オンライン講演中にグループワークなどを行う際は、参加者をグループ分けしたり、別の会議室を用意したりする必要があります。今回は、オンライン講演ツールとしても使いやすいMicrosoft Teamsで使えるブレークアウトルームについて、基本の使い方や活用法、役割の違い、使う際の注意点を解説します。
Microsoft Teamsブレークアウトルームとは?
ブレークアウトルームでは、参加者を少人数のグループに分けてディスカッションや会話、ブレインストーミングなどを行えます。完全に講義として行う一方向型のオンライン講演というよりも、グループワークやディスカッションを行うタイプの双方向型のオンライン講演におすすめです。
会議中に会議の開催者は参加者最大300人の会議において、最大50のブレークアウトルームを作成することができ、どのブレークアウトルームにも参加できます。各ルームの様子を見ながらメンバーを入れ替えるなども可能です。
ブレークアウトルームの基本的な使い方
Microsoft Teamsブレークアウトルームを作成できるのは、パソコンのWindowsまたはMacのデスクトップアプリを使っている、Microsoft 365 Business Basic以降の有料会員で会議の開催者のみです。無料会員及びMicrosoft Teams Essentialsの有料会員は使用できないので、ご注意ください。
参加はパソコン・スマホ・タブレットからできます。
次から、ブレークアウトルームの基本的な使い方を3ステップでご紹介します。
ステップ1: ブレークアウトルームを作る(事前設定も含む)
ブレークアウトルームを事前、または会議中に作る方法を手順でご紹介します。
<会議の前に作成する方法>
- Microsoft Teamsの会議を設定する
- 会議出席招待を開き、「ブレークアウトルーム」から「ルームの作成」を選択する
- 必要な会議室の数を決め、「会議室の追加」を選択する
- 参加者の割り当て方法を「自動」または「手動」から選ぶ
<会議中に作成する方法>
- 会議コントロールから「ブレークアウトルーム」を選択する
- 必要な会議室の数を決め、参加者の割り当て方法を「自動」または「手動」から選ぶ
- 「会議室を作成」をクリックする
開催者は、ブレークアウト中に以下のことができます。
- ブレークアウトルームの設定
- ルーム間の移動
- ブレークアウトルームの追加、削除
- ブレークアウトルームのタイトル変更
- 参加者をルームに再度割り当てる、ルーム間を移動させる
- 各ブレークアウトルームにアナウンスを送信する
- すべてのルームで、チャット・ファイル・レコーディングにアクセスする
【オプション1】手動での参加者割り当て
ブレークアウトルームを作成した後、参加者の割り当てを「手動」に設定した場合は、以下の手順でブレークアウトルームに参加者を割り当てます。開催者はすべてのルームに自由に入室できますが、最初にメンバーとして割り当てることはできないため、ルームに入る場合は最後に自分で入りましょう。
- ルームから「参加者の割り当て」を選び、参加させるメンバーを選ぶ
- 1.の手順をすべてのルームに対して行う
- 開催者が参加する必要がある場合は、ルームを選んで入室する
【オプション2】ルームのブレークアウトルームマネージャーの割り当て
ブレークアウトルームを作成後、開催者は各ブレークアウトルームに関する権限を発表者の一人に委譲し、「ブレークアウトルームマネージャー」とすることができます。「ブレークアウトルー マネージャー」は、以下のことが行えます。ブレークアウトルームの管理権限があるのは一度に一人だけなので、一度ルームマネージャーを設定すると、開催者はそのルームの管理を行えなくなるので注意しましょう。
- ルームの追加、削除
- 参加者の割り当て、再割り当て
- ルームを開く、閉じる
- 任意のルームへの参加
- ルームの時間制限の設定
- お知らせの送信
- 会議室の再作成
ブレークアウトルームマネージャーの設定の方法は、
①事前に設定する方法と
➁会議中に設定する方法の
2つがあります。
①ブレークアウトルームマネージャーを事前に設定する方法
- Teams予定表から「会議出席依頼」を開き、ブレークアウトルームに移動、「会議室の設定」をクリック
- 「発表者を割り当ててルームを管理する」にチェック
- 「発表者を検索する」をクリックして、指定する参加者を選択する
➁ブレークアウトルームマネージャーを会議中に設定する方法
- 歯車マーク「会議室の設定」をクリック
- 「発表者を割り当ててルームを管理する」にチェック。発表者を割り当てる
- もし、割り当てる予定の参加者がいない場合、「会議オプションに移動して発表者を追加する」を選択し、参加者から発表者に昇格させて、ルームマネージャーに割り当てる。
- 「<(戻る)」ボタンをクリックして、変更を保存する
【オプション3】時間を設定する
ブレークアウトルームを開催する際、時間設定をしておけば、各ルームにタイマーが表示され、セッション終了のタイミングがわかります。
- 会議コントロールから「ブレークアウトルーム」を選択する
- 「会議室の設定」を開く
- 「制限時間の設定」をONにし、長さを選択する
- 「<(戻る)」ボタンをクリックして、変更を保存する
※デフォルトでは、時間が終わるとメンバーは自動的にメイン画面に戻されます。メンバーが、メイン画面に戻るか、退出か、選択できるようにしたい場合には、オプションの「[ルームにユーザーを自動的に移動する」をオフにしてください。
ステップ2: ブレークアウトルームを開始する
開始するには、以下の2つの方法があります
- 全ルームを同時に開く⇒会議コントロールで、「ブレークアウト ルーム ブレークアウトルーム」を選択し、「開く」ボタンをクリックする
