想定する対象者
安全管理者
提供する価値・伝えたい事
厚生労働省は、「第13次労働災害防止計画(18年4月~23年3月)」を推進している。この計画は、労働災害を少しでも減らし、安心して働くことができる職場の実現に向け、国、事業者、労働者が目指す目標(17年実績より死亡災害:15%以上減少/978人→831人、死傷災害:5%以上減少/120,460人→114,437人)や重点取り組む事項を定めたものである。
各々の事業場おいては、従業員一人ひとりは、かけがえのない存在であり絶対にケカ゛させてはならない。そのためには、事業者・管理者・従業員が一体となって、日々の仕事がより安全なものになるよう努力する必要となる。その実現に向けた災害防止活動の見える化・共有化などの施策についてお伝えします。
内 容
①12次防の結果を事故の型別(全産業に占める比率)で見ると、「転倒(30%)」や「動作の反動・無理な動作(35%)」が大きく増加しているが、これ以外の事故の型別死傷者数は減少している。転倒=骨折などから作業者の高齢化によるものが、増加要因として考えられる。
②「動作の反動・無理な動作」とは、事故の型分類に含まれないケースであって、重い物を持ち上げて腰をギックリさせたというように身体の動き、不自然な姿勢、動作の反動などが起因した災害をいう。バランスを失って墜落、重い物を持ちすぎて転倒などの場合は、無理な動作などが関係したものであるが「墜落・転落」や「転倒」に分類する。 ⇒災害事例紹介
③これらの災害の直接原因として、「躓き」、「滑り」、「筋力の衰え」などがある。対策として通路、作業床には物を置かない。また、床面の凹凸をできるだけなくし、水や油が落ちていれば拭き取る。本質安全化策では、防滑マットやテープを貼る。作業者は防滑靴を履く。筋力の衰えた高齢者には、簡単な筋力トレーニングも効果的である。
④すべての災害防止活動に言えることであるが、55(整理・整頓・清潔・清掃・躾)、ヒヤリ・ハット活動や指差呼称・パトロールなど危険の見える化・分かる化を行うと安全感性が高まり、災害防止に繋がっていく。
⑤災害は、安全管理不十分と不安全状態+不安全行動から発生するが、その多くは作業者のミスやエラーである。すべての人の心の中には、近道や省略行為などをする「3つの魔物(魔ぁええか等)」が潜んでいる。その対策として、KYや声掛け、パトロールなどの災害防止活動を行っているが、「言われたからやっている」といった意識になっていないか?を管理者も作業者自身も点検しなければならない。
⑥万一、重大災害が発生すると被災者に申し訳ないと思うとともに、加害者と上司・会社に対し責任(両罰規定)が科せられる。具体的には4つの責任(刑事、民事、行政、社会的)が問われる。→裁判事例紹介
⑦作業に伴うミスをする誘発する魔物を封じ込めるためには、「適度な緊張」と「3秒の間」が有効である。作業時に指差呼称をすることで、自分と仲間の安全が確保できる。管理者は、作業者の行動に違反があれば即指摘・改善させる。小さな違反行為を見逃していると重大災害をまねくこととなる。→提案①
⑧安全風土を醸成し活動を永続させるには、「指摘する管理者と指摘される作業者」の関係を打破する必要がある。管理者がリスクアセスメントを理解することで、指摘の分かる化が実現する。→提案②/実習
⑨ヒヤリや安全改善、パトロール、災害報告などにもリスクアセスメントを導入する。このことによって、現場の危険が関係者全員に見える化・共有化できる。災害防止活動の5Sの躾は、管理側からの「おしつけ」では継続しない。大切なのは「レベルは低くても、作業者で考えた『やるゾ』の活動」である。
⑩ゼロ災職場は、風通しよく作業者も活きいきしている。生産性はもちろん、良品づくりにも繋がるし、お客様からの信頼も得ることができる。まさに「あんぜんの力」は会社発展の礎といえる。
業務外の講師への取次は対応しておりません。