弊社のオンライン講演で利用される配信ツールで、Zoomに次いで多いのがMicrosoft Teamsです。
Microsoft Teamsは、マイクロソフトが提供するMicrosoft 365のアプリケーションの一部で、よくweb会議などに利用されています。
最近では、Microsoft Teamsを使ってオンライン講演を行うケースも増えてきました。
今回はこのMicrosoft Teamsを使ったオンライン講演(ウェビナー)のやり方と使い方を解説します。

Teamsの「web会議」と「ウェビナー」「ライブイベント」の違い

Teamsには「Microsoft Teams」には「web会議」と「ウェビナー」「ライブイベント」の3つのツールがあります。
「web会議」はその名の通り、会議の使用を想定し、双方間のやりとりが強化されているツールです。
それに対し「ウェビナー」は、web会議のように双方向のやりとりができるのに加え、PowerPoint Liveが使えるなど一方向的な配信にも向いています。
「ライブイベント」は、大人数のオンラインイベントを想定し、テレビ放送のような一方的な配信に特化しています。

大きな違いとして、情報を発信できる人が誰なのか、最大参加可能人数、リアルタイム性といった点があげられます。

web会議 ウェビナー ライブイベント
音声による発言 参加者は誰でも 参加者は誰でも 開催者もしくは発表者
最大参加可能人数 1,000人 1,000人
※ブロードキャストモードでは10,000人
10,000人
リアルタイム性 ×

「web会議」「ウェビナー」では誰でも話すことができ、音声やビデオによる発言が可能です。一方、「ライブイベント」では、開催者もしくは発表者として指定された人のみが音声を発信できる仕様になっています。

また参加可能最大人数も「web会議」「ウェビナー」は1,000人までなのに対し、「ライブイベント」は1万人までと大きな差があります。

そして気をつけたい相違点としては、リアルタイム性が異なる点です。
「web会議」「ウェビナー」ではリアルタイムで相手伝わりますが、「ライブイベント」ではストリーミング配信なので数秒から10秒程度遅れて相手に伝わります

「ライブイベント」では、講師が質問を投げかけて即座に参加者に答えてもらうといった双方向的なやりとりができないため、あくまで講義型のような一方向型のセミナー向けといえます。

どちらのツールを使うべきか?

前述の通り、「web会議」「ウェビナー」は双方向型、「ライブイベント」は一方向型に向いています。例えば、オンライン研修やレクリエーション、少人数の講演では、質疑応答を始め、相手の顔を見ながら講演を進めたり、相手の挙動を見ながら手ほどきする場面も考えられます。そのような場合は、講師も参加者も互いにビデオ通話できる「web会議」「ウェビナー」の方が使い勝手がよいでしょう。

一方で、大人数が参加するセミナーや一方方向の講義型である場合は、「ライブイベント」が向いています。「ライブイベント」は数秒後に受信するというタイムラグが発生しますが、逆に10数秒戻って再生することもできます。聴講者は、見逃した部分を逆送りして再生できるメリットもあります。

弊社でも、大人数のオンライン講演・セミナーは、この「ライブイベント」を使用して行われることが多くあります。次の章では、「ウェビナー」「ライブイベント」でのスケジューリング方法について解説していきます。

Teamsウェビナーでウェビナーの開催を設定する

Teamsウェビナーを使ってウェビナーを開催するために、以下の有料のプランを選択する必要があります。

  • Microsoft 365 Business Standard/Premium
  • Office 365 E3/E5
  • Microsoft 365 E3/E5

ウェビナーの開催前にはTeamsで事前に設定を済ませておく必要があり、以下の手順で設定を行います。

  1. Teamsにログインし、管理センターを開く
  2. 「会議」から「会議ポリシー」の「グローバル(組織全体の規定値)」を開く
  3. 「会議の登録を許可する」をオン
  4. 「エンゲージメントレポートを許可する」を有効にし、「登録できるユーザー」を「全員」に

これらの設定は、変更から反映まで最大24時間かかります。ウェビナー開催の2日前までには設定を済ませておきましょう。

ウェビナーをスケジュールする

ウェビナー開催は、以下の手順でスケジュールします。

  1. Teamsのカレンダーを開き、画面右上の「新しい会議」から「ウェビナー」をクリック
  2. 「詳細」タブから、タイトル・発表者・時間・場所・詳細を入力
  3. 「登録を必須にする」から「組織内のユーザー」または「すべてのユーザー」を選ぶ。
    社内のユーザーのみを対象としたウェビナーの場合は「組織内のユーザー」を、それ以外のユーザーにも参加してもらう場合は「すべてのユーザー」を選ぶ。
  4. 「送信」をクリック
  5. 「登録リンクのコピー」をクリックし、参加者のメールに送る。

参加者の機能に制限をかける

Teamsウェビナーでは、あらかじめオプション設定で参加者の使える機能に制限をかけておくことができます。これにより、参加者が誤って画面共有してしまう、著作権などの関係で録画されたくないウェビナーを録画されてしまう、などのリスクを避けられます。オプション設定は、以下の手順で行いましょう。

