オンライン講演やオンラインセミナーにおいての必需品には、PCのほかにマイクやカメラといったものがあります。PCにも搭載されていることがあるカメラやマイク。
そのまま使用してもいいのかと疑問に感じることもあるでしょう。
この記事では特にマイクに着目し、内蔵マイクでは不十分な理由やマイクの選び方、おすすめのマイクを解説いたします。
オンライン講演でPCや外付けカメラの内蔵マイクでは不十分な理由
PCにもともと搭載されているマイクや、外付けカメラの内蔵マイクを使用しても、オンライン講演を行うことはできます。
しかし、その音質にはあまり期待ができません。
マイクと講師との間に距離が生じてしまい、キーボードの打鍵音など周囲の雑音を拾ってしまったり、音が遠く聞こえてしまったりするからです。場合によっては、ボリュームの小ささに加えて雑音で講師の声がかき消されてしまうことも考えられます。これでは視聴者のストレスになってしまうかもしれません。
ウェビナー用マイクを使えば参加者にクリアな音声を届けることができる
参加者にきれいで聞き取りやすい音声を届けるためには外付けのマイクの使用がおすすめです。ウェビナー用マイクには、講師の声を集中的に拾ってくれる機能のついたマイクがあります。また、臨場感を演出できるステレオ収録機能も使用したい理由の一つです。
ステレオ収録を行えば、講師が画面右側へ移動すると右側からの音声が大きく聞こえます。左側に関しても同様です。このように立体的に音声が聞こえることで、参加者は講演の内容により耳を傾けることができるようになります。
ウェビナー用マイクの選び方
ウェビナー用マイクを選ぶときにはマイクの形状や操作方法、モノラル・ステレオといった音の再生方法がポイントになります。
その選び方について項目ごとに解説します。
①マイクの形状
マイクの形状はマイク単体型とヘッドセット型、クリップ型、スピーカー型の4種類があります。
マイク単体型は、周囲の音を拾いにくく、ハウリングのリスクを軽減でき、多人数で同時に使うことも可能なマイクです。スタンド型とも呼ばれ、ステージの壇上や卓上に設置して使います。安定感が高く、他のタイプよりも音質に優れているものが多いです。
ヘッドセット型は、イヤホンやヘッドホンと一体になっているタイプのマイクです。マイクと口元の距離が近いため、比較的クリアな音声を伝えることができ、ハウリングのリスクを抑えられるのが特徴です。
クリップ型はピンマイク型とも呼ばれ、胸元につけて使用するタイプのマイクです。動きながら話したり、ヘッドセット型と比べて見た目をスッキリさせたりできます。これもマイクと口元の距離が近いため、クリアな音質で声を届けられます。
スピーカー型は、スピーカーと単体のマイクが組み合わさったタイプのマイクです。複数人の音を一度に拾えるため、数人でディスカッションをする場合におすすめです。
➁指向性
マイクがどのくらいの範囲の音を拾うことができるのかを示すのが指向性で、単一指向性、鋭指向性、双指向性、無指向性の4種類があります。
単一指向性マイクは、向けられた方向の音を集中的に拾います。
鋭指向性マイクは、単一指向性マイクよりもさらに限られた音を録音する時に使用するものです
一人が話しているものを集音することに長けている単一指向性・鋭指向性のマイクに対し、双指向性や無指向性のマイクは複数の話者の話を拾うことができます。
双指向性マイクは、正面に加え背面からの音も集音します。
また無指向性マイクは、さまざまな方向からの音を集めてくれるため、大勢での会話に向いています。
講師のみの声を拾いたいのであれば単一指向性、ディスカッション形式の場合は双指向性や双指向性マイクがおすすめです。
③操作方法
マイクにさまざまな操作を行うためのボタンなどが付いているか、パソコンで操作を行うかという点も、マイクを選ぶ基準になります。ボリューム調整や消音といった操作をどのように行うのかを確認してください。マイク本体に操作ボタンが付いているものであれば、講師自身が簡単に調整することができます。
スピーカー型のマイクにも、スピーカー本体にミュートボタンが付いているものもあり、相手に聞かれたくない会話をする時にワンタッチで操作することが可能です。
④モノラルかステレオか
