想定する対象者
向学心に燃え博士号取得に興味があるが、自分にはどうしたらよいのか、どのような切り口でチャレンジすればよいのか、具体的な行動に踏み切れずに日々を過ごしている人達を対象としています。また、博士号取得以外の何らかの自己研鑽を考えている諸氏にもお役に立つと思います。
日頃感じていた業務上の問題を解決する研究や、仕事から得た知識・経験を集大成する研究をしたい、と考える社会人が大勢いると聞きます。でも「博士号なんて夢のまた夢だ。働きながら取得できるような簡単なものではない。」と思う人達がほとんどのようです。ところで「研究とは何ですか?」と聞いたら、この中の何人が即答できるでしょうか。博士後期課程に入学した当初の私も答えられませんでした。私の研究は、「研究とは何か」から始まりました。「彼を知り己を知れば百戦して殆うからず。」という孫子の兵法は、博士号取得にも通じます。しかし、研究とその延長線上にある博士号という「彼」が何なのか全く分からない。これが受講者の抱える課題です。
提供する価値・伝えたい事
受講者へ提供する価値は、働きながら博士号を取得するためのノウハウです。「研究とは何か?」、「研究課題はどうやって選択するか?」「どのような指導教官に指導をお願いするか?」「どのような学会が有利なのか?」「論文の査読をどのようにして突破するか?」等々について、書籍やインターネットからは得られない講師の体験談から得たノウハウを、失敗談やちょっと泣かせる話などを交えながらお話しします。お話しするノウハウはどれも重要ですが、一つだけ紹介するなら、指導教官との出会いです。その指導教官は博士を取らせることに熱意とノウハウを持っているかどうか、これを見極めることがとても大切です。これを誤ると博士取得が夢物語になりかねません。
講師が伝えたい事は、「夢を捨ててはいけない。あなたも博士になれる。」ということです。講師が大学(大学院ではありません)に初めて入学したのは40歳のとき、家族も仕事もありました。それから博士号にたどり着くまで20年かかりました。なぜ40歳で初めて大学なのか、というと高校の時の躓きから勉学への意欲を全くなくしてしまったからです。
確かに博士号取得は簡単なことではなく、そのための相応の努力が必要です。しかし、その「努力」はハチマキ巻いてがむしゃらに払う努力ではなく、博士号取得に必要な要件をしっかり見極めそれを満たすための「正しい」努力です。もし貴方がご自分の人生に今以上の満足を求め何かに挑戦したいと考えているのであれば、私は迷わず博士取得をお勧めします。
内 容
1.どうして博士になろうとしたのか?
(1)高校で躓いた私がどこまでできるかというチャレンジ。
(2)培ってきた知識と経験を次世代、特に若い人達に伝えることによる社会貢献。
(3)教壇へのあこがれを現実に。
2.社会人の強みを認識しよう。現役学生との違い
(1)時間はないが学生にはない知識と経験がある。
(2)百戦錬磨の中で得た要領のよさ、とずるさがある。
(3)手伝ってくれる学生に一杯ごちそうする小銭がある。
4.「研究」とは何か? ノーベル賞級の研究だけじゃない。
(1)誰も言っていない正しいことを探すこと。
(2)高い山の頂上に小石を載せるようなもの。
5.「論文」とは何か?
未解決の問題の解決に対する何らかの貢献を書いた文書。
6.研究テーマをどのようにして決めたのか?
(1)研究したいテーマではなく研究できるテーマ(受験勉強に似てる?)。
(2)試行錯誤のため、1年を棒に振る。
(3)研究テーマは身の周りにある。
7.博士を取らせることが上手な教官を探せ
(1)これが最大のポイント。教官の熱意と能力が大きくモノを言う。
(2)学生指導に熱心ではない先生もいる。私の教官は、平日の夜や休日に指導してくれた。これが最大の勝因。
(3)上手な教官の下には仲間が集う。10余名の社会人と一緒に研究できたことが第2の勝因。この数年間で全員が博士を取得。
8.博士取得の条件をしっかり調べる・比べる
(1)学会誌に掲載された論文の数などに違いがある。私の場合は3本だが1本と学内発表だけの大学もある。
(2)ある大学では、入学時に取得要件をクリアしていた学会の論文が、公聴会で否定された。論文が否定されると研究していないかったことになる。
9.博士を取ってよかったこと、悪かったこと
(1)周りの見る目が違う。
(2)費用と時間がかかった。ただ、これは以後の活動次第で元が取れる。
10.最後に(自己研鑽のすすめ)
夢を捨ててはいけません。博士取得に限らず、思っていることがあるなら、孫子の兵法に倣い、その思っているものの実体を入念に調べどのようにしたら手に入るかじっくり考えてください。漠然と捉えるのではなく、目的達成のための課題を細分化し、それを一つずつ克服する方法を考え、実行すればよいのです。
根拠・関連する活動歴
業務の傍ら40歳で初の大学入学、そして還暦を迎える年に博士号を取得。
業務外の講師への取次は対応しておりません。