多くの業界で国内市場の縮小が予想されている中、企業間の競争はますます激しくなっています。そのため、営業力の強化はすべての企業において重要な経営課題です。

企業が永続していくために必要となるのは、単発で大きな成果を上げられる営業よりも、安定して売上数字をつくることができる営業人材。営業であれば誰でも毎月目標を達成したいと願うものですが、現実には顧客の状況によって断られることが続いたり、自身のモチベーション維持が難しかったりと、売上に波があることが多いでしょう。

今回は、「常に上位20%の営業成績をあげられる営業マンを目指そう!」というテーマで講演活動を続ける山本幸美氏から、安定して売上を上げる営業力の本質について解説していただきました。

Your Image【監修・取材先】
山本幸美氏

株式会社プラウド代表取締役社長
営業力強化コンサルタント
女性活躍推進コンサルタント
マネジメント力強化コンサルタント

先行き不透明な時代で、今一度「営業力とは何か」を考える

IT技術の急速な進歩や、感染症によるパンデミック。かつてなかった変化が次々と訪れ、社会全体が先行き不透明な時代へと突入しました。

これは営業の現場においても言えることで、従来の営業の常識はもはや通用しなくなっています。

各業界が成熟したことで、国内ではモノやサービスが余り続けています。今では顧客は何らかの商品を必要としたとき、すぐにインターネットで検索して複数の商品を比較し、そのままクリック1つで購入まで可能になりました。パンデミックをきっかけとして訪問や対面での商談を望まない顧客も増え、営業の存在意義すら疑問視されかねない状況となっています。

そのため、営業力向上を考える前に、まずは営業一人ひとりが「自分たち業が介在する意味は何か」を理解しておく必要があります。

今の時代において、顧客はモノやサービスだけを求めて営業を頼るのではありません。
先が見えない不安がつきまとう今だからこそ、顧客のネガティブな感情を払拭して前向きな気持ちや安心感を与える、いわば感情のマネジメントができる営業が求められているのです。商品やサービスの導入を決めるために、まずは顧客を新しいことを始めよう」と思えるようなマインドに持っていくことが、現代の営業の役割といえるでしょう。

他社と同じような商品・サービスを扱っていても、常に顧客から選ばれ続ける営業になる秘訣はそこにあります。

今の時代に、顧客から選ばれる5つの魅力

顧客から選ばれる営業には、共通する5つの魅力があります。その魅力こそが顧客に「この人といると気分が良い」と思わせ、商品やサービスを購入したいという前向きな気持ちを引き出す力、すなわち営業力です。

①与えてくれる

営業という仕事は、無意識のうちに顧客に対して何かを欲することが多いという特徴があります。アポイントや商談のための時間、契約やリピートはもちろん、他の顧客への紹介、顧客からの信頼など。そんな中で、純粋に顧客自身のためを思って何かを与えてくれる営業がいれば、「この人は他の営業とは違う」と強く印象に残ります。顧客にとって有益な情報や提案、選択肢、人脈など、選ばれる営業は常に顧客に対して何を与えられるかを考えています。

②リスクコントロールをしてくれる

先が見えない時代というのは、事業運営にあらゆるリスクが潜んでいる時代ともいえます。何が正解か分からない中で顧客は常に不安を抱えているため、リスク低減の目線で明確な提案ができる営業は、顧客にとって安心感を与えてくれる存在です。

③漠然とした不安を解消してくれる

顧客の不安解消においては、具体策以上に精神的なサポートが効果的なケースもあります。不安を感じている顧客の話にじっと耳を傾け、その気持ちに寄り添える営業であれば、顧客にも「この人から商品を購入したい」と思ってもらえるでしょう。

④やる気を引き出してくれる

長く続いた不況の停滞感が抜けきらない現在、顧客は自分を前向きな気持ちにしてくれる営業を求めています。

営業自身がその言動から前向きなエネルギーを発することで、顧客は営業と話しているうちに新しいことをやってみよう」という気持ちになれます。商品やサービスを導入するにあたって、営業のポジティブな魅力は最も重要な要素と言えるかもしれません。

