コロナ禍で急増したオンラインでの研修。まだまだ収束が予測できない中で、オンライン研修の需要は高まっています。オンライン研修が初めてなら、簡単で便利なZoomがおすすめです。
今回は、Zoomでのオンライン研修の開催方法から、グループワークの設定の仕方、参加方法を解説いたします。

■目次

オンライン研修でZoomミーティングをおすすめする理由

オンライン研修に使用するツールには、世界的に利用者が多いZoomがおすすめです。
Zoomには、一般的にオンライン会議・授業などで使用されている「ミーティング」とウェビナーで使用される「ビデオウェビナー」があります。

Zoomビデオウェビナーは講師が集中して講義を行えるよう、操作が講師(パネリスト)と主催者(ホスト)に集約され、受講者(参加者)の権限は極力制限されています。

一方、Zoomミーティングは、受講者同士が自由にビデオ通話や画面共有、ホワイトボードに書き込みすることができます。受講者の操作における自由度が高く、双方間のコミュニケーション機能が優れています。そのため、双方間のやり取りが盛んに行われる研修には、「ミーティング」が向いています

さらに、Zoomミーティングには、ブレイクアウトルームや投票機能などオンライン研修時に使うと便利な機能もあります。
例えば、ブレイクアウトルームは、ミーティング受講者を最大50のグループに分けることができる機能で、研修でのグループワークに活用できます。投票機能は、いくつかの選択肢を設けて、受講者が画面上で自由に回答できます。回答が終わると、瞬時に統計をとれます。単元が終わるごとに、簡単な試験を出しながら、受講者の理解度をチェックするのにおすすめの機能です。

Zoomの基本的な操作方法

Zoomの基本的な操作方法をご紹介します。
研修開催時の設定方法や、画面共有の仕方など、初めて使う人でも比較的簡単な操作でミーティングを行えます。
研修の際に使うと便利な機能の使い方も解説します。

※Zoomを使用するためには無料アカウントを作成する必要があります。詳しい登録方法は、こちらをご覧ください。

※開催の設定はchromeなどのブラウザでもできますが、アプリの方が直感的で使いやすいため、アプリのダウンロードをおすすめしています。ダウンロードはこちらのサイトに行き、「ミーティング用Zoomクライアント」をダウンロードしてください。

研修 (ミーティング)開催時の設定方法

研修(ミーティング)開催の日時が決まったら、その旨をスケジュールします。
設定方法は以下の通りです。今回はアプリでの設定方法をご案内します。

1.Zoomアプリからサインインします。
2.上にある「ミーティング」をクリックし、「+」アイコンをクリック、『ミーティングをスケジュール』をクリックします。

3.スケジューラーウインドウに開催日、時間、パスコードなど必要な項目を入力します。

トピック名: 任意で設定できます。
開始日時: 開始時刻と所要時間が設定できます。無料アカウントの場合、3名以上のグループには1回40分までの時間制限があります。それ以上長くなる場合は、有料プランに移行することをおすすめします
期的なミーティング: 何回か繰り返して開催される研修の場合にはここをチェックしカレンダーで次回のミーティングも追加できます。
ミーティングID: ここは「自動的に生成」にチェックしておけばOKです。
パスコード: 必要に応じてパスコードを設定します。これを設定した場合、受講者に知らせる必要があります。
待機室: ここをチェックすると主催者(ホスト)の許可がなければ受講者が自由に入室できなくなります。大人数の場合には受講者管理が難しくなるため、ここはチェックを外していた方が無難です。
ビデオ: ホスト、受講者のビデオのオン/オフの設定ができます。研修の場合は、受講者の理解度をみるためにも、ここはオンにしておきましょう。
カレンダー: 自身が使用しているカレンダーアプリとリンクさせることができます。
詳細オプション: 必要に応じて選択します。最初は講義があるため、静かな状態で開始したい場合は「エントリー時の受講者をミュート」にチェックします。

4.「保存」をクリックすると、開催URLが表示されるため、それをコピーして受講者にメールなどで知らせます。何回も開催する場合は、受講者全員のカレンダーを共有しておくと、設定するごとにメールなどで知らせたりする手間が省けます。

