実業家の堀江貴文氏がプレゼン力において「圧倒的ナンバー1」と評価した人物をご存知でしょうか?
彼の名は李 禮元(リ レウォン)さん。なんと評価された当時は小学6年生。NewsPicks主催のプレゼンリアリティーショー『メイクマネーU-24』に出場したレウォンさんは、その類稀なプレゼン力と発想力で大きな驚きを与えました。
レウォンさんの才能はプレゼン力のみに留まらず、2022年2月に小学6年生で起業。中学2年生となった現在も、“ラーニングイノベーター”として様々な教育事業を手がけています。
数々の実業家たちから高い評価を受ける中学生実業家 レウォンさんの魅力に、前後編にわたって迫ります。
前編である今回は、レウォンさんが起業するまでのお話です。わずか小学4年生でクラウドファンディングを達成し、数々のプレゼン大会で実業家たちを驚かせたレウォンさんの挑戦をご覧ください。
小学4年生でクラウドファンディング成功。志を原動力に困難に挑む
――レウォンさんの最初の事業である『元素カルタ』を作ったきっかけを教えてください。
レウォン 最初のきっかけは、「世界のすべては元素でできている」という言葉に出会ったことでした。最初は「そんなわけない」と思ったんですが、調べてみたら本当に全てが元素でできていることが分かって、元素が大好きになりました。そこでもっと元素を楽しもうと作ったのが、元素カルタの始まりです。最初は自分が楽しみたいという思いで作っただけでした。でも完成品を色々な人に使ってもらったら、「もし売っていたら買うよ」と言われるようになったんです。そこで小学4年生のときに商品化してみようと考えました。
――小学4年生で実際に商品化しようとはなかなか動けないと思いますが、なぜ行動に移せたのでしょうか?
レウォン 最初はぼくも「商品化なんてできるわけがない」と思っていました。でも、「商品化したら本屋さんに並んだりするのかな」「いろんな人がこのカルタを買ってくれるのかな」と想像がどんどん膨らんで、ワクワクドキドキが止まらなくなってしまったんです!
商品化にあたってまず悩んだのが、どんなカルタを作りたいかです。「有名な専門家やデザイナーに手伝ってもらえば、きっと“すごい元素カルタ”ができる」とも考えました。でもぼくがこだわりたいと思ったのは、“ぼくらしい元素カルタ”を作ることでした。そこで自分に合うデザイナーさんや印刷会社さんを探し始めました。
――小学生が商品化したいと企業に持ちかけるのは、大人よりもハードルが高そうですよね。
レウォン それはやっぱり感じました。電話しても多くの印刷会社に「子どもだから」と最初から跳ね除けられました。それに、元素カルタはカード数が300枚とかなり多いものです。話を聞いてもらえても「そんな枚数のカード制作は無理」と言われてしまって、これはやばいなぁと思いました。
「なんでこんなに大変な思いをしてまで商品化しようと頑張っているんだろう…」と諦めそうになったこともあります。でも「元素カルタを商品化すれば、もっと元素の楽しさを知ってもらえるようになる。そうすれば科学の道に進む人も増えて、科学の発展にも繋がるんじゃないか」と考えたんです。この志ができたことで「よし! やろう!」「自分の力でやりたい!」という気持ちがどんどん湧いてきて、やり切ることができました。
――販売にはクラウドファンディングを利用されたそうですね。
レウォン ネットショップなどの販売方法を調べているうちにクラウドファンディングのことを初めて知り、「これならできるかも」と思ってページを立ち上げました。でも、どんなにいい紹介ページを作ってどんなにいいリターンを用意したとしても、商品自体がいいものでなければ失敗すると思ったので、まずこだわったのはいい商品を作ることでした。
ぼくらしい魅力的な商品ができたところで、今度はその魅力を伝えるためのページ作りやリターンの準備に取り掛かりました。ぼくはクラウドファンディングに関するノウハウを何も知らなかったので、ページ作りで意識したのはとにかく「自分ならこのページを見て支援したいと思うか」ということでした。クラウドファンディング開始後も活動報告をこまめにアップしたりと、よりよいページになるように頑張りました。その結果、公開1日で目標金額の75万円を達成し、最終的には目標の510%である380万円以上の資金を集めることができました。
身近な疑問から社会問題を考える。大人こそ試したい漢自missionの魅力
――元素カルタを商品化した後に『スタートアップJrアワード』や『マイクマネー U-24』などのプレゼン大会に出場されましたが、なぜ出場しようと思われたのでしょうか?
