営業マン、経営者のための財務分析研修プログラム
(60点+αの会計学)

多田正幸
ただまさゆき

経理・総務・労務

多田正幸
ただまさゆき

従業員9人以下の会社専門の税理士
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想定する対象者

簿記・会計の知識がない営業マンや経営者の方が、与信管理やM&Aなどの実務で取引先の決算書を最小限の労力で分析できるようになるための研修プログラムです。
「取引先の決算書から財務内容を把握するために簿記3級の勉強をしたけれど、今ひとつ決算書を読みこなすことができない・・・。簿記2級の勉強もしなければならないのかなぁ・・・。」この様に経理専門職以外の方が財務諸表分析を行うためのスキルをどう身に着けていいか分からない場合に対応した研修プログラムです。

提供する価値・伝えたい事

与信管理やM&Aなどのために、外部の会社の決算書を“読む”ための知識は、自社の決算書を“作る”ための知識とは異なります。
決算書を“読む”といった観点に立つと、通常の簿記・会計の勉強には無駄な部分と足りない部分とがあります。
簿記1級をマスターして“100点”の会計知識があっても他社の決算書を“読む”ことは困難です。
また、“60点”の会計知識しかなくても実態を分析する知恵があれば他社の決算書をかなり正確に“読む”ことができます。

内 容

決算書を“読む”ためには次の3つが必要です。
【1】“60点”の会計知識
【2】会計の教科書には書いていない、中小企業会計独特の“クセ”の把握
【3】業界知識

上記【3】の業界知識を持っている営業マン等が【1】と【2】をマスターすれば“100点”の会計知識を持つ経理専門職より決算書を“読む”力は上になります。
 決算書を“読む”ために必要な知識(上記【1】【2】)だけに絞ることで、効率のいいスキルアップを図ります。商社マンとして多くの中小企業の財務内容を分析した経験を持ち、税理士として多くの中小企業の決算書を作成し、会計専門学校の講師として簿記1級の講義を受け持つ講師が、実践的な研修をわかりやすく行います。

 会計専門職の多くは、自分の専門分野である会計を過信するあまり、現実の商取引の認識が表面的で稚拙です。そのため、高度な会計知識を持っていても正確な決算書分析を行うことができません。一時金融機関では担保による融資を改め、決算書分析に基づく融資(スコアリングシステムによる融資)を増やす動きがありましたが、実践的な分析をする能力がなく多くの融資が焦げ付いています。(スコアリングシステムの失敗)これは融資先の業界知識などを深く知らない金融機関が、会計知識のみに頼った結果、起こるべくして起こった失敗です。
 営業職など商取引の現場で働く人に、実務知識として会計知識を伝えようとする会計専門職は、会計の知識を伝えることも重要ですが、会計の限界を伝えることもそれ以上に重要です。

 かつて、名トレーナーに育てられた天才ボクサーがいました。しかし不幸なことに名トレーナーは未完成のボクサーを残し病没しました。精神的支柱を失ったボクサーはスポーツ科学の権威である学者に、“科学的トレーニング”の指導を仰ぎました。スポーツ科学理論的にはすばらしい見識の持ち主である学者でしたが、ボクシングの実戦経験が無く理論だけの指導ではそのボクサーを支えることはできず、ボクサーはスランプの時期を迎えました。その後、そのボクサーはボクシングの実戦経験に裏づけされたトレーニングにより復活をなしえました。

 決算書分析の為に、会計を専門としない人に会計の知識を伝える会計専門職は、数値では表しきれない微妙な情報(感覚)に敬意を払うべきであり、自分の専門分野の知識が万能ではないことを前提として、会計知識の指導に当たるべきです。そうでなければ、先ほどのボクサーが道に迷ってしまったように、商取引の現場で活躍する人をあらぬ方向にミスリードしてしまうこととなります。しかし、多くの会計専門職(特に会計畑一筋の会計エリート)は、会計への過信から専門外の人に会計の限界を伝えることができないでいます。(「会計をマスターすれば何でも解決する。会計はものすごく役に立つ。」と頭の中でつぶやいています。)
 泥臭い“船場の商売”と、会計専門職としての実務との両方を経験した私はそのような会計専門職の人たちに違和感を持っています。

