ホスピタリティ、チーム力…USJを支える5つの人材スキル　出身講師も紹介

今や東京ディズニーランドに匹敵する人気テーマパークとなった、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)。最高レベルの満足度を実現しているのは、現場のチームワークとクルー一人ひとりのホスピタリティです。

本記事ではUSJを支える人材に共通するスキルと、それを習得するための研修のポイントを解説します。

USJの社員・クルー研修の特徴

なぜUSJの社員や、クルーと呼ばれるアルバイトスタッフは高い顧客満足度を実現できるのでしょうか？ここではUSJ式の研修の魅力を解説します。

テーマパークを支える人材に求められることを学べる

USJのwebサイトでは「来場客に感動を与えるのはクルー一人ひとりの想いと行動である」という考えを公表しています。そのために来場客に喜んでもらうにはどうすればいいかを自分の頭で考え、積極的に行動に移せる、自律型人材を育成しています。

自律型人材は高い顧客満足度の達成という目標を共有し、困難なことでも互いのスキルを信じて「このチームなら必ずできる」という気持ちで自身の役割をしっかりと果たします。

多様かつ柔軟な研修プログラムで一人ひとりの成長をうながす

USJは人材育成において多様性を重視しています。ダイバーシティ方針の表明、人事制度や福利厚生の整備などに並ぶ要素として、研修を含む人材育成プログラムを位置づけています。

研修体系は、新入社員や管理職などの階層別のプログラムとは別に、コミュニケーションやリーダーシップなど、本人のニーズに応じたスキル研修を組み合わせられるようになっています。主体的に選択・構築させ、従業員の学習意欲を高める仕組みです。

研修で習得できる「USJ式」5つの知識やスキル

USJ式の人材育成研修では、社員はおもに以下の5つの知識とスキルを身に付けられます。

①話し方や表情などのコミュニケーション術

まずはテーマパークのスタッフが備えている、初めて会う来場客にも一瞬で好意を持ってもらえるようなコミュニケーションスキルです。

コミュニケーションにおいて相手への印象を大きく左右するのは、実は話している内容ではありません。むしろ表情や身振り・手振り、話すときの声のトーンなどです。

受講者は営業や接客の現場でも生かせる、身だしなみや相手への呼びかけ方、感情を表現する動きなどを身に付けられます。

②接客・ホスピタリティ

2つ目は、USJクルーの接客スキルやホスピタリティです。

例えばUSJには「パーク・コンシェルジュ」と呼ばれる、おもてなしのプロ集団が存在します。パーク・コンシェルジュたちはさまざまな年齢、性別、国籍をもつすべての来場客に楽しく快適な時間を過ごしてもらうため、パークに関する知識を日々アップデートして訓練し、英語などの語学も勉強します。

研修では、そうしたクルーに代表される一流のホスピタリティを習得できます。

③よりよい顧客体験(CX)

3つ目は、企業が顧客体験向上を目指すことの重要性です。顧客体験とは、顧客がある企業に興味を持ってから、製品やサービスの利用・評価に至るまでのすべての接点のことで、カスタマー・エクスペリエンス(CX)とも呼ばれます。

例えばテーマパークなら、現場でスタッフがどれだけ気持ち良い接客をしたとしても、アトラクションの待ち時間が長くて不満が残ったり、いつも変わり映えしないイメージでリピートがなかったりすると、良い顧客体験を提供できたとは言えないでしょう。

企業にも、直接的なコミュニケーション術や接客術だけでなく、製品やサービスの顧客体験向上という広い視点が重要です。これを学び、顧客に総合的に満足してもらうための力を強化します。

④チームワーク強化・チームビルディング

4つ目はチームワークの強化やチームビルディングのスキルです。

クルーの行動指標の一つ「Team Players」は、「チーム一丸となって協力して目標を達成する」という姿勢を表しています。表舞台で活躍するクルー以外、例えばサービス開発や設備の保守など、パークを裏で支えている職種にも浸透しています。

研修では一人ひとりの力を最大限に高め合うチームビルディングや、業務の成果が出やすい人間関係の構築の仕方を学びます。

⑤リーダーシップ

最後はリーダーシップです。

USJで働くスタッフの接客レベルや仕事への意欲が高いのは、身近なところに模範となるリーダーがいるからです。研修では、チームのメンバーの自発的な成長を促すコミュニケーションなど、リーダーシップスキルを習得し、組織力を高めます。

研修でテーマパーク企業の考え方や手法を学ぶ3つのメリット

それではテーマパーク業界以外の企業がUSJ式の研修を導入して、具体的にどのような成果が得られるのでしょうか。ここではUSJ式研修の3つのメリットを解説します。

メリット1.自ら考えて行動する人材の創出

研修でUSJの考えや事例を学ぶことで、自ら考えて行動する、主体性のある人材を創出できます。

USJでは例えば、理念を実現する人材に必要な「USJマインド」と「ビジネススキル」、そして専門性の高い知識やスキルである「プロフェッショナルスキル」の3つの教育体系を提供。これらをバランスよく身に付けるのが重要と考えています。

そのうえで従業員向け方針の策定や、エンゲージメントの定期調査による課題抽出と解決、多様な人材の雇用などを行い、働きやすい環境の整備から、働きやすい職場としての評価向上につなげてきました。

USJ式の研修ではそうした人材育成の秘訣が学べます。

メリット2.顧客満足度アップ

USJ流の人材育成を実践すれば、顧客満足度向上が期待できます。

スパコロが2023年に発表した「ユーザー意識可視化調査 USJ編」によると、「スタッフの対応」や「パーク内の快適さ」などを総合したUSJの満足度は86.3％となっており、USJを利用したことがある来場客の9割近くが満足していることが明らかになりました。

USJはCS(顧客満足度)はES(従業員満足度)と表裏一体であり、従業員が働きがいを感じやすい環境づくりは、顧客への感動の提供につながると考えています。こうした顧客満足を生み出すノウハウは、あらゆる業界のサービスや製品にも応用できるものです。

メリット3.自社サービスのブランド向上

USJといえば、開業から長く低迷していた業績を、ブランド価値の向上によって一気にV字回復させたことが知られています。

USJのブランド価値向上を実現させたのは、その高度なマーケティング戦略です。徹底した顧客目線で求められているアトラクションやショーを設計しました。

まずは顧客を映画ファンに限定せず、広くファミリー層や海外からの来場客に特定。サービスに見合う価格設定に改善し、相互のPRにつながる企業コラボレーションを強化するなどで、他のテーマパークとの徹底した差別化に成功しました。

こうした事例から、企業がブランド向上について学べるヒントも多いでしょう。

USJ式研修をレクチャーするSB講師

次にUSJ式研修で人気を集める、当社おすすめの講師を紹介します。

USJにはアトラクションを利用した一般企業向け研修も

なお現在USJでは「ジュラシック・パーク」のアトラクションを利用した企業研修プログラムを提供しています。

「謎解きゲームのスタイルでチームで力を合わせてミッションをクリアしていくと、自ずとチームワークやコミュニケーション力が鍛えられる」という仕掛けで、こちらも企業から注目されています。

楽しみながら知識やスキルを習得できるのがUSJの研修スタイルで、受講者が研修に没頭することで高い学習効果が期待できます。成果に直結する研修を導入したいとお考えの企業の方は、USJ式の研修導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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