保育士の重要な仕事として、3歳未満の乳児の保育があります。可愛い赤ちゃんのお世話に憧れて保育士を志す人もいますが、言葉によって意思表示ができない乳児を適切に保育するには、専門的な知識が必要です。

今回は0~2歳の乳児保育の保育士向け研修について、内容や実施方法などを解説していきます。また記事後半では当社おすすめの研修プランも紹介しているので、ご興味を持たれた方はぜひ当社にお問い合わせください!

三つ子の魂百まで。0.1.2歳の乳児保育の必要性

0~2歳というのは、人格や情緒を形成するうえで非常に重要な時期です。子ども達はこの時期に周囲の大人が自分のことを気にかけてくれているという安心感を得ることで、健全な心を育んでいきます。またこの時期に、食事やトイレ・睡眠などの保育士による適切な声掛けは、乳幼児の情緒を育むだけでなく、発語を促進します。
つまり、乳児保育とは、その後に続く幼児期や学童期の成長の土台になるのです

これらは本来は家庭内での保護者の役割ですが、共働き家庭が増えたことにより乳児保育のニーズは高まっています。そして現在では集団生活の中で人との関わりが学べる、0歳から小学校入学までの時期に計画的な教育が受けられるといった、保育所保育特有のメリットも注目されるようになりました。

現在は核家族化が進んだことで、子育ての助言が得られず悩む保護者もいます。乳児保育に関する専門的な知識を有する保育士は、保護者にとって頼れる身近なアドバイザーにもなるでしょう。

「乳児保育」は保育士からも人気の高いテーマ

乳児保育は、現役保育士の中でも「学び直したい」という声が多いテーマです。
実際、弊社の保育士向け研修で問合せの高いテーマのベスト5位に「乳幼児ケア、事故防止」がランクインしています。

特に乳児期は人生の中で心と体が最も成長する時期であり、乳児の心理や発達について専門的な内容を学びたいと考える保育士は少なくありません。

乳児保育研修の目的

乳児保育研修の目的は、受講する保育士のキャリアによって異なります。

新人保育士の場合は、まずは適切に乳児保育が行えるように、それぞれの乳児の発達状況に応じた接し方を学ぶことです。乳児保育では離乳食を与えたりトイレトレーニングを行ったりといった基本的な生活習慣を身に付けさせなくてはならないため、それぞれの保育段階で必要なサポート方法を習得します。また日常的に乳児と接する保育士には、事故防止の知識も必須です。

一方、中堅以上の保育士は、主に後輩に適切な保育を指導、アドバイスするために乳児保育研修を受講します。研修で正しい知識を身に付けておけば、自信を持って指導することができるでしょう。また中堅以上の保育士は、主任保育士の立場として乳児保育の保育計画などを作成する機会もあるため、そうした業務で必要な知識を習得します。

乳児保育研修の内容&弊社人気の研修プラン

次に、乳児保育研修の中で学ぶ具体的な内容について解説していきます。またテーマごとに弊社おすすめの研修プランもご紹介します。

①乳児保育の意義

まずは子どもの成長過程における乳児保育の役割や、その重要性について学びます。今なぜ乳児保育が求められているのかということを、子どもや家庭を取り巻く現状や課題から、講師と一緒に考えていきます。

②適切な接し方

保育士の接し方は、子どもの発達や情緒の安定に重要な役割を果たします。研修では睡眠や食事、排泄といった生活習慣においてどのように手助けをするべきか、また日常の正しい声かけや見守りについて学びます。

人気の研修プラン


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天野ひかり

NPO法人親子コミュニケーションラボ 代表理事

親子向け「0歳からのことばレッスン講座」

NHKの人気子育て番組「すくすく子育て」の元キャスターによる、子どものコミュニケーション能力を育むための研修プラン。言葉遊びを通じて、心をつなぐことばかけの秘訣を探ります。


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井桁容子

乳幼児教育実践研究家
保育SoWラボ代表

0・1・2歳児のココロを読みとく保育のまなざし

乳児を見守る新しい視点が得られる、保育士向け研修プラン。乳幼児教育の実践研究を行う講師が、乳幼児の行動や感情の背後にある意味を読み解く方法を解説。子ども一人ひとりの個性を大切にし、安心して成長できる環境作りが学べます。


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千原圭子

アンガーマネジメントトレーナー
叱り方トレーナー

アンガーマネジメント
~教育現場における感情コントロールの重要性について~

保育の現場で感情を上手にコントロールする力を身につけましょう。アンガーマネジメントトレーナーである講師が、怒りを適切に表現し、子どもと円滑なコミュニケーションをとる方法を伝授します。明日から使えるアンガーマネジメントの技術が身に付きます。


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望月美由紀

スマイルナビゲーター
うつ病家族支援アドバイザー

20年間子どもと接してきた道化師がお伝えする
子どもらしくのびのび育てるための
0歳~ 簡単!笑顔引き出し術

20年の道化師経験を持つ専門家が、乳児とのコミュニケーションを豊かにする技術を伝授。子どもの笑顔を増やすための試みで、いつの間にか保育者のイライラも解消。子どもの心に寄り添い、幸せな時間を増やすための研修プランです。


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岩田 大

こどもと学び 大研究所:代表
保育者養成校非常勤講師(3校を兼務

丁寧な保育と保育者の心持ち
~子どもの気持ちを大切にした保育~

保育の心を学ぶ研修プラン。保育者養成校の講師が、子どもの気持ちを大切にする保育の方法を伝授します。実例を通じて保育者の心持ちの重要性を理解し、子どもとの丁寧な関わり方を学ぶことができます。

