年さまざまな企業が取り入れているオンライン研修。
「採り入れたいけれどやり方がわからない」という人材育成の研修担当者に向けて、本記事ではオンライン研修の効果的なやり方と成功をさせるためのコツをお伝えします。
オンライン研修を実施するために知っておきたいこと
オンライン研修には大きく分けて2種類の方法がありますので、ニーズに合わせて使うと効果的です。まずは事前に知っておきたいオンライン研修の種類と必要なツールについて解説します。
オンライン研修は2種類ある
オンライン研修には、オンライン講演型というタイプと、eラーニング型というタイプがあります。
オンライン講演型
このタイプはインターネットを利用してweb会議システムを使いながら研修をする方法です。
講師と受講者がリアルタイムでやり取りをしながら講演を行えるため、質疑応答の時間や、グループワークの時間も設けることができます。使用する配信ツールによっては、ライブ配信を録画することもできるので、受講者が研修後に復習することもできます。
オンライン上ではありますが、実際の研修に近い形で行えるタイプといえます。
ただしこのタイプは、インターネットの接続不良によって途中で切断されたり、動画が止まってしまったりする場合もあります。事前に、受講者のインターネット環境をチェックし、不十分であればモバイルWiFiを貸し出したり、途中で接続が中断した場合の対策を受講者に周知させておく必要があります。
eラーニング型
あらかじめ録画した研修動画やセミナーを、YouTubeなどのクラウド上や社内サーバーにアーカイブして、受講者が視聴するタイプの研修方法になります。eラーニングは、社内で制作する方法もありますが、研修コンテンツを販売している会社もあります。
前者のオンライン講演とは違って、このタイプは時間的拘束がないため、受講者の都合に合わせて視聴できるのが特徴です。
ただし、このタイプは、リアルタイムでのやり取りではないため、受講者がきちんと理解をできているかどうか、そもそもきちんと集中して動画を視聴しているかなどの心配がでてきます。eラーニング型で研修を行う場合、評価システムを導入したり、フォローアップしたりする必要があります。
オンライン研修にはこのように2種類のタイプがありますので、都合に合わせて使い分けることが大切です。
オンライン研修で必要なツール
オンライン研修を始めるためには最低限、以下のツールが必要になります。
web会議ツール
ZoomミーティングやMicrosoft Teamsといった、web会議ができる配信ツールが必要なります。なければ、会員登録し、アプリケーションをインストールします。
こちらは無料で使えるツールもありますが、時間や人数の制限があるため、有料プランに加入することをおすすめします。自社で使用しているツールがあれば、それを使ってもよいでしょう。
インターネット環境
オンライン研修では、インターネット環境が必須です。データ量が大変大きくなりますので、光ファイバーなどの環境で実施することをおすすめします。また、オンライン講演を収録・配信する場合は、無線ではなく有線LANを使うと、接続不良のリスクを減らすことができます。
PC・スマートフォン・タブレットなどのデバイス
オンラインでつなげるPCやスマートフォン、タブレットなどのデバイスも必要になります。研修する側は、配信ツールにおいてさまざまな機能が使えるPCの使用がおすすめです。スマートフォン、タブレットでは使える機能が制限されるため、推奨できません。
受講者であれば、PC、スマートフォン、タブレット、いずれも使用できますが、PCであれば事前に配信ツールのアプリをインストールせずにインターネットブラウザから参加できます。スマートフォンやタブレットは事前にアプリのインストールが必要で、PCで使える機能がスマートフォンやタブレットだと使えない場合もあります。研修では資料に入力したり、画面共有したりすることも多いため、受講者もPCを使用した方が無難です。受講者にPCがない場合には、会社から支給や貸与するなど受講者の受講環境も整えておく必要があります。
webカメラ、イヤホン
研修では、双方間のコミュニケーションが重要となってきます。そのため、ビデオは常にオンにしておかねばなりません。PCやスマートフォン、タブレットの内部カメラやマイクでも十分に活用できますが、よりクリアな映像と音声でやりとりしたい場合は、webカメラやイヤホン・ヘッドホンを用意するとよいでしょう。イヤホンマイクのようにマイクがセットになっているタイプだと、音割れがしにくくクリアな音声でやりとりができます。
オンライン研修のやり方
ここからはオンライン研修のやり方について、簡単にご説明していきます。
1.オンライン研修の開催スケジュールを組む
まずは、オンライン研修の具体的な内容を決めましょう。
どの単元をオンラインで行うのか、その研修は社内又は社外でやるのか、研修目標や目的、講師、内容など細かく決めていき、それに従ってスケジュールを決めていきます。
2.ツールのどの機能を使用するか決める
次に、どの配信ツールを使うか決めていきます。
研修で想定されるワークを書き出して、どの機能が必要かを確認し、希望する機能がついているツールを利用しましょう。
例えば、Zoomミーティングなどの一般的なweb会議ツールには以下のような機能があります。
- 画面共有…資料を参加者全員の画面に表示することができる機能。
- ホワイトボード機能…画面共有した資料に書き込むことができる。
- ブレイクアウトルーム…グループに分けし、各ルームを設けることができる機能。グループワークが可能になる。
- アンケート(投票)機能…参加者全員からアンケートをとれる。受講者の理解度やプレゼン後の全員の評価を測ったりすることができる。