画面共有の仕方

Zoomミーティングで研修を開催する際には、画面共有機能がおすすめです。画面共有は自分のPC画面やファイルを受講者と共有できる機能です。研修では、講師のPC画面を受講者に見てもらうことができます。資料や映像といった視覚的な情報を見せながら研修を進めることができるので、受講者の理解度をより深められます。

画面共有の方法は以下の通りです。

1.Zoomミーティングを実行します。
2.画面共有アイコンをクリックして、画面共有範囲を選択します(ブラウザのみ、PCの全画面)。

3.「共有」ボタンをクリックすると、画面共有が開始されます。

【共有した資料に書き込んだり、スポットライトを当てたい場合】
画面共有中は、「コメントを付ける」をクリックすると、共有資料にマーカーを付けたり、書き込んだりすることもできます。また、パレットの「スポットライト」を選択すれば、受講者に見せたい場所にスポットライトを当てることができます。

▲共有資料に書き込むこともできる

4.画面共有を停止したい場合は、「画面共有の停止」ボタンをクリックすると、共有が終了します。

ホワイトボードの使い方

画面と同じように共有して使える機能にホワイトボードがあります。
会議室にあるようなホワイトボードをパソコンの画面上で再現し、共有することができる機能です。講師が書き込んだり、受講者が書き込むことができます。
ホワイトボードの使い方は以下の通りです。

1.Zoomを立ち上げた状態で画面共有アイコンをクリックします。
2.ホワイトボードを選択し、「共有」ボタンをクリック。
3.テキストなどを書き込むことができるようになります。ホワイトボードに書いた内容は、簡単に修正や消去ができます。
4.共有を停止したい場合は、赤い「共有の停止」ボタンをクリックします。

投票機能の使い方

Zoomミーティング内では投票機能も使えます。
研修後に投票をとるために使用できるのはもちろんのこと、研修の習熟度を測るために出題したり、息抜きのためのゲームに使用したりすることができます。
投票機能はホストが有料プランの「Pro (プロ) 」以上である必要があります。この機能を使用したい場合、有料プランに加入しなければならないのでご注意ください。また、投票機能を使用できるのはスケジュールされたミーティングのみとなります。スケジューリングする際に投票機能を設定するようにしてください。
投票機能を設定するには、ブラウザでZoomウェブポータルにアクセスし、サインしてから行います。

【質問内容を設定する】

1.Zoomウェブポータルからサインイン後「アカウント設定」をクリックします。
2.ミーティングタブの投票オプションに移動し、設定を有効にします。
3.マイミーティングページに移動します。
4.スケジュール済みのミーティングをクリックします。
5.「投票」オプション横にある「追加」をクリックして、投票を作成します。
6.質問は「単一選択」か「複数選択」をチェックして、質問を入力し、次に回答を入力します。複数質問がある場合は、この作業を繰り返します。一つのミーティングに対して最大25問の質問が設定できます。
7.最後に「保存」をクリックします。

【投票を開始する】

1.ミーティングを開始します。メニューバーから「投票」を選択します。
2.開始する投票(質問事項)を選択し、「投票の起動」をクリックします。
3.受講者に投票を求める画面が表示されるため、回答を待ちます。
4.回答の結果は常時ホストの画面に表示されます。「投票の終了」ボタンをおすと、投票が締め切られ、結果が表示されます。
5.投票結果を受講者に共有したい場合は、「結果を共有」ボタンをクリックします。投票を続けたい場合は、「ポーリングを再開」ボタンをクリックします。

また研修終了後、投票結果は、レポートページからダウンロードすることができます。

チャットや挙手機能の使い方

チャット機能や挙手機能を利用することで、主催者や講師は受講者の反応を知ることができます。
チャット機能は短いメッセージを送ることができる機能です。これを利用して受講者に質問することが可能です。
また挙手機能は多数決を決める際や意思を伝える際に役立ちます。

【チャット機能の使い方】

1.Zoomミーティング参加画面でチャットアイコンをクリックします。
2.画面右に現れる「ここにメッセージを入力します」と書かれた枠内にメッセージを入力して、Enterを押します。また、メッセージはあて先を設定することで、全員又は個別に送ることも可能です。