- 各部屋を一つずつ開く⇒会議コントロール⇒「ブレークアウト ルーム ブレークアウトルーム」で各ルームのその他のオプション「…」にマウスポインターをもっていき、「ルームを開く」を選択する
ステップ3: ブレークアウトルームに参加する
会議の開催者やルームマネージャーは全てのルームに自由に参加できます。参加する場合は以下の操作を行います。
- 会議コントロール⇒「ブレークアウト ルーム」を選択
- 各ルームのその他のオプション「…」にマウスポインターをもっていき、「ルームを参加」を選択する
- 退出する場合は、会議コントロールで「戻る」を選択
ブレークアウトルームにアナウンスする
セッションの終了時間やルールなど各ルームにアナウンスしたい場合は、お知らせ機能を使用できます。
- 会議コントロール⇒「ブレークアウト ルーム」を選択
- 「お知らせを行う」を選択し、アナウンス事項を入力し、「送信」ボタンをクリックする
ステップ4: ブレークアウトルームを閉じる
ブレークアウトルームを主催側で閉じ、参加者をメイン会議に戻らせるためには、以下の手順で行います。
<個別のルームを閉じる>
- 会議コントロールで「ブレークアウトルーム」を選択する
- 閉じたいルームのその他のオプション「…」から「閉じる」を選択する
<すべてのルームを同時に閉じる>
- 会議コントロールで「ブレークアウトルーム」を選択する
- 「閉じる」を選ぶ
時間制限がない限り、ブレークアウトルームは自動で閉じられることはありません。
Microsoft Teamsブレークアウトルームの特徴とメリット
Microsoft Teamsブレークアウトルームの特徴や、使うメリットを3つご紹介します。
ディスカッションが活発になる
ブレークアウトルームは、主にディスカッションやコミュニケーションのために使われることが多いです。大人数だと発言しにくいという人も、少人数なら発言しやすいため、活発な意見交換が行えるでしょう。
グループワークに使える
ブレークアウトルームは、ディスカッションや意見交換が活発になることから、グループワークやブレインストーミングに使いやすいというメリットがあります。オンライン講演では、参加者の理解や満足度を高めるのに役立つでしょう。
Teamsの画面共有機能がそのまま使える
Microsoft Teamsのブレークアウトルームでは、Microsoft TeamsのWeb会議機能で使える画面共有機能などもそのまま使えます。特に、ホワイトボード機能、PowerPointの共有機能などを使えば、ディスカッションにもブレインストーミングにも便利です。
Microsoft Teamsブレークアウトルームでの役割の違い
Microsoft Teamsには大きく、全ての権限を持つ会議の「開催者」、会議の管理以外の権限を待つ「発言者」、権限を限定された「出席者」という3つの役割で分けられます。
ブレークアウトルームでは、開催者と参加者、出席者で以下のようにできることが異なります。
開催者 | 発言者 | 出席者 | |
---|---|---|---|
ブレークアウトルームの設定 | 〇 | × | × |
ルーム間の移動 | 〇 | × | × |
ブレークアウトルームの追加・削除 | 〇 | × | × |
発言及びチャット、画面共有 | 〇 | 〇 | 〇 |
参加者がホワイトボードや画面共有を行うためには、開催者側で発表者としての権限を付与する必要があります。各ブレークアウトルームでこれらの機能を利用してもらいたい場合は、発表者を各ルームに1人以上割り当てるか、割り当てた後で必要な参加者を発表者に変更しておきましょう。
Microsoft Teamsブレークアウトルームを使う際の注意点
Microsoft Teamsブレークアウトルームを使う際は、以下の3つのポイントに注意しましょう。
参加者は自由にルーム移動できない
参加者が別のルームに移動したいときは、主催側が移動させる必要があります。参加者が自由にルーム間を移動したり、ブレークアウトルームとメイン会議を移動したりすることはできませんので、注意しましょう。
ただし、開催者がブレークアウトルームの「会議室の設定」で「ユーザーがメイン会議に戻る」をONにしていた場合、ユーザーは任意のタイミングでメイン会議に戻ることができます。タイミングをユーザーに任せる場合は、ONにしておきましょう。
最新のデスクトップアプリに更新する
Microsoft Teamsは、最新版のデスクトップアプリかブラウザ版でしか利用できません。特に、ブレークアウトルームを開催するためには、開催者がWindowsまたはMacのデスクトップアプリからWeb会議を主催している必要がありますので、注意しましょう。
参加者はMicrosoft Teamsをサポートしているデバイスやアプリからであればどこからでも参加できますが、Microsoft Teamsが使えない場合はブレークアウトルームも使えません。最新のデスクトップアプリやブラウザに更新しておきましょう。
ブレークアウトルームの管理が表示されない
管理できるのは開催者またはブレークアウトルームマネージャーだけで、参加者にはそもそも管理画面が表示されません。そのため、他のルームに移動したい、メイン会議に戻りたいなどの場合は、開催者かブレークアウトルームマネージャーに依頼し、ルームを移動したり画面共有機能の権限を付与してもらったりしましょう。
Microsoft Teamsブレークアウトルームは、一般的なブレークアウトルームとして参加者が発言しやすい、意見交換が活発になりやすいなどのメリットがあるのはもちろん、Microsoft Teamsならではの画面共有機能が使えるという便利なポイントがあります。オンライン講演でグループワークなどを行う際は、Microsoft Teamsブレークアウトルームを使ってみてはいかがでしょうか。
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