マイクにはモノラル収録を行うものとステレオ収録を行うものがあります。
モノラル録音は、1つの音を収録することをいい、再生時にも1つの音で再生されます。
イヤホンで聞いたときに片方からしか聞こえないことがありますが、それがモノラルで録音されたものです。
それに対し、2つの音を録音できるのがステレオ録音です。
2つの音を録音し再生することで立体感を出すことができます。
オンライン講演を行うときにはより臨場感の出るステレオタイプがおすすめです。
⑤接続方式
マイクをPCと接続する「接続方式」には、主にUSB・ステレオミニプラグ・Bluetoothの3種類があります
- USB…有線接続のため、遅延や接続の不安定が起こりにくい。音声入力として最も一般的な接続方式。
- ステレオミニプラグ…有線接続のため、遅延や接続の不安定が起こりにくい。ただし、PCの種類によっては変換が必要な場合もある。
- Bluetooth…無線接続のため動きやすい。反面、遅延や接続の不安定が起こることもある。
オンライン講演を行うにはUSB接続が最もおすすめです。ステレオミニプラグやBluetooth接続を使う場合は、音声入力に対応しているか、接続の不安定や遅延にどう対処するかなどをよく検討して選びましょう。
おすすめのマイク4選
オンライン講演を行う際におすすめのマイクを4つご紹介します。
さまざまなタイプのマイクを紹介するので、目的に合ったものを選んでください。
最大半径5mの集音が可能「サンワサプライ MM-MCUSB33」
多人数での会議などに利用可能なUSB接続のマイクです。エコーキャンセリング機能付きなので、スピーカー型のマイクを使うことで心配されるハウリングを抑えることができます。
また、マイク本体にミュートにできるボタンが付いているため、気になるときには手元で音声を切れます。
指向性の切り替えが可能なUSBマイク「サンワサプライ MM-MCU05BK」
大人数での会議などで使用する場合には全方向から集音、少人数の場合には一方向から集音可能でより雑音を拾いにくく設定できます。また、ミュートや音量調整はマイク本体で行えるため、必要な音声だけを相手に届けることができます。
マイク1本で解像度の高い出力が可能「オーディオテクニカ ATR2100x-USB」
マイクとPCをUSB接続するだけで、簡単に解像度の高い収音が可能になるハンドヘルド型のマイクです。単一指向型で人の声や帯域の収音に優れているため、講演にぴったり。手に持ってパフォーマンスすることも、デスクスタンドを使ってスタンド型として使うこともできます。
人間工学に基づいた快適な装着感が特徴「poly BLACKWIRE 5200」
人間工学に基づいた設計で、長時間の装着でも快適な使用感が特長のUSBヘッドセットです。ノイズキャンセル機能が搭載されており、講師自身が聞き取る音声はもちろん、周囲の雑音を拾いにくいマイクになっていて、クリアな音声で講演ができます。
もしものときの音声トラブル対処法
オンライン講演では映像とともに音声も大変重要です。
ハウリングや雑音が聞こえる、音が聞こえないなどといったトラブル発生時にどのように対処すればいいのかをご紹介します。
・ハウリングの対処法
ハウリングとは、スピーカーの音をマイクが拾い、その音がスピーカーから流れる。そしてまたその音をマイクが拾うといった悪循環が元になり発生するものです。必要のないマイクやスピーカーは切っておいてください。
・雑音の対処法
雑音の原因のひとつが、マイクの接続不良です。マイクが正しく接続されていないと雑音が生じることがあります。接続部分にほこりなどがついていないか、接続部分が壊れていないかを確認してください。
・音が聞こえないときの対処法
マイクの音が聞こえないときには、さまざまな設定を見直してください。PCの設定やウェビナーツールの設定、マイク本体の設定が無効になっていないかを確認します。無効のものがあった場合、すべてが有効になるようにしてください。
このように音声トラブルは適切なマイクを使用し、事前に確認を行うことで回避することが可能です。音声トラブルの発生を回避し、スムーズにストレスなくオンライン講演を開催しましょう。
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