さまざまなオンライン化が進む中、安全大会においてもオンライン開催が増加傾向にあります。
とはいえ、安全大会は安全意識向上と同時に、協力会との親睦目的もあるため、単にオンライン開催というのではなく、一部リアル開催で、一部はオンライン参加というハイブリッド型が主流となっています。
今回ご紹介する案件は、昨年(2020年)に安全大会をハイブリッド開催し、今年度(2021年)も引き続きハイブリッド開催を選択したものとなります。
ハイブリッド開催を2度にわたり選択した経緯、実際の開催方法と、当日の様子についてお伝えします。
サービス業・建設業ほか 担当 白石 千雅
講師 : 佐藤 浩 氏
主催者 : A建設関連会社 様
開催日時 : 2021年10月下旬
講演時間 : 1時間20分
聴講者人数: 約300人
講演タイプ: A. 会場からの生配信タイプ
配信ツール: Live on
今年もハイブリッド型を選んだ理由
今回の主催者様は、全国に支所のある建設関連の会社で、協力会社も全国各地に点在しています。通常は、地方単位で安全大会を行い、その地方に所在する協力会社が参加していますが、コロナ禍の現在ではそれもできない状況です。
昨年は通常通りの開催が難しくなり、リアルとオンラインを組み合わせたハイブリッド開催を選択されました。昨年は手探りの状態で、使う配信ツールや機材、場所や段取りも何度も精査して、最終的な形に持っていったそうです。一度開催してみると、全国各地から参加できるオンラインの手軽さに気づかされたようで、緊急事態宣言が解除になっても、ハイブリッド開催一本で行くように考えていらっしゃったようでした。
主催者様に2回目のハイブリッド開催の理由をお聞きすると、以下のようなことをおっしゃっていました。
- 参加者が全国各地から参加でき、移動時間が不要
- すでに2回目開催でほとんどの参加者がオンラインに慣れていた
- 協力会社の代表者が参加するため、限定的ながら親睦が図れる
- 少人数開催で感染リスクを減らすことができる
やはり、最大の理由は参加者がハイブリッド型に慣れていたからということでしたが、その前提として、感染対策や全国からの参加が可能という点もあったようてす。
一方で、ハイブリッド開催は、リアルとオンライン両方の準備をしなければならないため、主催者にとって二重の負担になるというデメリットもありますが、それはどのように解決したのでしょうか?
次の章で詳しく解説します。
ハイブリッド開催準備での重要なステップ
ハイブリッドはリアルとオンラインの両方で準備することになりますが、一番難しいのはリアル会場の確保だと思います。オンラインの場合、接続不良などのトラブルを避けるためにも何度か同じセッティングでリハーサルを行うのですが、それが通常開催のようにホールなどを借りた場合、前日にリハーサルを行うことができません。
そこで、本案件の主催者様は、自社の会議室を使うことにしたそうです。自社の会議室であれば、前日に機材をセッティングして、同じ条件でリハーサルを行うことができます。
また、ハイブリッド開催でよく問題になるのが、会場のインターネット速度です。通常の1080pHDビデオを使用する場合の推奨速度は2.5~3.0Mbps程度。会社や家庭用であれば、このくらいの速度を確保できますが、ホールの場合、多数の人が同時間に使用するためインターネット速度が十分でなかったり、そもそも配線がないところもあります。そのため、ハイブリッド開催時の会場選びは特に重要なステップとなります。
今回は会社の会議室で、十分なインターネット速度も確保できます。接続不良を回避するため弊社では有線LANでの接続をおすすめしていますが、会社の会議室には有線LANも常設してあるそうです。
前回開催時でも問題がでなかったため、今回のリハーサルはなしとなりました。
準備段階で次に重要となるステップが配信ツールの選択です。コロナ禍でテレワーク化が進み、通常業務でweb会議ツールを使っている会社も大分増えました。今回の主催者様も通常業務でオンライン会議を行い、そこでは「LiveOn」というweb会議ツールを使用しています。昨年もこの「LiveOn」を使用したことから、今年も同ツールを使用。参加者も普段から連絡にこのツールを使用しており、操作には慣れているとのことでした。
