Zoomの便利な機能であるブレイクアウトルーム。
参加者(聴講者)を少人数に分け、グループワークや話し合いができるシステムです。50名以上の大人数の講演会やセミナー、研修においてよく使用されている機能です。
そんなブレイクアウトルームについて徹底解説いたします。

Zoomのミーティングにあるブレイクアウトルームとは?

ブレイクアウトルームを利用すると、Zoom参加者を小グループごとの小さな部屋に誘導できます。ホスト(主催者)は、最大で50のブレイクアウトルームを作成することができます。
また、それぞれの参加者は、音声通話・ビデオ通話・画面共有機能を使用することができます。
講演会ではグループごとにセッションを行ったり、少人数でディスカッションしたりすることもあるでしょう。そのような場面で、この機能が役立ちます。
少人数で行うことで、参加者(聴講者)一人ひとりが参加意識を持ちやすく、一体感を育むことが可能になります。

ブレイクアウトルームの設定方法

ブレイクアウトルームは主催者であるホストのみが設定できる機能です。
ホストは、どの参加者をどの部屋に振り分けるかを決めることができます。
具体的な操作方法は以下の通りです。

  1. アプリまたはブラウザからZoomにサインインした後「設定」(アプリは歯車マーク)を選択する。
  2. ブラウザの場合はミーティングタブに移動する。
  3. 「ブレイクアウトルーム」をONにする。事前にブレイクアウトルームを割り当てたい場合は「スケジューリング時にホストが参加者をブレイクアウトルームに割り当てることを許可する」をチェックし、保存する。

上記を行った後で、参加者を振り分けます。
ブレイクアウトルームは事前または講演途中で割り当てることができます。次にそれぞれの方法を解説します。

ホスト(主催者)が参加者(聴講者)を事前に割り当てる方法

どの参加者をどのルームに移動させるかはホスト(主催者)によって設定可能です。
事前に振り分け操作を行っておくと、スムーズに進行できます
やり方は以下の通りです。
※画像はPCのブラウザ画面

  1. ブラウザまたはアプリからZoomにサインイン後、「ミーティングをスケジューリングする」を選択する。
  2.  日時などを入力した後、オプションの「ブレイクアウトルーム 事前割り当て」をONにし、「ルームを作成」を選択。
  3. ルーム作成ウインドウが表示されるので、そこから「+」マークをクリックして、ルームを作成し、割り当てたい参加者のメールアドレスを入力する。ルームの設定が終わったら、「保存」をクリック。
  4. 設定を保存するため「保存」をクリックする。

なお参加者が多い場合は、事前に情報を入力したCSVファイルをインポートすることも可能です。手順3にて入力を行う際に「CSVからのインポート」を選択すると読み込むことができます。

参加者管理に便利なオプション機能

ブレイクアウトルームには他にも、参加者のコントロールに関するオプション機能があります。

  • タイマー機能(ディスカッションの終了時間を指定できる)
  • メッセージ機能(部屋のなかの全員発言を行える)
  • ホストの入退室機能(主催者が各部屋に自由に出入りできる)
  • ヘルプ機能(トラブル発生時に主催者に対して助けを求められる)

適宜利用すれば、より快適にグループミーティングなどを行うことができます。

講演中にホスト(主催者)が参加者(聴講者)を割り当てる方法

講演開始後にホストが参加者を各部屋に割り振ることもできます。

手順は以下の通りです。

  1. 「ブレイクアウトセッション」ボタンをクリックして、割り当て方法を選択し、「作成」ボタンをクリックする。
    セッションの作成時、「自動」を選択するとZoomが自動で割り当てを行うため、手順3は省略される。
  2.  手動の場合は「割り当て」をクリックすると参加者が表示されるので、割り当てたい参加者をチェックする。
  3. 必要に応じて「オプション」を選択し、参加者の制限や時間の設定などを行う。
  4.  最後に「すべてのセッションを開始」を選択し、セッション開始する。

参加者がブレイクアウトルームに参加する方法

参加者(聴講者)がルームへ入室する方法をご紹介します。
また、役に立つ機能についても解説しますので、オンライン講演前に参加者に案内しておくと、当日スムーズに進行できます。

