マインドフルネスとは、今目の前で起きていることだけに集中している状態、あるいは意識的にその状態を作り出すことです。マインドフルネスでは余計な雑念を排除するため、ストレスに強い心を育てることができると、ビジネスパーソンの間でも注目されています。

今回はマインドフルネス研修のメリットや、システムブレーンのおすすめ研修プラン12選をご紹介します。

企業がマインドフルネス研修を取り入れるべき理由

今多くの企業がマインドフルネス研修を取り入れている理由は、主に以下の5つです。

1.職場ストレスとメンタルヘルス問題を解決する

1つ目は、マインドフルネスにより、社員のストレス軽減や、メンタルヘルス改善が期待できることです。

2022年の調査では「メンタルヘルスの不調で連続1か月以上の休職、または退職した労働者がいた事業所の割合」は13.3%でした(厚生労働省 令和4年「労働安全衛生調査(実態調査)」)。
その前年の同結果は10.1%で、メンタルに起因する休職や退職は増加傾向にあります。

このような状況を踏まえ、国内の企業の間では身体の健康だけでなく、社員のメンタルヘルスの改善への意識が高まっています。

2.チームのコミュニケーション改善に役立つ

2つ目は、チームのコミュニケーションを活性化する効果にあります。

マインドフルネスを通じて自分のストレスや不安の裏にある本心が分かれば、他者に対する考えや接し方も変化し、日常のコミュニケーションの質が高められるようになるでしょう。

また、研修という形でマインドフルネスにチーム全体で取り組む環境を作ることにも価値があります。個人の枠を超え、チーム単位で組織のあり方を考えたり、目的を意識したりできるようになるからです。

3.生産性を向上する

3つ目は、仕事への集中力や、生産性の向上が期待できることです。

マインドフルネスは「今、まさに目の前にあること」だけに意識を集中した状態と、その継続を可能にします。集中力がアップすれば、まずは個人の生産性が上がるでしょう。

そしてチームや企業全体で見ても、大きな成果を挙げられるようになります。

4.社員のウェルビーイング配慮につながる

4つ目は、マインドフルネスの習得が、社員のウェルビーイングにつながることです。

「ウェルビーイング」とは、心身に加え、さらに「社会的にも満たされている」状態のことで、SDGs達成に関わる重要な価値観の1つとして世界的にも注目を集めています。働くすべての人が、良好な人間関係の中で安心して仕事に励めるよう目指す企業が増えているのです。

今後は、社員が心身ともに健康であるだけでなく、働くことを通じて幸福感を得られる企業が支持される世の中になるでしょう。マインドフルネスはそうした次世代の企業経営の面でも、有効なヒントとなり得ます。

5.世界の有名企業がその効果を認めている

最後は、世界の有名企業が効果を認めていることです。

米グーグルが2007年にマインドフルネスに基づく研修を導入して、米国で話題を集めました。またそれよりも以前から、スティーブ・ジョブズが瞑想を実践していたことも有名です。

革新的な商品・サービスで世界の市場を塗り変えた企業や経営者がきっかけとなり、日本でもそれに続こうとする企業が増えています。

マインドフルネス研修を導入する7つのメリット

次に、マインドフルネス研修によって、具体的にどのようなメリットが得られるかを解説します。主なメリットは以下の6つです。

メリット① 社員のストレスの軽減

マインドフルネスの基本原則は「今、ここで起きていることをありのままに感じ、受け止める」ということです。それによりネガティブな感情を払拭してストレスを軽減します。

例えば社員が上司からミスを指摘されたときには、今現在の自分の心に集中することで、「次の査定で評価を下げられるかもしれない」という未来への不安や、「準備段階でもっと確認しておけばよかった」という過去の行動への後悔などに無駄な時間を奪われなくなります。

メリット② メンタルヘルス改善

2022年、アメリカ・ジョージタウン大学医療センターは、マインドフルネスに基づくプログラムが、抗うつ薬などの治療薬と同等の効果を持つという研究結果を発表しました。