⑤共に困難に立ち向かってくれる

顧客が困難な状況にあるとき、「私が解決法を一緒に考えます!」と言える営業は、顧客からの信頼が得られます。顧客は数多くの営業から選ぶのであれば、苦しいときに共に問題に立ち向かってくれる営業が良いと考えています。

顧客が知識や能力以上に営業に求めているものは、パートナーシップなのです。

現代の営業力の本質とは、すなわち自他の感情マネジメント

営業が5つの魅力を通して実現できるのは、顧客の不安を取り除き、前向きな気持ちを引き出すという感情のマネジメントです。顧客の感情をコントロールできるようになれば、自ずと契約へと繋げることが可能になります。

そして常に顧客に安心感を与える営業であるためには、何よりも営業自身が感情をコントロールし、安定した精神状態を保たなくてはなりません。

「今自分がどのように感じていて、その原因は何なのか?」を客観視することで、自身の感情を分析して問題点を明らかにできます。そうした思考において最も重要なのが、実は国語力なのです。

人間は言葉を知らなくては思考することができません。ネガティブな感情も本来は「焦り」「妬み」「恐れ」などに分類できますが、それらすべてを「辛い」という言葉で片付けてしまうと、「何がどのように辛いのか」と思考を広げることができません。課題も解決方法も思考できないので、ネガティブな感情を払拭できずに苦しみ続けることになるでしょう。

感情をマネジメントするには、まずは感情の言語化が必要です。常に自分の感情を言語化して客観視できれば、精神的な安定が得られて魅力のある営業になれますし、顧客の感情を代わりに言語化することで、顧客に求められるような感情のマネジメントが容易になります。

本や辞書を読んで、ボキャブラリーを広げ、人間の感情を言語化するスキルを身に付けることは、その気になれば誰もが実践できる営業力向上の取り組みなのです。

誰でも実践できる営業力アップ対策で、選ばれる営業になる!

感情が安定している営業は、顧客を精神的に支える力があるため、それが魅力となって自然と顧客から選ばれやすくなります。常に感情のマネジメントに取り組み、安定した状態を維持することが、継続して売上を上げられる営業の条件といえるでしょう。

感情のマネジメントは高度なスキルのように思われますが、誰もが努力で身に付けられるものです。そして、どの業種のどのような商品・サービスの営業であっても通用するスキルなので、一度習得すれば一生ものとなるでしょう。

今回お話をお聞きした山本氏の講演では、表面的な営業テクニック以上の、営業力の本質ともいえるテーマについて学ぶことができます。山本氏の講演を自社で開催した各業界の経営者や管理職の方々からも、営業という仕事のイメージが変わり、参加した従業員はより主体的に動けるようになったと高い評価を得ています。

営業人材の育成に注力したいとお考えの企業の方、あるいは時代に適応した営業手法へのシフトをお考えの企業の方は、ぜひ次回の社内研修としてご検討ください!

山本幸美 やまもとゆきみ

株式会社プラウド代表取締役社長 営業力強化コンサルタント 女性活躍推進コンサルタント マネジメント力強化コンサルタント

「何を売らせても売れる伝説の営業ウーマン」として注目を集める。企業・個人へのコンサルティングや研修、そして自身のマネジメント経験より、表面上のテクニックやノウハウよりも、自分を知るところから全てが始まるという考え方には多くの人が共感し、「内容、話術ともにハイレベル」と各地で好評を得ている。

講師ジャンル
ビジネス教養 ワークライフバランス
ソフトスキル リーダーシップ 意識改革
実務知識 経営戦略・事業計画 人材・組織マネジメント
営業・販売・マーケティング 顧客満足・クレーム対応

プランタイトル

どんな人でも売れる営業になれる!
営業力・コミュニケーション力のアップ7つの法則

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