  1. ホストから以下のようなルームへの招待が届くので、「参加」を選択。
  2. 以下のような画面が表示され、ルームへの入室が可能になる。

参加者が利用できる機能

ホストが許可していれば、参加者は以下のような機能を使用できます。
※以下の画像はiPhoneのもの

1.退室する

参加者が退室する際は「ルームを退出する」という箇所を選択します。
「メインセッションに戻る」を選択すれば、再度メインルームに戻れます。

2.他の参加者に向けて反応、チャット、挙手

PCなら下の操作バーにあるチャットや反応をクリック。
iPhoneなら「詳細」を選択することで、「チャット」や「反応」の絵文字が現れます。そこをクリックすることで、ルームの全員または一部の人に対して、メッセージを送ることができます。また質問や発言がある場合は、挙手することで、他の参加者に発言したい旨を伝えることができます。

3.主催者に助けを求める

ルームを使用中に困ったことがあれば、主催者に助けてもらうことができます。
Zoomのメニューの「ヘルプを求める」を選択すれば、以下のようなメッセージが出ます。

「ホストを招待」を選択して、ホストを招待し、ヘルプを受けることができます。

参加者がルームを移動する方法

参加者が自由にルームを移動することができる機能について解説します。
この機能を利用するにはホストによる設定が必要です。
主催者がルームの作成を行う際にオプションの「参加者によるルーム選択を許可」をONにします。

参加者が移動する際の手順は以下の通りです。

  1. 「ブレイクアウトルーム」を選択する。
  2. 「ブレイクアウトルームを選択」を選択する。
  3. 移動したい部屋の右端に表示される「参加」を選択する。
  4. 「はい」を選べば移動できる。

簡単に移動することができ、より活発なコミュニケーションを促すことができます。

参加できない! 表示されないなどのトラブル対処法

参加者が参加できなかったり、表示されなかったりするトラブルが発生することもあります。参加者が困らないようにするためにトラブル別の対処法を解説します。

接続できない、音声の再生ができない

インターネットが不安定であったり、PCの不具合があるとミーティングルームに接続できないことがあります。オンライン講演がはじまるまでに、正しく接続できるか確認するための模擬接続を行う機会を設けるとよいでしょう。

その際、メールやチャット、電話など、Zoom以外の方法で参加者とやり取りできるようにしておくと、解決に向けたアドバイスを行うことが可能になります。

参加者がメインの部屋に残っている

割り当て方を間違っていたことが理由で、参加者がメインの部屋に戻ってきてしまうことがあります。参加者自身でブレイクアウトルームに入れない場合は、ホストが誘導する必要があります。

このようにZoomには、講演やセミナーを活性化させる機能があります。大人数の講演では、参加者の集中力が持続しづらいといった問題もあります。そういったときに、このようなブレイクアウトルームを使い、ワークやディスカッションを入れることで、参加者の関心を引くことができます。講演をより盛り上げたいときに知っておくと便利な機能です。

SBスタッフによるオンライン講演の事例レポート


【SBスタッフ事例レポート第25回】
安全大会に新しい潮流、ハイブリッド開催

さまざまなオンライン化が進む中、安全大会においてもオンライン開…

【SBスタッフ事例レポート第8回】
テレビ番組のようにオンライン講演も編集する時代へ

オンライン講演では、事前に講演を収録した後に配信する録画配信タ…

【SBスタッフ事例レポート第16回】
十分な感染対策を施してのリアル開催

3度目の緊急事態宣言が出され、講演を予定している主催者様は、オ…


 他の記事をみる

あわせて読みたい


【Microsoft Teams】グループワークにおすすめ!ブレークアウトルームの使い方と活用法、注意点

オンライン講演中にグループワークなどを行う際は、参加者をグルー…

オンライン講演もバリアフリーに➁ 視覚障がい者向けの配慮

オンライン講演ではさまざまな参加者(聴講者)が想定されます。 …

YouTube&Vimeoオンデマンドで限定公開する方法

オンライン講演を行うには、ライブ配信以外にも、あらかじめ講演を…


 他の記事をみる