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③乳児の発達に応じた保育内容・計画

乳児保育では、発達の段階に応じた遊びなどが必要です。厚生労働省が「保育所保育指針」において各段階ごとに必要な保育内容を定めているため、それに基づいた保育計画が立てられるよう、研修で学んでいきます。

人気の研修プラン


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藤原幸乃

NPO法人日本家族問題相談連盟認定 カウンセラー

0歳~2歳の月齢別でこんなに違う成長の仕方(育児)

0歳から2歳までの子どもは、月齢によって言動に大きな違いが見られます。子どもの成長に対する不安を解消し、それぞれの成長を理解するための研修プラン。そのうえでカウンセラーとして活躍する講師が、子どもたちとのコミュニケーションを深める方法をお教えします。


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川名美雄

所長
理事長 施設長

乳児保育研修

乳児保育の専門性を高められる研修プラン。0歳から3歳児の保育に必要な知識と技術が身に付き、保育の実践力が向上します。発達に応じた適切な関わり方、乳児保育の指導計画も学べます。

④保育事故防止のための危機管理

子どもの安全を確保することは、保育士にとって最重要テーマの一つです。特に乳児は誤飲などの危険性が高いため、保育士が研修で多くの事例と対策を知っておかなくてはなりません。乳児が安全に遊べる室内環境づくりなど、保育事故防止の危機管理の知識を習得します。

人気の研修プラン


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倉石哲也

武庫川女子大学 心理・社会福祉学部社会福祉学科 教授 学科長

保育施設における虐待・不適切保育を防止するために
~子どもの権利を尊重する保育~

虐待や不適切保育を防止するためには、それらが起きる背景を知ることが大切です。心理・社会福祉学部教授が、安全な環境で子どもたちの安全と発達を支える方法を解説します。保育者の倫理観を高め、質の高い保育を目指します。


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遠藤 登

株式会社保育安全のかたち 代表取締役

保育園等における安全管理研修
「ヒヤリ・ハットの活用」

ヒヤリ・ハットを安全管理に生かしたいと考えていても、うまく仕組み化ができないと悩む園は少なくありません。子どもの怪我や事故の原因を振り返り、事故を防止するためのポイントを解説します。


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小﨑恭弘

大阪教育大学教育学部 教授
附属天王寺小学校 校長

子どもの人権を大切にする保育とは
~不適切な関わりを許さない~

子どもの人権を守るためには、保育者の人権意識を高める必要があります。教育学部教授が、子どもたちの安全と尊厳を確保する保育法について解説。保育士の職業倫理を見直し、不適切な関わりを許さない職場風土を築くヒントを授けます。

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⑤保護者との接し方

乳児保育においても保護者対応は重要な要素です。3歳未満の子どもを預けるということで大きな不安を抱えている保護者も多いでしょう。研修では保護者との信頼関係をつくるコミュニケーションや、クレームへの適切な対策を学べます。

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園内研修の実施方法

園内研修には「講義型」「討論型」「公開保育」の3つのスタイルがあります。研修を企画する際は、自園の課題に合ったスタイルを選ぶことが大切です。

講義型では、研修テーマに沿った講師の解説を聞き、座学中心で知識を習得します。外部から講師を招くことで、より高度で専門的な知識を得ることができます。あるいは主任保育士などが他の保育士に知っておいてほしい知識を資料にまとめて、講義スタイルで説明するケースもあります。

討論型は、保育士同士で日頃の保育で悩んでいることなどをディスカッション形式で話し合うスタイルです。他の保育士の意見を聞くことで悩みが解消できたり、チームワークが向上したりする効果があります。

公開保育は、日頃の保育の様子を外部の見学者に見てもらう方法です。子どもたちへの接し方を客観的にチェックしてもらいフィードバックを受けることで、保育士は自身の保育を見直す機会になります。

講義型・討論型・公開保育はそれぞれ形式は異なりますが、いずれも園内の保育士の知識やスキルレベルを均一化する効果があります。

講師は園内?園外(外部)どっちがよい?

研修講師は園内の保育士に任せるか、外部の専門家を招くかの2つの選択肢があります。

園内の保育士に任せる場合、研修コストを抑えることができ、スケジュールの調整もしやすくなります。また実際に園で働く保育士が講義をすることで、より現場目線で有益な話ができるというメリットもあるでしょう。

一方で講師を勤める保育士の負担は大きく、講師によって教えられる知識レベルに差が出るといったデメリットもあります。

外部の講師を招く場合、研修コストやスケジュール調整の手間はかかりますが、一定以上の知識・スキルレベルが担保された研修を実施できます。自園にはない専門的な知識やスキルを外部から取り入れ、保育のレベルを向上させることが可能です。

また外部の講師に依頼する場合は、資料なども講師側が作成するケースが多く、研修担当者の手間を大幅に減らすことができます。

園内の保育士と外部の講師、それぞれに依頼する場合のメリットとデメリットがあるため、予算や現場の負担、解決すべき自園の課題と照らし合わせて選択しましょう。

弊社には乳児保育のスペシャリストが勢ぞろい

弊社には乳児保育の専門家も多数在籍しています。貴園の課題に最適な保育士研修のテーマや内容をご提案することも可能ですので、園内研修をお考えの担当者様はぜひ一度弊社にご相談ください!


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