古代日本の国づくり

西山史一
にしやまふみかず

文化・教養

西山史一
にしやまふみかず

地球環境と共生した持続可能な世界づくりのマスタープランナー 建築家 総合参謀
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想定する対象者

経営者、リーダー層、先祖の歴史について知りたい方、国土計画・開発に関わられている官公庁、地方自治体、企業、建築やランドスケープ、都市計画の設計者、発注者など

提供する価値・伝えたい事

古墳から飛鳥、奈良時代にフォーカスして、日本のはじまりと今後について、学び、考えるための講演です。
これまで日本人の方と日本の歴史の話を話していても、どのようにこの国が始まったのか、誰がどのようにこの国をつくったのか、学校で教えられる情報以上のことを知っている人はごく一部で、日本が世界の中でも最も長く続いている国の一つであるということを知っている人も意外に少なかったりして、海外に誇るたくさんの文化や技術があるのに、もったいないと思うことが多くありました。
今まで海外の方と多くコミュニケーションを取ってきた肌感覚としては、海外では、自分の国がどのように始まったか、今までの歴史、自国の文化について詳しく知っていて、人に説明できる人が多いのが一般的に感じます。しかし、日本人でそれができる人は残念ながらあまり多くないという印象があります。
私も中学生の頃に中国の中学校を訪問して、現地の中学生と初めて英語を使って交流し、高校生の頃にドイツにホームステイと大学訪問を行い、神社とお寺の違いは何かと聴かれて明確に答えられずに恥ずかしい思いをしたり、大学院時代にドイツに留学し、日本人である自分に何か自信をもてない感覚があったり、他の国の人の方が日本の政治や経済、歴史、文化について詳しかったりして、これはまずいと思った経験もあります。また、テレビでやっている歴史番組も戦国時代や幕末明治が多く、なぜ、いつ、どのように、この日本がつくられたのかということについての番組はあまり多くないように思いました。また、学校の教育でも明確にその点について学んだというよりは、各時代の流れや誰が何をしたかの概略の歴史しか学んでこなかったと思います。なぜ、縄文から弥生、古墳、飛鳥、奈良、平安時代に移り変わっていったか?日本列島の人たちだけでその間の大変革を成し遂げていたのか?という疑問がありました。
そんなこともあり、ドイツから帰国後に日本の歴史や文化に強く興味を持ち始めて、香道のサークルに入ったり、旅をしながら各地の歴史や神社仏閣を訪ねたり、茶道や日本刀の教室に通ったりし始めました。それから、この国がどのようにつくられてきたのか、誰がどんな想いでつくってきたか、どのように維持されてきたかなどを長年調査し、日本の歴史の大きな流れとその中でどのような人々がどのような想いで何を行ってきたか、それによってこの国の歴史はどのように変わっていったかということを研究してきました。

1923年の関東大震災、その災害復興、東アジアのさらなる状況悪化と第二次世界大戦、太平洋戦争、1945年の太平洋戦争敗戦、GHQに占領統治され、教育や経済、憲法、法律、いろんな仕組みが改められ、その後、朝鮮特需、経済復興、高度経済成長期、大建設時代と自然破壊、バブル経済と突き進み、ジャパンアズナンバーワンという時代を経て、バブル崩壊、大量の不良債権処理、相次ぐ天災、原発事故、失われた30年、1000兆円の国債、コロナ、各国が金利を上げる一方で金利を上げられない日本はどんどん円安になっていく、政治とカネの問題・・・と経てきたこの約100年。国としての大きなビジョンもなく、アイデンティティも薄れていき、問題山積で対処療法的な政策ばかりで、国が今後どうなるのかどうか先行き不透明な現代。

一方、645年に乙巳の変から始まり、元号ができ、時計がつくられ、大建設時代と自然破壊、律令がつくられ、663年に白村江の戦いで中国と新羅に大敗して、国が滅びるかどうかの時代に日本書紀や古事記をつくり法律を整え中国に倣った都も整え独立国として中国に宣言した時代、その後も疫病、天災が続き、国がどうなるかどうかというところから徐々に日本という国がつくられ、仏教や神仏習合を核にした国づくりが行われた時代。710年に平城京遷都が宣言され、聖武天皇による大仏開眼法要が行われたのが752年。大化の改新が始まってから約100年を経て、大きなビジョンとともに、徐々に日本という国が固まってきた時代。

大国との戦争と敗戦、建築土木の大建設時代、自然破壊、疫病、国がどうなるか先行き不透明感など、飛鳥から奈良時代の日本と、大正から昭和、平成、令和の日本は似たようなことを経験してきているとも言えるかもしれません。しかし、国としてのビジョンの有無やその後の政策方針の明確さは明らかに異なっていると言えます。

これからどんどんグローバル化が進み、その影響が無視できない状況になる一方で、世界の常識や現状、自分自身の国のアイデンティティや現状を知らないままだと日本は危うい状態にますます進んでいくのではないかとも考えられます。また、自らの歴史や文化を忘れ、失った時に、その民族は滅びるとも言われます。今こそ、日本人は日本について知る必要がある時にあると思います。

内 容

飛鳥時代から奈良時代にかけての古代日本の国づくりとそれを行ってきた人々、その想い、時代背景、国づくりが行えた理由、日本という国の地政学、地理的特色、他国と比べた時に日本がなぜこれほど長く国体を維持できたかの要因、それを可能にした特色などについて、実際に奈良県内の各地の写真などをお見せしながらお話します。

根拠・関連する活動歴

これまで、伝統的な建築や都市、地域づくりの研究、茅葺きと持続的な地域環境形成の研究、科学的な視点での伝統建築や茅葺きの人の健康に与える研究などを行ってきました。また、研究で明らかになった知見を応用した建築やランドスケープのデザイン、コンサルなども行ってきました。
これまでの約13年以上に渡って行ってきた古代日本の国づくりや都造営、伝統建築、それをつくり支えてきた信仰、精神性の研究に基づく教育研修プログラムでは、株式会社クボタのグローバルリーダーをはじめ、国内外の企業経営者、専門家、研究者、アーティスト、伝統文化関係者、旅行社、社会人塾、官公庁勤務者、大学、団体など、合計450名以上に対して、講演や研修を行ってきました。毎回、広範囲な分野を総合的に学ぶことができた、今後の事業展開に示唆となった、視座を高めることができた、感動した、心が洗われた、事業や人生の新たなきっかけを得ることができた、面白かった、勉強になったなど多くのご感想をいただいてきました。
かつて平安京造営に大きく貢献し、都や天皇家を千年に渡り支えてきた京都の里山である山国地域で行ってきた茅葺きと持続的地域環境の研究については、NHK WORLDやBBCなどの世界的なメディアに自分が考えていた内容の番組を作っていただき、それぞれ2021年、2023年に世界放送されました。

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