また近年は脳科学の分野でも、マインドフルネスを実践することで脳に変化がもたらされることが確認されています。

これらの報告はマインドフルネスがメンタルヘルス改善に一役買うことを、科学的に実証しています。

メリット③ 幸福感向上

マインドフルネスでは、自分の過去の行動を批判的にとらえません。競争心や承認欲求といったネガティブな感情から距離を置く心理的傾向は、幸福度の向上に関連していると考えられています。

実際、2018年に広島大学の研究グループが伝えた実験結果では、「マインドフルネス的な考え方をする傾向がある人は、収入に関わらず幸福度が高い」ことが分かりました。

メリット④ 感情のセルフマネジメント

人と関わって生活する限り、怒りや悲しみ、不安、嫉妬といったネガティブな感情は避けて通れません。しかしその根本原因に向き合えば、感情のセルフマネジメントは可能です。社員が自身の心の状態を客観的に受け止める訓練を繰り返すことで、どんな状況でも冷静さを保つ力が獲得できます。

メリット⑤ 集中力・パフォーマンスの向上

社員がマインドフルネスを実践することで集中力を鍛えることができます。

例えばマインドフルネス瞑想では、まず自分の呼吸に意識を集中することで、他のことに意識が逸れたときにすぐ気づくことができるようになります。この繰り返しが集中力強化のトレーニングになるのです。

メリット⑥ 創造性への刺激

社員がマインドフルネスで「自分を思いやる心」を育むことにより、精神的にリラックスした状態で仕事に臨めます。また、時間を忘れるほど集中している時は、アイデアやひらめきが生まれやすくなることが知られています。マインドフルネスは人の創造性も刺激してくれるのです。

メリット⑦ 社会的行動の促進

社員がマインドフルネスを実践すれば、他人への声かけや手助けができるようになることが、複数の研究やアンケートにより明らかになっています。

マインドフルネスに関する調査結果では、「10分未満の短いマインドフルネスを習慣にするだけで社会的行動が促進されること」が確認されています。また、マインドフルネス専門機関のアンケートによると、多くの実践者が「実践前と比較してコンパッション(思いやり)やコミュニケーションに関する行動に良い変化があった」と認めています。

マインドフルネス研修で学べる内容

それではマインドフルネス研修では具体的にどのようなことが学べるのでしょうか? 主な内容は以下の6つです。

マインドフルネスの基本原則

研修ではまず「マインドフルネスとは何か?」という概論を学びます。

なぜ職場の研修で学ぶ必要があり、科学的にはどういった根拠に基づいているかなどの基本的な考え方、取り組むことで得られる多様な効果について、講師から説明を受けます。

呼吸瞑想

マインドフルネス瞑想には、他にもヨガ瞑想や歩行瞑想、食事瞑想などいくつかの種類がありますが、呼吸に集中する方法は最もシンプルで初心者向けです。
参加者は椅子に腰かける、床にあぐらをかくなどのリラックスした姿勢で、肩の力を抜きます。腹式呼吸を繰り返しながら自分の呼吸にひたすら意識を集中します。

集中力が途切れたらその都度その原因に向き合い、再び呼吸に意識を戻します。これを何度も繰り返すことで、やがて心を落ち着けられるようになります。

呼吸瞑想は10分前後の短い時間で取り組めます。

ボディ・スキャン

呼吸瞑想が呼吸の1点だけに意識を向けるのに対して、ボディ・スキャンは全身の感覚に意識を向ける方法です。

参加者は床に仰向けになって行うのが一般的ですが、研修では座った状態で取り組むことも多いです。ボディ・スキャンでは、参加者が足のつま先から頭頂に向けて、自身の体のパーツの状態を、順番にチェックしていきます。足の筋肉がどのような状態か、顔に触れている空気の温度などを一つひとつ確認していくことで、10分強の瞑想状態を維持します。