  1. カレンダーからスケジュールされたウェビナーをクリック
  2. 設定画面から「会議のオプション」をクリック。参加者のカメラやマイク、チャットなどのの使用可否を適宜選択する。「ロビーをバイパスするユーザー」を「全員」にしておくと参加の際の承認作業が省ける。また、「発表者となるユーザー」を「自分のみ」にしておけば、参加者の録画や画面共有を防げる。
  3. オプション設定が終わったら、「保存」をクリック

Teamsライブイベントでウェビナーの開催を設定する

こちらでは「ライブイベント」でオンライン講演(ウェビナー)を開催する際の設定方法についてご紹介します。「web会議」は無料で利用可能ですが、「ライブイベント」は以下の有料会員のみが使用できるので、事前に有料プランに移行しておきましょう。

  • Microsoft 365 Business Basic/Standard/Premium
  • Office 365 E1/E3/E5
  • Microsoft 365 E3/E5

また、社外から参加者を招待する場合は、事前に「Microsoft Teams管理センター」にアクセスして、社外の参加者が参加できるように設定しておく必要があります。
Teams 管理センター」の左側のメニュー「会議」➡「ライブイベントのポリシー」をクリック。「スケジュールされたライブイベントに参加できるユーザー」を 「全員」に変更します。

【オンラインイベントをスケジュールする】

  1. Teamsアプリケーションの「予定表」 の 「新しい会議」から、「ライブイベント」をクリック。
  2. 次にイベントのタイトルや日時などの詳細情報を入力。また、イベントで発表する講師を、「発表者を招待します」の部分に講師のメールアドレスを加える。「発表者」は「開催者」にすることもできます。設定が終わったら、「次へ」をクリック。
  3. 「ライブイベントのアクセス許可」の画面で参加者が社内のみであれば「組織全体」、社外からの参加者がいる場合には「パブリック」を選択した後、「スケジュール」をクリック。
  4. 次のページにある「出席者のリンクを取得する」をクリックするとリンクを取得できるので、ウェビナーの参加者にURLを送信する。

開催設定時のオプション

アクセス権限、レコーディング権限など、ライブを作成する際にオプションで設定する項目があるので、それらも選択します。
アクセス制限については、「すべてのユーザー」「組織内のすべてのユーザー」「特定のユーザーまたはグループ」のなかから選ぶことができます。
レコーディング権限については、Teams で作成されたオンライン講演にのみ適用できます。
「常に録画」「録画しない」「開催者が録画可能または不可」のなかから選択してください。
また、チャットでの質疑応答機能を使う場合には「Q&A」にチェックを入れます。

当日の開始方法

イベント当日の開始方法をご紹介します。


▲公式サイト:Microsoft Teams ライブイベントの使い方 Part 2(本番当日準備編)より

  1. まずはイベントの開催URLをクリックして、入室。
    入室すると、左手にキュー枠、右手にライブイベント枠が表示される。選択したコンテンツがキュー枠に表示され、配信をスタートさせることで、選択したコンテンツがライブイベント枠に表示されるようになっている。
  2. 「キュー」にコンテンツを追加する。追加するのは、講師の映像だけではなく、パワーポイントの資料なども追加することが可能。
  3. 追加したら、「ライブ送信」をクリックすると「キュー」が有効になる。正常な状態だと「ライブイベント」の枠内にプレビュー画面が表示される。
  4. 確認後「スタート」をクリックすると、「ライブイベントをすぐに開始してよろしいですか」と表示されるので、「続行」をクリックして、配信をスタートさせる。

Q&A機能の使い方

Q&A機能は、イベント中に開催者(主催者)や発表者(講師)にチャットで質問をすることができます。この機能を使うためには、イベントをスケジューリングする際に、『ライブイベントの生成方法』で「Q&A」にチェックを入れておく必要があります。
【使い方】

  1. 画面の右上にある「Q&A」アイコンをクリック。
  2. 「ライブイベントのQ&A」からチャット欄に必要事項を記入する

受講者の参加方法

受講者はPCやスマートフォンで、「ウェビナー」や「ライブベント」に参加することができます。

PCで参加する場合は、既定ブラウザから参加できます。参加するには、開催者から送られてきた参加URLをクリックします。「イベントに参加する」または「Microsoft Teams でライブイベントを見る」をクリックすれば、入室できます。

スマートフォンでは事前のアプリのダウンロードが必要です。アプリケーションのストアから「Microsoft Teams」というアプリをインストールし、アカウントを設定します。
そのうえで開催URLをタップすると、配信を視聴することができます。

弊社ではTeamsでのオンライン講演(ウェビナー)にも対応

弊社では、自社で使っているツールを使いたいという主催者様も多いため、Zoomを始め、今回紹介したMicrosoft TeamsやGoogle Meetなど、さまざまな配信ツールでオンライン講演をサポートしています。オンライン講演の運営からスタジオ手配、編集、配信まで一貫してサポートすることができます。ご相談は無料となっていますので、お気軽にお問合せください。

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