- Q&A機能…質問や回答のやりとりができる。参加者から質問を受け付けることができる。
- チャット機能…チャットできる機能。要点を示したいときに、文字表示させることで受講者がノートをとりやすくなる。
- 録画機能…録画が可能になる機能。録画することで、受講者の反復学習が可能に。
上記以外にも、さまざまな機能がありますので、利用する目的に合わせたツールを選びましょう。
3.受講者の受講環境を調べ、不足している場合は支給する
ある程度準備が進んだら、研修受講者の受講環境を確認します。
インターネットやデバイスの有無を事前に確認しておかないと、受講者が当日に参加できない可能性もありますので、受講者に事前に問合せておきましょう。ない場合は、モバイルWiFiなどのインターネットネット環境、PC又はタブレットの貸し出しを行って、受講者が安心して参加できる環境を整えます。
4.配信ツールで開催日を設定し、開催URLと共有資料を受講者に送信
準備が整ったら、配信ツールのスケジュール機能を使って、開催日を設定します。
設定すると、当日に接続する開催URLが表示されますので、事前に資料と共に受講者と共有しておきましょう。
共有の方法は、メールやチャットで送る方法をはじめ、オンライン上で情報のやり取りできるクラウドストレージや社内サーバーを使った方法も可能です。
メールやチャットだと誤って削除してしまう可能性もありますが、クラウドストレージや社内サーバーであれば、管理者のみが編集をできるよう設定ができるため安心です。
また資料のデータが大きい場合は、クラウドストレージを使わないと送付できない可能性もありますので、こちらもニーズに合わせて使い分けましょう。
5.必要に応じて会場・機材を手配し、リハーサルを実施する
ここまで準備が整ったら、開催前に、必要に応じて下記の業務も行います。
- 講師のスタジオの手配
- 会場・機材の手配
- 接続テストを兼ねたリハーサル
特に接続テストは、初めてオンライン研修を行う方であれば、受講者全員で1度はやっておいた方が安心です。
当日になってツールが使えず、せっかくの研修が台無しになってしまわないように、できれば事前リハーサルは行っておきましょう。
オンライン研修を成功させるためのコツ
オンライン講演ではさまざまなトラブルが考えられます。そのような事態にならないためにも、ここからは、オンライン研修を成功させるためのコツについてご紹介します。
1.事前に受講者へツールの使い方を指導しておく
オンライン研修に初めて参加する受講者が多い場合には、事前にツールの使い方を指導しておきましょう。
こちらは一度覚えてしまえば難しいことはありませんので、そこまで時間はかかりません。
接続テストを兼ねたリハーサルを行う際にでも、基本的なツールの使い方を解説しておくと当日スムーズに研修を行えます。
2.受講者には顔出しを依頼しておく
オンライン研修ではできるだけ、受講者に顔出しを依頼しておきましょう。
お互いの顔が見えていた方が表情も加わって伝えやすくなる他、双方のコミュニケーションが取りやすくなります。
グループワークなどを行う場合は特に、顔出しができる環境を事前に整えておくよう受講者に連絡することが大切です。
3.受講者が受講後も反復学習ができるよう録画し、共有する
オンライン研修はリアルタイム配信を録画しておき、そのデータを後から共有するのもおすすめです。こうすることで受講者が後から繰り返し学習でき、研修の理解がさらに深まります。
4.グループ学習を入れる
ツールのブレイクアウトルーム(セッション)機能などを利用して、グループ学習を入れることも大切です。参加型ワークを入れることで、より実践的な内容となりスキルが身に付きます。
例えば、受講者を二手に分けてディスカッションを行うような講習を設けたり、それぞれのグループに課題を与えて最後にプレゼンをさせたり、ということもできます。
ブレイクアウトルームを活用するとこのように、より実際の研修に近い感覚で開催できるでしょう。
5.1単元は30~60分程度で区切り、詰め込み過ぎない
オンラインでは実際に集まって行う集合型研修と比べて、どうしても受講者が集中しづらい環境にあります。そのため長時間の研修は極力控え、1単元につき30~60分程度に区切ると受講者の集中力が持続しやすい形で研修を進行できます。また、内容は詰め込み過ぎずに、余裕をもったカリキュラムを組むとよいでしょう。
6.研修中には受講者サポート役をつける
万が一研修中に機材トラブルなどが発生したときのことを考えて、当日は受講者をサポートする人をつけることも大切です。何かあったときのために、担当者の連絡先(電話番号など)を受講者に事前に伝えておき、スムーズに対処できる体制にしておきましょう。
7.研修後はフォローアップを行う
オンライン研修が終了した後は、フォローアップを行うことも忘れてはいけません。
研修のレポートを提出させたり、課題を設けたり、その他、疑問などがないかどうかトータルで確認をして、受講者の理解力を深めることで、より高い効果が期待できます。
これからオンライン研修を行うという企業にとっては、研修の流れがイメージしにくく、実施するまでは不安になるものです。最初の研修については、ここで紹介したツールを活用したり、ポイントを実践したりすることで、研修を滞りなく行うことができるでしょう。
うまくいっていないのではないかと不安な場合、ただ研修を実施するだけでなく、フォローアップの場を設けて受講者の理解度を確認したり、参加した感想を求めたりする機会を設けてみるのをおすすめします。
試行錯誤しながら工夫を重ね、自社に合った研修スタイルを見つけてみてください。
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