ジャーナリング(書く瞑想)

ジャーナリングは、「書く」という行為自体に集中する方法です。

テーマを1つ決めて、そこから連想した言葉を、ペンや鉛筆で紙に書き留めていきます。後から書いた内容を見直すことで、自身の心の状態を客観的に分析できるのが特徴です。

思考や感情パターンの自己理解

マインドフルネス研修では、個人ワークなどを通じて、自身の思考や感情のパターンを分析する方法も学びます。

マインドフルネス研修では参加者が自身の思考や感情を客観的に見つめられるため、怒りや思い込み、偏見などの無意識の癖に気づくことができます。

例えば怒りの原因の1つは、他者への期待値が高すぎることにあります。これを意図的に下げて許容範囲を広げられるようになれば、怒りを上手くコントロールできるようになるでしょう。

マインドフルネスを取り入れたコミュニケーション方法

マインドフルネスを取り入れたコミュニケーション研修は、職場の人間関係に大きな効果をもたらします。

マインドフルネスの基本姿勢を、自分ではなく他者に対して適用することで、相手の話をそのまま聞くことができるようになります。社員が、無闇に批判したり腹を立てたりせず、今目の前にいる相手に対し、感情を受け入れられるスキルを習得すれば、仕事の成果にも変化が現れるでしょう。

SBのマインドフルネス研修おすすめプラン

システムブレーンでも人気講師によるマインドフルネス研修を多数ご用意しています。今回は以下におすすめプラン12選をご紹介します。


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伊藤加奈子

マインドフルネスNLP®コーチ&カウンセラー

マインドフルネス・ヨガ
~今、ここに集中し、心地よい自分を取り戻す~

ヨガインストラクターでもある講師の指導の下、ヨガのポーズをとりながら心身を整える感覚を体験できます。瞑想とヨガを組み合わせたマインドフルネス・ヨガを習得します。


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石上友梨

臨床心理士、公認心理師、ヨガインストラクター

集中力UP!ストレス対処力向上!
マインドフルネス瞑想ワークショップ

臨床心理士の資格を持つ講師による、ワークショップを中心としたマインドフルネス瞑想の研修プランです。ボディ・スキャンや歩行瞑想など、体験を通じて自分に合ったマインドフルネスを見つけられる点が人気です。


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岩崎裕也

社会保険労務士
国家資格キャリアコンサルタント

働くに活かすマインドフルネス研修

社会保険労務士の講師に、マインドフルネスを活用した健康経営について学べるプランです。社員にマインドフルネスを奨励することで、職場のストレス低減、パフォーマンス向上が期待できます。


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加藤浩司

グローブ合同会社代表 働き方改革・健康マネジメントの専門家

仕事のパフォーマンスを最高にする
「健康マネジメント」メソッド

外資系企業で経験を積んだのち、大学院でマインドフルネス瞑想を学んだ異色の経歴を持つ講師。独自に開発した「シングルタスク集中メソッド」をワークで体験すれば、日々の仕事力向上につなげられるでしょう。


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野田雅士

心理相談員
認定心理士

メンタルヘルス セルフケア マインドフルネス & 身体感覚の復活

産業カウンセラーとして長年の実績がある講師が、自分の疲労やストレスに気づきにくくなってしまった人のために、マインドフルネスを通して身体感覚を取り戻す方法を伝えます。


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葉月ようか

MBSR講師
マインドフル・イーティング講師

気づきの習慣化!マインドフルネス

マインドフルネスの集中トレーニング・MBSRの講師として活躍する講師による、初心者向けプログラム。脳科学の観点から、エビデンスを交えつつ、マインドフルネスの重要性や実践方法を学べるプランです。


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八田幸子

一般社団法人日本声ヨガ協会 代表理事

マインドフルネス研修

元スポーツキャスターである講師による、ウェルビーイングのための研修プランです。一部上場の大手企業などにも導入され、これまで5,000名以上が参加した実績があります。


