セミナーなどのオンライン講演の開催時には、配信方法についても事前に計画を立てておかなければいけません。例えば、以下のような配信方法が挙げられます。
YouTube Liveなどリアルタイムでの配信、聴講者(参加者・視聴者)がオンラインセミナー後の振り返りをするために別途収録をして配信する録画配信、やむを得ず出席できなかった聴講者へ向けて、映像や音声を編集して講演動画を配信するなど、配信方法にもいくつかの種類があります。
今回の記事ではZoomでのオンライン講演を、シチュエーションに応じてどのように配信すると良いのかご紹介します。
動画配信には大きく分けて4つの方法がある
オンライン講演の動画配信方法は、大きく分けて以下の4つのやり方があります。
- ウェビナーツールを使ったライブ配信
- SNSを利用したライブストリーミング配信
- オンデマンド配信
- ダウンロード配信
1はZoomなどのウェビナーツールを使ってライブ配信する方法で、最も利用されている方法です。特定の参加者(聴講者)に向けてライブ配信を行えるという特長があります。
➡詳しくは「Zoomウェビナーを使えば、初めてのオンライン講演も簡単!」を参照。
しかし、ツールの料金プランによって人数制限があるため、多数の人々に公開したい場合やライブ配信の録画したものを後に参加者が見れるようにしたいといった場合には、2~4の方法が有効です。
次章では2~4のそれぞれの特徴やメリット、配信方法を詳しく解説していきます。
臨場感がたまらない「ライブストリーミング配信」
ライブストリーミング配信とは、SNS上でライブ動画を配信できる方法です。Zoomの場合は有料プランにすることで配信が可能です。
配信はZoom単体で行うのではなく、YouTubeやFacebookと連携して配信を行います。
ライブストリーミング配信のメリットは、
- 臨場感のある配信ができる
- SNS上で人数制限なく配信できる
- 聴講者と直接コミュニケーションができる
- 最新情報など即時性のある内容を配信できる
- 編集作業がなく、コンテンツ作成に時間をとられない
などが挙げられます。
ライブストリーミングを行うには、
- Zoomのライブストリーミングの許可設定
- YouTube LiveまたはFaceBookと連携し、配信開始
という2つの段階を踏みます。次で詳しく紹介します。
1.Zoomのライブストリーミングの許可設定
Zoomを使用してライブストリーミングを配信する場合、事前にZoom上でライブストリーミング配信を許可し、メディアを指定しておく必要があります。設定方法は以下の通りです。
- Zoomのウェブポータルにサインインし、設定をクリック
- 「ミーティング(詳細)」タブの「Zoom Meetings (又はZoom Webinars )のライブ配信を許可する」 をクリック
- 確認のダイアログが現れたら、「有効にする」をクリック
- 「ライブ ストリーム配信」タブをクリック後、「カスタム ストリーム配信サービスを設定する」をクリックする
- YouTubeやFacebookなど、配信したいプラットフォームにチェックを入れる(カスタムライブストリーミングサービスでは「ストリーミングURL」「ストリーミングキー」「ライブストリーミング配信ページURL」が発行できるプラットフォームであればZoomと連携して配信が可能です。)
プラットフォームによって方法が若干異なりますが、ライブ配信で代表的なYouTube、Facebookとの連携方法についても併せてご紹介します。
2-1 YouTube Liveと連携し、ライブ配信開始
YouTube Liveと連携するには、まず、YouTubeアカウントのライブ配信を有効化する必要があります。有効化は以下の手順で行います。
- YouTubeのプロフィール画像をクリックし、「YouTube Studio」へ進む
- メニューから「設定」をクリック
- 「チャンネル」を選択し、「機能の利用資格」タブをクリック
- 「スマートフォンによる確認が必要な機能」から「電話番号の確認」をクリック
- 手順に従い、アカウント認証を行う
アカウント認証が完了してからライブ配信が可能になるまで、最大で24時間程度時間がかかります。そのため、ライブ配信の2日以上前までに有効化を済ませておきましょう。
次に、以下の手順でYouTube Liveと連携し、ライブ配信を行います。
- YouTube Studio に移動して、「ライブ配信を開始」を選択
- 「エンコーダー配信」を選択し、タイトルや公開範囲を設定した後に、「エンコーダ配信を作成」をクリック
- 「ストリームのプレビュー」でURLやキーが発行されるので、それをコピー。
- Zoomアプリをたちあげて、所定のミーティングを開始。画面下の「詳細」タブからまた「ライブ中カスタムライブストリーミング配信サービス」を選択し、3で取得したURLとキーをペーストする。
- YouTube側でZoomの画面が表示されたら「ライブ配信を開始」で配信スタート
2-2 Facebook Liveと連携し、ライブ配信開始
