弊社では講演会だけではなく、時にはコンサートや懇親会、演芸会のお手伝いをさせていただくこともあります。
今回は、演芸で新春懇親会を盛り上げたいとのご依頼があり、太神楽(だいかぐら)曲芸師、豊来家一輝さんをご紹介させていただきました。
新春を艶やかに飾った豊来家一輝さんの妙技をレポートします。
官公庁・学校・PTAチーム
講師 : 豊来家一輝 氏
開催時期 : 2024年1月末
主催者 : K組合
講演時間 : 40分
聴講者人数: 約200名
講演タイプ: リアル開催
新春の場にふさわしい芸
太神楽の発祥は400年前ともいわれ、神社の式楽や舞楽から生じた神事芸能として始まりました。江戸時代になると、厄払いの獅子舞いに余興として曲芸を披露するようになり、それが寄席芸能として発展していきました。
明治から現代まで技芸として受け継がれ、お正月や結婚式などの晴れの舞台で披露される「おめでたい」伝統芸能です。
今回は新春懇親会の場で盛り上げてほしいというご依頼でしたので、この太神楽がふさわしいと思い、水戸大神楽の一門である豊来家一輝さんを推薦させていただきました。
豊来家一輝さんは、太神楽の第一人者であるラッキー幸治に師事し、1998年に曲芸師としての活動を開始しました。何でも傘の上で回す傘回しや口に加えたバチの上で土瓶を操る土瓶芸と、バランス感覚を必要とする曲芸を得意としています。
曲芸といえば、昭和から平成にかけて人気を博した「おめでとうございます」でおなじみ、海老一染之助・染太郎さんを思い出す方も多いかと存じますが、この方たちも太神楽の曲芸師です。
海老一染之助・染太郎さんによって、太神楽=お正月というイメージが定着しましたが、まさに新春懇親会にふさわしい演芸となりました。
リハーサルの様子
今回、私は講師のアテンドとして、開演1時間前についていましたが、豊来家さんも同時刻に到着されました。
会場は、円卓が数十台用意され、ステージには金屏風と演台が設けられていました。
豊来家さんは主催者様に挨拶された後、持参した道具を搬入されました。曲芸で使う小道具が多いので、キャスターのついた棚をそのまま演壇に設置。BGMやマイクの音量や照明のチェックを念入りにされていました。
今回、観覧者を交えての演目があったので、会場側の照明も明るくするように指示されていました。豊来家さんは手慣れた手つきでリハーサルを終え、控室に戻られました。てきぱきとこなしていたので、別段こちらがお手伝いすることもなく、「さすがプロ!」と感服しました。
バランス感覚が絶妙な曲芸に会場からは感嘆の声も
もともと太神楽は「舞」「曲芸」「話芸」「鳴り物」の4つの演目から成り立っています。今回は、懇親会の出し物ということでしたので、曲芸中心に構成されていました。
豊来家さんは司会者に促されてステージに登場。まずは十八番の傘回し「傘の曲」を披露しました。傘の上で毬や升をくるくると巧みに回し、会場から拍手がわいていました。傘の上で回すものには、毬なら「何事も丸く収まるように」、升なら「ますます繁盛するように」というように意味がこめられており、芸の意味を解説しながら妙芸を披露していました。
傘回し以外にも、ものをジャグリングのように空中で投げて取る「投げ物」や口にバチを加え、その上で土瓶を操る「土瓶の曲」など、妙芸を披露。会場からは時折「わぁ」というような感嘆する声も上がっていました。
観覧者の飛び入り参加で会場も大いに盛り上がり
後半は、主催者様の希望もあり、観覧者参加型の演目となりました。
最初の演目は、「テーブルをつなぐ皿回しリレー」です。豊来家さんは観覧者が座っている円卓から1名ずつを選び、その代表者が皿を回しながら、次のテーブルの代表者が持つ棒に渡し、また皿を回しながら、リレー形式で次のテーブルにつないでいくというものです。
最初は、豊来家さんがプラスティックの皿を棒の上で回し、それをステージの近い円卓の代表者に渡しました。棒から棒へ回っている皿を受け取らなければなりません。受け取る側は皿を落とさないように回し続けなければならないので、集中力が必要です。途中で皿を落とした人もいましたが、それもまた一興。豊来家さんは「おめでとうございます!」「すばらしい!」「最高です!」などの声掛けをしながら、会場を盛り上げていました。
次は「傘回し体験」です。豊来家さんに当てられた観覧者が、紙風船での傘回しを体験しました。参加者は紙風船でさえも難しい様子で、何度か挑戦されました。豊来家さんが何気にやっている傘回しの難しさを改めて実感できたようです。豊来家さんが「もうちょっと!」「惜しい!」などと応援して盛りあげ、参加者は「難しい」と言いながらも楽しく体験しているようでした。
参加型の演目を加えることで、会場での一体感を味わえ、とても和やかな雰囲気で懇親会をスタートすることができました。
晴れの場にうってつけの演目
太神楽曲芸は、もともと正月などおめでたい場で披露される芸能です。妙芸だけでなく、演者の話芸も趣向に富んでおり、盛り上げ方も一流。
新春懇親会など、まさにうってつけの演目といえます。
ビジネスシーンでは、会議の前に、場を盛り上げるためアイスブレイクを行いますが、このような演芸もそれと同じようなものです。このような笑いあふれる演芸で場が盛り上がったら、その後の懇親会もさらに楽しいものになることでしょう。
今回の演目が終了した後、会場を見ましたが、皆さんからあふれんばかりの笑みがこぼれ、楽しく歓談されていました。
懇親会では、参加者が初対面である場合も多いので、このような場を盛り上げる演芸がワンクッションあることで参加者の緊張感をほぐし、場を和ませる効果もあります。
懇親会を計画されている方は、演芸をプログラムに加えてみてはいかがでしょうか。
豊来家一輝 ほうらいやかずき
太神楽曲芸師
音楽・芸術関係者
曲芸師ラッキー幸治に師事し400年以上の歴史を持つ伝統の太神楽(だいかぐら)を学ぶ。末広がりの傘の曲芸や至高のバランス技である土瓶の曲芸などを受け継ぎ、由緒ある水戸大神楽の屋号、豊来家の筆頭として寄席の舞台を中心に活動している。
プランタイトル
太神楽披露
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