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山本 忍

株式会社アマーイズ代表取締役、マインドフルネススペシャリスト

マインドフルに生きる~ストレス社会を乗り切るための自分との向き合い方~

マインドフルネススペシャリスト、さらにホスピタリティコーチとして活動する講師。日々のストレスや悩みから抜け出し、今に集中して生きることで自分との向き合い方が分かります。誰にでも分かりやすい内容です。


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三木康司

株式会社enmono 代表取締役

マインドフルネス研修

世界最大の禅とマインドフルネスの国際カンファレンス「Zen2.0」を主宰する講師による研修プランです。マインドフルネスを活用したイノベーション経営手法「Zenschool」はメディアでも紹介され、多くのビジネスパーソンに注目されています。


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森昭一郎

Coaching / HR Consulting Office Kizkey 代表 プロコーチ

マインドフルネス研修

「人の心の内側にこそ幸福の基盤がある」と考える講師による、マインドフルネスをベースにしたストレスマネジメント・セルフコントロール研修です。文部科学省で働いたのち、早稲田大学や琉球大学でマインドフルネスを学んだ講師が、成長し幸せに生きるためのポイントをお伝えします。


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泰丘良玄

禅宗 臨済宗妙心寺派 寶雲山泰岳寺 副住職

理工学部出身のお坊さんから学ぶ!
~ビジネスで活かせるメンタルヘルス~

「マインドフルネスの原点は仏教の禅にあり。」禅宗の副住職である講師は、若い頃はIT企業で働くことを目指して理工学部で学んだ経験があります。ビジネスで活かせるマインドフルネスについて分かりやすく学べるプランです。


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山西敏博

国際音楽メンタルセラピスト協会会長(童謡コンシェルジュ)

【安全管理・労災防止・社内円満】
やる氣向上による意識改革
マインドフルネス講座

安全管理・労災防止の観点を取り入れたマインドフルネス研修プランです。社員のモチベーション向上を実現し、職場の意識改革にもつながります。企業経営者と現場の従業員、双方の視点から役立ちます。

マインドフルネス研修の注意点

マインドフルネス研修の実施にあたって注意しておくべき5つのポイントについて解説します。

ネガティブ感情の表出

マインドフルネスで参加者が自身の感情を冷静に見つめた結果、ネガティブな感情に気づくこともあります。参加者がそういった場に慣れていないと、かえって不安や悲しみを強めてしまうケースも想定されます。したがって、研修で感情への対処法をしっかり伝えてフォローしましょう。

研修内容の事前共有

参加者が自身のありのままの感情に向き合わなくてはならないことに対して、人によっては抵抗を感じるかもしれません。事前に研修内容と意義を共有して、心構えをしてもらいつつ、前向きに取り組んでもらえるよう配慮してください。

本人の参加意思の尊重

さらにマインドフルネス研修は、すべての社員に参加を強制しないことです。特にすでにメンタル面での不調を抱えている社員には配慮が不可欠です。上司や産業医などとも連携した上で、本人の参加意思を尊重しましょう。

信頼できる講師の選定

講師の選定も重要なポイントです。精神や心理に関するテーマは非常にデリケートで、参加者に悪い影響を及ぼしてしまう危険性もあります。依頼前でもそうした点を納得いくまで相談でき、なおかつ信頼できる資格や実績がある講師を選ぶようにしましょう。

継続的な実践の推進

十分な効果を上げるには、継続してマインドフルネスに取り組むことも大切です。会社として、社員がマインドフルネスに取り組むための時間や場所を設けて、習慣化をサポートしましょう。

職場全体でマインドフルネスを習慣化すれば、社員の心身の健康や人間関係の改善、業務生産性の向上も期待できます。システムブレーンでは実績のある講師によるマインドフルネス研修のプランを豊富に用意していますので、研修をお考えの担当者様はぜひ一度ご相談ください。

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