レウォン クラウドファンディングで元素カルタを商品化できたものの、志の実現のためにはもっともっと多くの人に届けたいと考え、プレゼンをすることが多くなってきたんです。そこからプレゼン自体に興味を持つようになって、出場できるプレゼン大会を調べて出場してみました。
そこで披露したのが『漢字mission』です。「社会問題に対する革新的な解決法」という課題だったので、最初はSDGsをテーマにしたプレゼンを考えていました。でも、どこか自分ごとではないプレゼンになっている気がして、実際に自分が抱えている問題は何だろうと考え直してみました。そこで思い付いたのが『漢字mission』でした。
――『漢字mission』は漢字ドリルに変わる漢字学習法ということですが、どのような学習法なのか、その魅力を教えてください。
レウォン 『漢字mission』は、ぼくが漢字ドリルを嫌いなことから思い付いた方法です。「なんでぼくはこんなに漢字ドリルが嫌いなんだろう」と考えてみたとき、反復学習型であることが嫌なんだと気が付いたんです。そこで、ただ同じ文字を何度も書く反復学習ではなく、自分で調べて、考えて、作って、シェアして、学べちゃう学習ツールを作りたいと思って作りました。そこで生まれたのがアクティブ・ラーニング型の学習ツール『漢字mission』です。
漢字missionはたくさんの漢字を暗記していくものではなく、1つの漢字から派生して色々なことを学べるツールです。9つのマス目に分けた9分割ノートを使用するのですが、まず真ん中に調べたい漢字を記入します。周りのマスにはその漢字の「意味」「部首」「音読み」「音読みの熟語」「音読みの例文」「訓読み」「訓読みの言葉」「訓読みの例文」を辞書で調べながら記入していきます。
例えば「土」という漢字を学ぼうと辞書を引いたとき、ぼくは「土下座」という言葉に興味を持ち、由来を調べてみました。すると、土下座は首を切られてもいいと思うほど反省している様子を表す謝罪方法ということが分かったんです。土下座にそんな思いが詰まっていることを知って、「土下座は簡単にしてはいけないものだ」と感じました。そのように、たった1つの漢字から知識の幅がどんどん広がっていくのが、漢字missionの一番の魅力です。
――自分の興味が向いたことから学べるというのは、記憶も定着しやすそうですね。
レウォン 実は漢字missionには漢字学習の他に、自己分析や仲間との親密度を深めるという効果もあります。自分の好きな漢字を選んでやってもらうと、その人の人となりが見えてくるんです。ぼくはこれを、「漢”自”mission」と呼んでいます。さらに、作った漢自missionを仲間とシェアすることで、「こんなことに興味があったんだ」とか「この人らしいな」というように、仲間のことをもっと知ることができるコミュニケーションツールにもなります。この特徴から漢自missionは、様々な企業の社員研修に取り入れられています。漢自missionの魅力を動画にまとめてあるので、ぜひ見てください。
投資家が惚れた若き才能
中学生起業家の出会いと挑戦の物語
今回は、レウォンさんが運営する株式会社polarewonの社外取締役である藤野英人さん(レオス・キャピタルワークス株式会社 会長兼社長)を迎え、レウォンさんが小学6年生で起業したきっかけと現在取り組んでいる事業への想いを伺いました。…
レウォン (李 禮元) れうぉん
中学生起業家 ラーニングイノベーター 株式会社polarewon CEO
小4で『元素カルタ』考案開発商品化。翌年『漢字mission』で「スタートアップ Jr.アワード 2020」大賞など 受賞多数。“自身の問題解決が社会問題解決につながる”を理念に小学生で起業。NHKドキュメント20min「12 歳、社長になる」他、メディアで注目される。学び関連イベントや登壇、企業研修も大好評。
プランタイトル
挑戦する未来への一歩
~12歳起業家レウォンの物語
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