想定する対象者
現役教師(管理職・一般教員)、教育委員会の方々
提供する価値・伝えたい事
残業時間の上限を原則「月45時間、年間360時間」以内と定めた文科省指針の遵守に向け、中教審は公立校教員の長時間労働を是正する働き方改革(タイムカードの導入、部活動時間制限等)を答申しましたが、この内容では現場では教員の働き方改革は進みません。
もっと教員の仕事の現状・特性(自主的に取り組む仕事が多く明確な終わりがない、教員が直接しなくてもよい仕事が増えている、教職員給与特別措置法がサービス残業を助長する、部活指導の職務への位置づけがあいまいなまま など)を直視し、教員が意欲・やりがいをもって子供たちに関わる本来の仕事にまい進できるように、真の働き方改革を提言したいと思います。
内 容
1 学校現場(教員勤務)の実態
ア.実労働時間が年々増加(実残業時間が過労死ラインの月80時間を超えることも当たり前)
イ.身体的精神的疲弊要因(事務処理や調査集計、外部への対応、保護者対応など)の増加
2 教員の実労働時間・残業時間が増える理由
ア.教員の仕事上の特性(自主的個人的に取り組む仕事が多く、明確な終わりがない)
イ.文科省(教委)から依頼される調査・集計処理、計画訪問のための指導案作成など、直接児童生徒に関わらない仕事の増加
ウ.外部からの苦情・クレーム(電話や訪問者)への対応
エ.登下校指導をはじめとする交通安全指導や交通事故対応
オ.保護者からの様々な要求・クレームなどへの対応の増加
カ.部活指導に割く時間の長さや負担の増加 など
3 真の教員働き方改革三本柱
① 教員の正式な職務の明確化・法制化と国民への周知徹底
*教員の職務から外してもよいもの:ア.学校外での生徒指導 イ.交通指導・交通事故対応 ウ.外部からの苦情・クレームへの対応 エ.全国(県)一律の調査や直接児童生徒に関わらない調査 など
② 教職員給与特別措置法の廃止と平日等の残業手当支給
*留意点:①の仕事の精査が進まなければ、在宅の仕事が増えるなど逆効果になることには注意!
③ 部活指導の職務への明確な位置づけ
*理想は正式な職務に位置付けることだが、大幅な残業代・人件費増加分を確保できるのか?
逆に校務ではないなら、中・高体連の在り方や教員の身分・補償を明確にする必要あり
4 求められる外部からの改革(まとめ)
教員の働き方改革は、その特性からまず先に外部(学校外)から法・制度改革を行い、職務範囲を明確にしたうえで、内部(学校・教員)の改革につなげていかない限り実効性はありません。
学校教育の崩壊→日本社会の混迷とならないためにも、国民全体で教育(学校)環境の改善に取り組む時期に来ていると思います。
根拠・関連する活動歴
1 執筆活動
① 著書:「すばらしきかな、教師人生」(2015年:共栄書房)
「いじめの正体」(2017年:共栄書房)
② アゴラ―言論プラットフォーム― 寄稿:「真の教員働き方改革実現に向けて」(2019.4.28)
2 講演活動 教員対象の講演会実績…テーマ:「先生が元気になる話」他
3 ホームページ:「先生が元気になる部屋」
業務外の講師への取次は対応しておりません。