【挙手機能の使い方】

※これは受講者が使用できる機能です。
1.受講者は講師に質問したい時など「挙手」機能を使用する場合はZoomミーティング参加画面から「反応」アイコンクリックします。2.ウインドウが開くので、「手を挙げる」をクリックします。

グループワーク(ブレイクアウトルーム)の設定方法

研修中のグループワークにぜひ利用していただきたい機能がブレイクアウトルームです。
ブレイクアウトルームを使えば受講者を何人かのグループに分けることができます。

使用方法は以下の通りです。

1.Zoomミーティングを開始します
2.ブレイクアウトルームをクリックします
3.作成したいルームの数と作成方法を選択します
4.「ブレイクアウトルームを作成する」をクリックします

作成方法は自動と手動の2通り。
自動を選択するとZoomが受講者を各ルームに受講者を平等に割り当てます。
手動の場合、各ルームにどの受講者を振り分けるのかを選択する必要があります。
➡詳しい割り当ての方法は、「初めてのオンライン講演~Zoomミーティングのブレイクアウトルームの設定方法」をご参照ください。

受講生の参加方法

受講生側のZoomミーティングへの参加方法をご紹介します。

【PCでの参加方法】

1.主催者から届いたメールに記載されているURLをクリックします。
2.「Zoom Meetings を開く」をクリック
3.「コンピューターでオーディオに参加」をクリックすると会話ができる状態になります。

会議室URLがクリックできない場合には、そのURLをコピーしてブラウザのアドレスバーに貼り付け、PCのEnterキーを押すことで開始できます。

【スマートフォンでの参加方法】

Zoomアプリがない場合は、あらかじめダウンロードしておきます。
1.主催者からもらった招待URLをタップ。
2.アプリを開き、「ミーティングに参加」をタップ。
3.招待URLの9桁か10桁の数字のミーティングIDを入力します。パスコードが必要な場合はパスコードも入力します。
4.カメラやマイクへのアクセスを許可します。

Zoomでのオンライン研修を成功させるための注意点

Zoomでのオンライン研修を成功させるためにはいくつかの注意点があります。

・事前に受講者の接続環境・機材の有無を確認する
通信環境が整っていなかったり、参加するためのデバイスがなかったりする場合もあります。事前に受講者の受信環境の確認しておくとよいでしょう。必要に応じて、ポケットWiFiやPCの貸与で対応してください。

・受講者に事前にZoomの使い方をレクチャーしておく
研修前には、一度、接続テストをかねた事前説明会を行っておくのがおすすめです。その際に、Zoomの使い方をレクチャーしておくと、当日の接続・操作トラブルを防げます。

・録画機能を使う場合には、事前に講師から許可をとっておく
Zoomには録画機能があります。録画機能を使い、研修を録画しておくと、研修後も受講者は反復学習ができます。ただし、講師によっては録画を許可していないケースもあります。肖像権や著作権の問題もあるため、録画するときは、あらかじめ講師に許可を取るようにしましょう。

・ファシリテーターをおく
オンライン研修では特に何かを発言するということに抵抗を感じる受講生もいます。そういった受講者からの発言を促すために、司会進行のような役割を担うファシリテーターをおくとよいでしょう。

特にグループワークでは、ファシリテーターの役割が重要となります。事前にグループ内でファシリテーターの役を決めさせておくことで、円滑にワークを進められます。

・Googleドキュメントなどの他のツールも効果的に活用する
Zoomではカバーしきれていない機能があります。例えば、資料の共同編集は、グループ内でレポートをまとめたり、プレゼンテーションを作成するときに必要な作業となります。共同編集できるGoogleドキュメントやスライド、Microsoftのoffice365など補助ツールを使うことで、より効果的にワークを実施できます。

Zoomはユーザー操作が直感的でわかりやすいため、初心者が使うにはもってこいのツールです。
初めてオンライン研修を主催するのであれば、ぜひこのZoomミーティングを利用して、より簡単に、そしてより実りある研修を開催してみてはいかがでしょうか。


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