想定する対象者
学生 教職員 ビジネス 環境関連
提供する価値・伝えたい事
グローバル化が進む中では、英語や文章力を基にしたコミュニケーション能力が必要である。環境ジャーナリストとして国内外の自然を取材し、海外のNGOやジャーナリストとも交流してきた経験を基に、欧米のローコンテクスト文化を知り、人種や文化を超えた普遍的なコミュニケーション力を養うトレーニングを訴える。シリコンバレーのある米国西海岸のような自然環境が豊かな場所で、ハイテク産業を軸にビジネスが育ち、新しい文化が生まれていることを知り、共依存、タコツボ的な日本人の発想を脱した人材が育つことを願っている。
内 容
・日本のハイコンテクスト文化の対極にある欧米のローコンテクスト文化を知ること
・スタンフォード大学特別研究員として国際的ジャーナリズムの現場を知っている
・サンフランシスコ湾地域(ベイエリア)の自然保護運動と人々の考えを取材した
・先端産業が集積するベイエリアには自然公園が多く存在し、自然保護意識が高い
・環境問題はスタンダードな国際テーマであるにもかかわらず、日本人の意識は低い
・欧米で活動する非政府の環境保護団体の規模、影響力の大きさを知るべき
・米国シエラクラブの終身会員として一般会員と同じように役員投票に参加している
・捕鯨やマグロ規制などの問題の背景に、日本と欧米の自然に対する意識格差がある
・自己アピールができる英語力とともに自然、歴史、哲学などの教養を高める
・理論思考の土台となる日本語の文章作法に注力する。起承転結だけでは役に立たない
・ジャーナリストの「すべてを疑う」視点を大切にしメディアリテラシーを身に付ける
・多くの本を読んで学際的な情報に触れ、国内外の多くの場所を旅行すること
・知識偏重から、レイチェル・カーソンの「センス・オブ・ワンダー」を大切にする教育へ
・ICTやAIが普及した社会に対応するためには自然界・生態系から学ぶことが多い
シリコンバレーのあるサンフランシスコベイエリアは、ハイテク産業など最先端産業が集積することで知られる。青い空、海のほかに、国立、州立、コミュニティーが管理する多くの自然公園がある。美しい自然、自由な雰囲気にあこがれて世界中から優秀な人材が集まっている。
欧米では自然環境を考えることは当然のことであり、多くの団体が地域や野外の活動を活発に展開している。ナショナルジオグラフィックは180カ国以上で850万人が定期購読をしており、グリーンピース290万人、シエラクラブ130万人などと多くの会員を持ち、社会的発言力も強い。一方日本の自然保護活動は御三家といわれる世界自然保護基金(WWF)ジャパン、日本自然保護協会、日本野鳥の会を合わせても会員数10万人程度。日本と欧米の格差は非常に大きく、捕鯨問題やクロマグロ規制などの論議でコミュニケーションを難しくしている一因である。
高度加工産業への転換を目指して失敗に終わったテクノポリス(高度技術集積都市、1983~98年)はシリコンバレーをモデルにしたが、自然環境へ目を向けていなかった。
日本には世界遺産に登録された白神山地、屋久島、知床、小笠原諸島だけでなく、里山のような二次的自然、生物多様性など欧米に勝る自然がある。それらは地道な保護活動によって世代を超えて守り続けられてきた。そうした日本の自然を知り、守ることの重要性を学ぶ施設として自然史博物館が役立つ。日本で初めて設立された大阪市立自然史博物館は、国内の自然史博物館のモデルとなっている。
進行
これまでの活動や世界の事情をパワーポイントで紹介するとともに、聴講者と自由な対話もする
根拠・関連する活動歴
野山や川がある自然豊かな環境で成長し、「自然が先生」が信条。新聞記者になって間もないころ、秋吉台国定公園に巨大な観音像を建設する計画が持ち上がり、これに反対するキャンペーンを展開したのを契機に、自然保護を訴える取材&執筆を続けてきた。
フルブライト奨学生としてスタンフォード大学ナイトフェローシップに留学(1993-94年)した。テーマは米国の自然保護運動。米国は世界で初めて国立公園制度を発足させた国であり、ヨセミテ渓谷での活動から始まった環境団体シエラクラブ(本部サンフランシスコ)があるなど、環境保護を知るには非常に恵まれた場所であった。
日本自然保護協会の自然観察指導員などのほか、留学後にシエラクラブの終身会員になるなどして持続可能な社会の基礎になる自然環境の保護・保全を訴えてきた。
現在は日本環境ジャーナリストの会、農政ジャーナリストの会メンバーとして自然と一次産業の接点を中心に取材活動を続けている。並行して文章講座や研修の講師を務め、2010年からはPRコンサルタントとして中小企業の支援をしている。
業務外の講師への取次は対応しておりません。