FaceBook Liveでは、Facebookアカウントさえあれば、すぐに連携可能です。YouTube Liveのように事前の設定は不要です。Facebook Liveと連携は以下の手順で行います。
- Zoomアプリを立ち上げ、ミーティングを開始する
- 画面下部にある「詳細」タブより「ライブ中 Facebook」を選択
- デフォルトのブラウザでFacebookが開くので、サインインし、Facebook のどこでライブ配信するのか選択し、「次へ」をクリック
- FacebookのLive Producerの画面に自動で遷移するので、「ストリームキーを使用」を選択し、「サーバーURL」「ストリームキー」をコピー。
- Zoom の「ストリーム配信の URL」 と「ストリーミング キー」にそれぞれ貼り付け「保存」をクリック。
- Facebook側にZoomの画面が表示されたら「ライブ配信を開始」で配信スタート
いつでも視聴可能「オンデマンド配信」
オンデマンド配信とは、共有リンクをクリックした聴講者が動画音声をダウンロードしながら同時に再生をして動画を見ることができる配信方法です。オンデマンド配信のメリットは
- 動画の事前編集ができる
- 聴講者は好きな場所やタイミングで動画音声を視聴できる
- クラウド上での配信のため容量を気にせず視聴できる
などが挙げられます。
オンデマンド配信の方法
Zoomを使用してオンデマンド配信をする場合には、Zoomの「録画機能」を使う必要があります。録画はZoom配信画面の「レコーディング」をクリックすれば録画が可能です。
録画した動画の配信方法は、公式・専用サイトにZoomの共有リンクを掲載する方法とYouTubeを利用する方法があります。
①共有リンクを掲載する方法
です。共有リンクを取得するには、あらかじめウェビナー開始時に「ミーティング(又はウェビナー)をオンデマンドにする」「自動的にミーティング(又はウェビナー)を録画する」にチェックを入れておいた上で、ウェビナー終了後に以下の手順で行います。
- Zoomにサインインし、ナビゲーションメニューから「記録」をクリック
- 共有リンクを取得したい動画の「共有」をクリックし、メニューから「共有情報のコピー」をクリック
➁YouTubeの利用
YouTubeのアカウントを用いて、録画した動画をYouTube上にアップロードして聴講者に配信する方法です。これもあらかじめウェビナー開始時に「ミーティング(又はウェビナー)をオンデマンドにする」「自動的にミーティング(又はウェビナー)を録画する」にチェックを入れておいた上で、ウェビナー終了後に以下の手順で動画をダウンロードします。
- Zoomにサインインし、ナビゲーションメニューから「記録」をクリック
- 配信したい録画済みウェビナーを選択し、「ダウンロード」をクリック
動画をダウンロードしたら、「YouTube Studio」から動画をアップロードすれば配信できます。
何度でも繰り返し視聴可能な「ダウンロード配信」
ダウンロード配信とは、既に録画した動画をクラウド上で共有したり、動画ファイルをアップロードしたりすることで聴講者にダウンロードしてもらい視聴してもらう方法です。
ダウンロード配信のメリットは、
- 動画の事前編集ができる
- 聴講者は好きな場所やタイミングで動画音声を視聴できる
- 聴講者の端末に動画ファイルが残るので、オフラインでも繰り返し視聴ができる
などが挙げられます。
ダウンロード配信の方法
Zoomを使用してダウンロード配信をするにはオンデマンド配信と同じくZoomの「録画機能」を利用します。ダウンロード配信の場合でも以下2つの方法があります。
①公式・専用サイトにZoomの共有リンクを掲載
録画した動画を自社webサイトなどに共有リンクとしてファイルを埋め込み、聴講者にダウンロードしてもらう方法です。
➁drop boxやGoogle driveの利用
drop boxやGoogle driveのリンクを共有し、クラウド上で聴講者にファイルをダウンロードしてもらう配信方法です。
Google driveでは聴講者にリンクを共有し、該当のファイルをダウンロードしてもらうことができますが、drop boxの場合は以下の手順に沿って配信を行いましょう。
- drop boxにログイン後、「ファイルをアップロード」を選択
- 「ファイル」を選択し、該当のファイルを「共有」する
- 共有先のメールアドレスや名前またはグループ名の入力
手順2.について、複数のオンライン講演の動画が入ったフォルダがあれば「フォルダ」を選択して共有が可能です。
手順3.ではメールアドレスを聴講者分入手する必要があります。従って、オンライン講演の聴講者が多い場合には①の方法での動画共有をおすすめします。
オンライン講演やウェビナー等を開催する機会が増えてきた昨今、それぞれの配信方法の特徴を事前にしっかりと把握して開催の用途や参加者数、ニーズにあった動画配信方法を選びましょう。ただし、講演映像には講師の著作権が発生するため、配信する際は講師に許諾をとり、配信方法や期間などを事前にしっかりと取り決めた上で、行うとよいでしょう。
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