コミュニケーションとは?
怒りのコントロールで対人能力UP!接客向上につながるアンガーマネジメント
アンガーマネジメントトレーナーの講師から、感情のコントロール法や、相手を怒らせずに自分の気持ちを上手に伝える方法を学びます。怒りの正体を知り、上手に接する技術を習得できます。
介護職のためのアンガーマネジメント
“3K”環境で働く介護士の方々は、特にイライラをためやすい環境にあります。「イライラの消しゴムトレーナー」から学ぶアンガーマネジメントで、怒りに冷静に対処できるようになります。
テーマ④ 唯一無二の再生体験談から介護の意義を再発見
壮絶な経験から得た気づきを学ぶプランを3つ紹介します。怪我、病気などの体験談から、一人でネガティブなイメージを抱え込みがちな介護を、ポジティブにとらえることができるかもしれません。
あきらめない心~前向きに生きることで必ず道は開ける~
看護学生の時、事故により右腕を切断。それでも諦めずに看護師復帰、パラリンピック出場、結婚、出産という数々の夢を叶えてきた講師。どん底からの再起エピソードを、義手によるバイオリン演奏とともに披露します
未来をくれためぐり逢い~あなたに会えて本当によかった~
パワーオカリナの奏者の講師は、病により生死をさまよう経験をしました。めぐり逢った看護師とのエピソードと共に、看護職の人々への感謝の気持ちを伝えます。
介護する人 される人 心の橋渡し ~私は病気の〇〇さんではありません~
介護は大変ですが、辛い思いを一人で抱え込まないで、誰かに気持ちを話してみる。いのちの講演家である講師は、介護される本人や、介護する家族の橋渡しとして「抱え込まない」介護をサポートします。
テーマ⑤ メディアなどでも活躍する講師が現場で伝えたいこと
認知症である母を撮り続けたドキュメンタリーの映画監督や福祉ジャーナリスト、女優など、メディアでも活躍する講師たちが、介護現場の実情についてわかりやすく解説します。
『ぼけますから、よろしくお願いします。』
自らが目の当たりにした両親の老々介護を、映画監督としてカメラで追い続けたドキュメンタリー映画が、2023年3月に公開され話題となった講師。老々介護の現実や認知症との上手なつきあい方を赤裸々に伝えます。
女優、そして一念発起の介護士 介護の現場で体験したこと
女優から介護にキャリアの幅を広げる講師は、介護福祉士・ケアマネジャー・准看護師の資格を取得しました。そんな講師の介護現場でのリアル体験を知ることができる研修プランです。
介護の一歩は思いやり 老いをイキイキ! ~介護する側も、される側も~
17年間介護番組で司会を務めた元アナウンサーの講師が、50組以上の家族と出会って心得た介護の極意や、老後の生き方を紹介します。人生に起こる出来事に楽しんで取り組む術を学びましょう。
その場限りにならない研修にするためのポイント
研修の効果を持続させるには、目的、内容、講師の選び方が重要です。この3つのポイントについて、次でそれぞれ詳しく解説します。
ポイント①事前に施設の課題を洗い出し、目的を設定する
研修実施を検討する前に、施設の実態把握と課題の洗い出しが必要です。課題を分類し、その課題は研修で解決できるのか、研修後にはどういう職場に変わっていたいかという目的を、まずは設定してください。
たとえば施設内の業務サイクルが非効率である、チームコミュニケーションが不足しているなどと感じたことはありませんか? 前者であれば業務改善研修が、後者であればコミュニケーション研修が役立ちます。
研修目的をしっかり定めて、その達成に向けて進めていけば、その場限りにならずに継続した効果が見込めるでしょう。
ポイント②職員の階層や経験に見合う内容にする
研修には、全職員が共通して受講すべきテーマと、階層や経験によって一部の職員だけに必要なテーマとがあります。
たとえば新人研修では施設の経営理念や介護の基礎知識、中堅職員では現場業務で生かせる知識や実践的なスキル、管理職なら経営管理やマネジメントスキルなどがテーマの一例です。
中堅向け研修に「ついでに」と新人を参加させたり、新人向け研修に中堅を参加させるのは意味がありません。受講者の階層や経験に合わせることで高い学習効果が見込めます。
ポイント③目的にかなうテーマで職員から関心の高い講師を選ぶ
講師の選択は、目的にかなうテーマであり、かつ職員の意見や希望を取り入れながら行いましょう。
一般的に、外部講師に依頼すると効率よく知識が習得できます。
講師の体験談やリアルな事例を聞けるカリキュラムは、話の内容に受講者がみずからの立場を重ねやすく、満足度が高くなる傾向があります。有名人の講師にも興味が集まりやすく、直接会える経験が刺激となり、モチベーション向上につながるメリットがあります。
介護施設の研修にこそ面白いテーマを取り入れよう
介護施設の職員は、日頃の身体的・精神的負担が大きいのが事実です。研修の機会を利用して職員を惹きつけ、現場でポジティブになれそうな面白いテーマをぜひ取り入れましょう。
弊社では、介護に携わる多種多彩な講師をご紹介しています。介護研修に興味を持たれた方はお気軽にお問い合わせください。
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