当日は、講師が作成した資料や動画の画面共有があり、こちらの操作は主催者様の方で行うということでしたので、事前に共有させていただきました。動画と切り替えのタイミングがわかるよう、細かいタイムテーブルを作成しお送りしたところ、主催者様からも喜んでいただけました。
初回の開催時は、主催者様もオンライン開催が始めてということで、私の方でも参加者用の
「LiveOn」マニュアル作りや開催方法、セッティング方法などをサポートさせていただきました。主催者様は、初回開催時、オンラインで手間がかかりそうなところは、弊社のような運営サポートプランを利用し、普段慣れているリアル会場での開催は自分たちの手で行う、というような方法で準備を行い、初めてでもそこまで苦労せずに開催できたとおっしゃっていました。
「餅は餅屋」ではありませんが、特に初めてのオンライン開催で不安な場合、負担がかかりそうなところは業者に依頼する、自分でできるところは自分でするという方法が、一番効率が良いのかもしれません。
講演では安全保持に集中力の大切さを実感
当日は、会場に主催者様と協力会社の代表者、関係者30名ほどが来場し、オンラインでは10拠点から約270名ほどが参加しました。
安全大会のメインプログラムである表彰式も開催されました。webカメラに代表者が表彰状を受け取る模様が中継され、表彰された事業所でオンライン参加の方々もとても満足気なご様子でした。
表彰式が終わると、佐藤浩先生による安全講習が開催されました。「事故を起こさないための集中力の高め方 ~脳活性による安全対策~」と題し、安全をキープするにはいかに集中力が大切であり、その集中力を高めるにはどんなことをすべきなのか、実践ワークを導入しながら、教えていただきました。
オンラインでのワークというと、通常のようなグループワークはできませんので、個別にできるものを用意してくださいました。
最初は、画面に出た簡単な計算式を解いて、何分で何問正解だったかを記録します。次に集中力が高める呼吸法を動画で見ながら、実際にその場で実践し、その後、再度同じ計算をするという方法で、どれだけ効果があるかを検証しました。
会場及びオンラインで参加された方全員で検証しましたが、不思議なことに、ほとんどの方々が呼吸法をした後の方が正解率が高いという結果になりました。
このように体験によって集中力の重要性がわかり、さらに集中力が高められる呼吸法が知れたとあって、参加者の皆さんからは「すぐに実践できるのが良かった」「毎日やってみようと思う」といった好意的な意見が聞かれました。
今後も広がっていくハイブリッド開催
今回のコロナ禍は悪いことばかりではなく、リアル開催だけではない新しい方法を開拓する機会にもなりました。オンライン講演やハイブリッド開催の手軽さを知った今、コロナ禍が収束したとしても、オンライン・ハイブリッド開催が減っていくことはないでしょう。
弊社では来年の安全大会計画のご参考にしていただくために、今後ハイブリッド開催の情報をさまざまな形で提供していく予定です。「今年はできなかったから、来年こそは開催したい」「開催したいけど、感染対策に不安がある」という主催者様は、ぜひとも弊社までお気軽にご相談ください。
「最大限の成果、最小限のリスク」になるような形で、講演方法をご提案いたします。
【この記事を書いたスタッフ】
白石 千雅 しらいし ちか
大阪生まれの大阪育ち。とにかく「人が大好き」。はじめて会った人でもスグ友だちになってしまうことが特技です。言葉や国境を越えて、世界中の人たちとつながることが夢です。
自ら講演を聴くことが大好きで、担当テーマに限らず、あらゆるジャンルの講演やイベントに出かけています。 好きなことをシゴトに出来た喜びが大きな力になっています。どんなことにもいつも「本気」で取り組んでいます。
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