★会計専門職と営業職との会話
 会計専門職:「取引先と商取引をするうえで取引先の決算書を、もっときちんと分析すべきです。」
 営業職:「一応簿記の勉強をしましたが、今ひとつ決算書を読みこなすことができないでいます。」
 会計専門職:「たとえばこの会社は財務的に非常に良い会社です。こんな会社と取引すべきです。」
 営業職:「そんな会社と取引したら、“殺されて”しまいます。」
 会計専門職:「どういうことですか?」
 営業職:「その会社は、注文した商品でも売れ行きが悪ければ、商品の引き取りを平気でキャンセルします。ですから 
      こちらがデッドストックを抱えるリスクが大きいのです。」
 会計専門職:「そんなのは契約不履行です。契約の不履行を行うなら法的な措置をとればいいのです。」
 営業職:「・・・。」(いちいち通常の商売で法的な措置をとっていたら、誰も怖がって当社と商売してくれなくなるんじゃな  
      いかなぁ。でも“会計の専門家”が言っていることなので、そうしたほうがいいのかなぁ。)

      現場を知らない“事務方”の“机上の空論”が事業をミスリードすることがあります。

 私は大学を卒業した後、華々しく海外取引をすることを夢見て商社に入社しました。しかし配属された部署は国内取引が中心の繊維業界でした。大阪の船場の街を自転車で走り回り、“丁稚修行”を行いました。
 当時の私の仕事には、通常の“繊維の商売”以外に取引先の決算書を“読む”というものがありました。取引先には小規模な会社が多く、私の職場では取引先の財務状態を把握することが営業マンに求められていたのです。日々“繊維の商売”をしていたので、業界知識はあり、取引先の企業が取り組んでいる事業の方向性の良し悪しなどを判断する“勘”はあるのですが、事業内容を客観的に分析するのに十分な会計知識が無く、興信所から取り寄せた調査書に書かれている取引先企業の“点数”を鵜呑みにするという状態でした。
 それから数年がたち、私は紆余曲折を経て税理士事務所で勤務税理士として働いていました。その時、十分な会計知識を持ちながらも細かい業界知識や数値に表れない業界独特のノウハウなどを軽視して、会計知識のみで経営上の問題を解決できると“勘違い”している多くの会計専門職(公認会計士、税理士、経理専門職)の人に違和感を持つようになりました。
 商取引の現場を知らない“事務方”が行う“経営指導”は往々にして“机上の空論”です。そして、“机上の空論”を信じた経営者は道を誤ります。(科学的なポーロフォリオ理論に基づいてリスク分散されたはずの投資信託を買って大きな損失を被るのと同じように・・・。)
 業界知識や商売の“勘”だけでは、客観的な財務分析をすることができません。しかし、業界知識や商売の“勘”を軽んじて会計知識だけで企業や経営を判断することもできません。
 商取引の現場で働く方に決算書を“読む”ための実践的は会計知識をお伝えすることができれば、その方たちは、どんな“事務系の専門家”よりも事業に対する目利きが利くようになるのではないか。そうすれば、その方たちが本当に有望な事業に必要な資金を提供してくれるようになるのではないか。そのことはひいては日本経済の発展に結びつくのではないか。そのような少し大げさではありますがわくわくした思いを抱きつつこの研修プログラムをお伝えしたいと思っています。

<研修講座内容>(1.5時間×3回)
1.基本的な会計の仕組みについて
  ・決算書とはどのようなものか
  ・決算書はどのように作られるのか
  ・会計の勉強を始める人がつまずくポイントについて
2.財務分析の方法について
  ・一般的な財務分析の方法について
  ・与信管理で重要な分析項目とは何か
  ・投資活動(M&A)で重要な分析項目は何か
3.中小企業の決算書を“読む”ためのポイントについて
  ・資産の評価について注意すべきポイント
  ・税務上の注意すべきポイント
  ・商取引の内容によって判断すべき事柄について

根拠・関連する活動歴

・丸紅株式会社での勤務経験
 中小企業を対象とした取引及びその財務分析
・税理士とし活動
 多くの中小企業の決算書の作成、顧問企業のための金融機関との交渉
・講師との活動
 会計専門学校で日商簿記1級の講義などを行う
 商工会議所などで会計・税務に関するセミナー講師を行う

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