分権・合併時代の地域づくり

松本 誠
まつもとまこと

松本 誠
まつもとまこと

市民まちづくり研究所 所長 元 神戸新聞調査研究資料室長
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内 容

1.地方分権時代と分権型社会

 1.第一次分権改革と世界の潮流
  ・分権改革10年の歩みと日本型「逆・補完性の原理」 Subsidiarity(補完性の原理)
   =住民に最も身近な行政は、住民に最も身近な自治体が責任と権限を持っておこなう
  ・"国家後退"の時代と分権型社会の進展
  ・分権化への「まず一歩」と集権体質の壁

 2.自治体と住民側の取り組みの遅れと背景
  〜地方分権一括法(1999年春成立)まで鈍感な自治体(首長、職員、組合)
  ・集権体質への慣れと安住(安易さ)
  ・"宮廷革命"(上からの分権改革)から始まった分権改革への抵抗感
  ・90年代の歴史的な転換(政治、経済、社会、国際関係)への鈍感さ

 3.究極の分権改革は住民自治の徹底
   ・地方分権改革推進委員会の中間報告(1996年)
   ・基礎的自治体の責任の重さと「住民自治」(←→団体自治)へのウエートの高まり
   ・地域内分権と"市民分権"の大切さ(地域自治組織の法制化)

 4.政治・行政システムにとどまらない分権型社会の構図
  ・超大国主導の国際関係の終焉(冷戦構造終結から次の国際秩序の模索)
  ・右肩上がりの経済の終焉と、「市場経済」至上主義の見直し
  ・大企業が揺らぐ背景と「効率」至上主義の限界
  ・タテ型社会の崩壊と、ヨコ型社会の台頭(ピラミッド型組織からネットワーク型組織へ)

2.市町村合併と地方分権

 1.明治、昭和の大合併と「平成の大合併」の違い 
 2.合併は自治体の主体的な選択

3.これからの地域づくり

 1.分権進展下での自助・自律の進行
 2.21世紀は一次産業(とくに農業)の時代
 3.「大」から「小」への価値転換
 4.自律できるまちの規模での「まちづくり像」を描く

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