想定する対象者
ビジネスパーソン、経営者・管理職
職権などのパワーを利用して人格と尊厳を侵害したり、就業者の働く環境を悪化させるパワーハラスメント(パワハラ)に関する裁判や相談は増加するばかりです。
パワハラと言っても、言葉によるもの、態度や行為によるもの、人事権・懲戒免職を行うなどさまざまです。
提供する価値・伝えたい事
そこで、パワハラがなぜ起こるのか、その原因と背景を解明し、被害を受けた場合の対処法などを具体的に伝授します。
また、「指導」と「パワハラ」の境界線は、何なのか?パワハラの法的責任とはどのようなものなのか?など
あいまいな部分を確認し、パワハラのない職場作りのアドバイスをします。
内 容
【1】パワーハラスメント(パワハラ和製英語)
-立場を利用した指導・激励と言語的暴力の限界…現在,増加中の裁判と相談-
「職権などのパワーを背景にして、本来の業務の範疇を超えて、継続的に人格と尊厳を侵害する言動を行い、就業者の働く関係を悪化させ、あるいは雇用不安を与えること(岡田氏クレオ・シーキューブ代表)」
【2】近時の代表的裁判例の紹介
(1)消費者金融(京都)のセクハラ・パワハラ事件(2006年)
(2)パワハラ自殺で労災認定:東京地裁(2007年)
(3)海上自衛隊内でうつによる自殺事件 福岡高裁(2008年)
(4)上司のパワハラ、脳梗塞の原因に 東京高裁が労災認定(2008年)
(5)警視庁内でパワハラ、都に300万円の賠償命令 東京地裁(2008年)
【3】パワハラ事例の分類
(1)ことばによるパワハラ
(2)態度や行為によるパワハラ
(3)人事権・業務命令・懲戒免職などによるパワハラ
(4)マクロミルの「パワーハラスメント」ネットリサーチ(2005年11月)
【4】パワハラと労働現場
(1)パワーハラスメント現象
(2)今日の問題点
【5】パワハラの原因と背景
(1)世界的な現象…諸外国での立法化の増加 EU諸国・ILO
(2)閉ざされた権力空間 抑圧された空間 集団の個人(少数派)に対する不当な攻撃
(3)原因と背景
・従来の終身雇用、年功序列から、能力主義、成果主義へ
・職場のリストラ
・時代変化のスピード化とIT機器等の急速な発達
・コミュニケーション能力不足の社員増加
・ワンマン社長や上司とストレスの多い職場の増加
【6】パワハラの法的責任
(1)刑事責任 脅迫罪 強要罪 傷害罪…PTSD発生
(2)民事責任
・行為者の不法行為
・使用者責任(不法行為・債務不履行)…職場のいじめ防止義務・環境配慮義務・安全配慮義務
(3)懲戒処分
【7】パワハラに対する被害者の対処法
(1)自身の安全・安心と健康の確保 証拠の確保…具体的方法 いじめにあったとき、隠さずに公然化
(2)相談窓口等への支援要請 コンプライアンス担当者への訴えと調査
(3)損害賠償の請求 労災申請 …名誉毀損等で訴えられる場合
(4)裁判外紛争解決システムの利用 厚生労働省・労働基準監督署等行政機関 認証ADR
(5)労働審判 裁判所の仮処分
(6)刑事告訴
(7)職場復帰への支援要請
【8】パワハラのない職場作り
(1)労働契約法第5条 労働安全衛生法
(2)使用者・取締役などの職場の環境配慮・安全配慮とスキル
(3)コンプライアンス態勢への取込 相談窓口の設置(内・外)、罰則の強化、研修、ポスター
(4)憲法の基本的人権尊重の趣旨
(5)いかにして部下のモチベーションを高め、生産性を上げていくか
【9】パワハラ判断基準
「指導」と「パワハラ」の限界事例 と5つの基準
【10】「労災認定」と民事損害賠償
(1) 精神障害における労災保険の判断基準
(2)労働災害補償給付と民事損害賠償との関係…3つのケース
※参考資料
労働者の心の健康の保持増進のための指針(厚生労働省)
業務外の講師への取次は対応しておりません。