売りたい商材があるにもかかわらず、思うように売り上げが伸びない。差別化が難しい商材を売りたい。売るためには、選んでもらうためにはどうすればいいだろう……。
そのように、マーケティング手法に頭を悩ませている企業の広告・宣伝担当者は多いのではないでしょうか。
今回は、株式会社みんなのコピー代表取締役であり、セールスコピーライターの大橋一慶氏より、webで売り上げを伸ばすキャッチコピーの作り方とポイントを解説していただきます。
【監修・取材先】
大橋一慶氏
株式会社みんなのコピー 代表取締役
セールスコピーライター(求められる伝え方の専門家)
キャッチコピーの役割
膨大な商品宣伝があふれる中で自身が売りたいと考えるものを宣伝するとき、なくてはならないのが「文章」です。文章と言っても長文である必要はありません。お客さんの反応は、最初に見る2〜3行の言葉で大きく変わるのです。
この2〜3行の文章が「キャッチコピー」と言われるもので、たった数行のキャッチコピーの良し悪しで、お客さんの反応は良くも悪くも変わってきます。
なぜ、たった2〜3行で反応を変えられるのでしょうか?
多くの人は、web上に情報があったとき、最初に目にする言葉を見て、それを読むかどうかを一瞬で判断しています。キャッチコピーでお客さんの心を掴まなくては、その広告や紹介記事は見てもらえません。つまり、心を掴めないキャッチコピーでは、いつまでたっても見てもらえず、商品やサービスの魅力も伝わらない。だから売れない、という状態が発生しているのです。
反対に、キャッチコピーで心を掴むことができれば、たくさんの方に広告や記事が見てもらえ、多くの方に価値が伝わり、商品に対する反応も良くなるというわけです。
つまり、商品を売るためにもっとも力を入れるべきは、広告や記事を見てもらえるキャッチコピーを作ることです。
読まれるキャッチコピー、読まれないキャッチコピーの違い
それでは、どんなキャッチコピーであれば読んでもらえるのでしょうか。読まれないキャッチコピーの特徴を例に挙げて、わかりやすく解説します。
まず、お客さんがキャッチコピーを見て、その先にある広告や記事を読もうと思うポイントは何でしょうか? それは、魅力的な言葉や美しい表現などではなく、読む価値があると思ったかどうかです。
読まれないキャッチコピーの特徴は、売り手が伝えたいことばかり語っていることです。たとえば、商品の性能や機能、品質など、一歩間違えれば自慢話にしか聞こえないコピーです。
反対に、読まれるキャッチコピーの特徴は、読み手が求めていることを語っています。商品そのものを語るのではありません。その商品を使うことで、どんな嬉しい未来が手に入るのかを、魅力的に語っています。
「お客様が手に入れる嬉しい未来」のことを、マーケティングの世界では「ベネフィット」と呼びます。
お客さんは、商品そのものに興味を持つのではありません。彼らは「自分にとって、どのような得があるのか?」その答えとなるベネフィットに興味を持っています。つまり、キャッチコピーでどんなに素晴らしい言葉を並べ立てても、お客さん自身がベネフィットを感じられなければ、価値がない情報として認識され、スルーされてしまいます。
キャッチコピーを考えるときは、必ずお客さんにベネフィットが伝わるような内容にすることが大切です。
読み手の心を動かすベネフィットの考え方
ベネフィットを考えるときの注意点として、「特徴」や「メリット」と混同しないことが挙げられます。同じようなものだと捉えられがちですが、区別して考えることが、読まれるキャッチコピーへの近道となります。
「ベネフィット」はうれしい結果や未来、幸福であり、「特徴」「メリット」は、そのベネフィットが叶う理由と捉えるとわかりやすいでしょう。
ここで、ひとつ例を挙げて解説します。
例えば、「フォームローラー」という商品を売るためにweb広告を打つことになったとします。キャッチコピーを考えるとき、以下の3つの言葉のうち、もっともベネフィットを感じられるのはどれでしょうか?
A.肩こりスッキリ
B.3分で肩甲骨まわりがほぐれる
C.フォームローラー ○○○(商品名)!
正解はAの「肩こりスッキリ」です。
Aの「肩こりスッキリ」は、この商品を使った結果手に入る嬉しい未来。つまり、ベネフィットとなります。Bの「3分で肩甲骨周りがほぐれる」は、Aの結果が手に入る理由として位置付けられるため、メリットや特徴になります。Cは、そのどちらでもなく商品名です。
つまり、このケースで何よりも目立たせる言葉は「肩こりスッキリ」。そうすることで、フォームローラーという健康器具を知らなくても、肩こりに悩む方から注目してもらえます。
読み手に「!」と思わせる表現テクニック
売れるキャッチコピーの表現方法は、膨大なテクニックが存在します。ここでは、その中から、どのような商品でも重要になる「ベネフィットを具体的に」という表現テクニックについて紹介します。
例えば、以下2つのキャッチコピーでは、どれに魅力を感じるでしょうか?
A.小さい文字もハッキリくっきり、目にも優しいルーペ
B.「もう、これなしで新聞を読みたくありません」小さい文字もハッキリくっきり、目にも優しいルーペ
Aは、ベネフィットを伝えていますが、具体性や魅力に欠けます。
それに対して、Bは、読み手が体験するベネフィットを、具体的に描写しています。「もう、これなしで新聞を読みたくありません」という言葉が、ベネフィットをより強くイメージさせ、商品価値を高めています。
わずか数文字の違いですが、ベネフィットを具体的に語ることで、お客様に伝わる価値が大きく変わります。わずか数文字が、広告や記事が読まれるかどうかの差となり、結果に大きな影響をもたらします。
ベネフィットを追求した売上倍増のキャッチコピー講座
本記事で紹介した表現テクニック以外にも、大橋氏の講演では、さらに多くのテクニックを学んでいきます。成功したキャッチコピー事例を挙げながら、広告メッセージを価値の高い情報に変える方法やベネフィットの量産方法、売れないキャチコピーから売れるキャッチコピーにするための秘訣を伝授します。
読まれるキャッチコピーのテクニックを学び、売上倍増を目指したい主催者様、ぜひ次回の講演テーマにご検討ください。
大橋一慶 おおはしかずよし
株式会社みんなのコピー 代表取締役 セールスコピーライター(求められる伝え方の専門家)
コンサルタント
非対面・非接触でバカ売れさせる、求められる伝え方・売れるコトバ作りの専門家。“レスポンスアップの鬼”の異名も持ち、オンラインサロン【ポチらせる文章術 実践ラボ】ではレスポンスアップに成功するメンバーが続出。ベストセラー『セールスコピー大全:見て、読んで、買ってもらえるコトバの作り方』他。
プランタイトル
なぜ、たった3行のコトバで売上が増えるのか?
あわせて読みたい
プロジェクトマネジメントは現在では、業界や業種に関係なく、プロ…
企業における研修のやり方はさまざまですが、PCなど電子機器の発…
「自ら考えて動ける人材を育てたいが、育成方法がわからない」とお…
他の記事をみる
業務外の講師への取次は対応しておりません。