提供する価値・伝えたい事
防災・危機管理を進める上で心理学の視点を抜きにした対策やマニュアルは意味がありません。
災害が発生したとき人間はどんな心理状態に陥り、とっさにどんな行動をとるのでしょうか?
例えば、煙が充満しつつあるのになぜ避難しなかったのか、津波警報、洪水警報、避難勧告が発令されても多くの人々が避難しないのはなぜか。
こうした緊急時における人間の心理を検証し、組み込まない限り実効性のある対策は困難であり「安全の死角」をなくすことはできないのです。
私は数多く現地調査を実施してきて、突発災害や不測の事件・事故に巻き込まれた人たちに共通する興味深い結果を得ました。防災対策やマニュアル作成をするときにこうした心理学的防災・危機管理を活用し、被害軽減に役立てるべきと思考します。
内 容
防災・危機管理意識と、行政や組織の「正常性バイアス」の呪縛を解くことが重要だと思っている。
それは全ての市町村などの防災マニュアル、地域防災計画に共通することではあるが、ほとんどが防災・危機管理専門職としての「危機管理監」を置いていないことに起因している。
災害が発生すると市町村は、地域防災計画に基づき「災害対策本部」を設置し、市町村長が本部長となる仕組みになっている。しかし、市町村長は哀しいかな防災・危機管理の専門家ではなく、臨機応変の適切な緊急対応など期待できないのだ。ましてや「正常性バイアス」にとらわれた組織や住民の呪縛を解くことはできないのである。
災害国日本には日本に住む作法があるのだ。住民の命を防災・危機管理の素人に任せてはならない。そして、災害が発生してから対策本部を設置するのではなく、日本のような災害多発国では「防災・危機管理対策室」を常設し、危機管理監を配属することが重要である。
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